第14話
町に戻ってくると門でナギが待っていた。
『ビャク様、お出かけになる時はちゃんと報告していかないと』
ちょっとマジ顔での説教であった。
『あう、ごめんなのだ』
『幸い、キショウ様と同行してる確認が取れてたので大問題にはなりませんでした』
『捜索に来てた守護者やメイドたちには私の方から説明しておきました』
『うー、ごめんなのだ、あとで謝るのだ・・・』
ビャクがしょんぼりしている。
白丸がくーんと鳴きながらビャクにまとわりついている。
どうやら楽しみにしすぎて朝いちばんに飛び出してきたみたいだ。
しかし気になるワードが出てきたな・・・守護者にメイド?
ビャクってもしかしてすんごい令嬢ってやつなのかなー?
聞いてやぶ蛇もあれなのでいずれわかるまで待ってよう・・・。
『ビャク、今度からちゃんと連絡してからくるんだよ、親御さんに心配させるのは良くないからね』
『うん、そうするのだ、今日は我慢できずに起きたら飛び出してきてしまったのだ』
『ふふふ、次からは気をつけようねビャクちゃん、私も一緒に謝ってあげるからさ』
『助かるのだ!』
ビャクは頼もしい助っ人に期待顔だ。
『俺も一緒にいったほうがいいかな?』
と尋ねたが
『んーまあもうちょっと待ってよ、正式な顔合わせはまた今度のお楽しみってことで』
なにやらニヤニヤしつつキショウが答える。
これは何か企んでる?楽しんでるって感じだな。
俺が怪しんで見てると
『まあ、ビャクちゃんと言ってくるからはじめは戻って自由にしてていいよ』
『わかったよ、この魚の下処理とかもしておきたいし先にかえっておくな』
『じゃあビャク、またな』
『うん、またなのだ、今日はとても楽しかったのだ!』
満面の笑みで答えてくれた。
キショウ、ビャクと別れ家路につく。
玄関を開け
『もどりましたー』
少しするとタエさんが現れ
『おかえりなさいませ』
視線は魚に向き気味だ、興味があるのかな?
さきほどの事を説明し一人で帰ってきたことを説明する。
『そうでございましたか、ビャク様はとても楽しみにされておいでだったのですね』
とてもやさしい笑みをうかべている。
『話は変わりますが、はじめ様、洗濯をしますので洗濯物があればお出しください』
させるのも悪いかなと思ったがそんな事も言ってられないよなと思い
『わかりました、すぐ出しますね』
『あ、その前にこの魚をしまいたいのですが、キショウに聞くと保存出来る所があると言ってたのですが』
『では、こちらへ』
釣れられてきたのは広めの台所だ。
『こちらが冷やして保存する所、こちらが凍らせて保存する所です』
一体型ではないが目の前にある長方形の箱はまさに冷蔵庫&冷凍庫。
助かった、これがあるだけで魚の保存が一気に容易になる。
魚を終い
『では、洗濯ものを取ってきます』
俺は部屋へもどりシャツ&パンツの肌着と釣りウェアを持って戻る。
タエさんにそれらを渡し
『すいませんが、こちらをお願いします』
『はい、お預かりします』
タエさんは洗濯物へ向かうようだ。
台所の使用許可を貰わないとなと思い
『すいませんタエさん、あの魚を捌いて下処理したいので台所つかわせてもらっていいですか?』
『どうぞ、ご自由にお使いください、何かわからなければ声をおかけください』
『ありがとうございます、使わせてもらいます』
タエさんはそういって洗濯物へ向かっていった。
俺は晩に食すための下処理を開始した。
大型台風が掠る位置にいるため色々やってて遅くなってしまった。
なんとか毎日更新が途切れなくて良かった。




