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中学生から始める女の子生活  作者: Ichiko
小学六年生編
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初恋

卒業式が終わり、[知之]は萌絵に耳打ちをした。


『後でやぎっちの家に行くから。』


気まずい状態が続いていた二人であったが、翌日一緒にロリータドレスを着てパーティーの司会をする事になっていたので打ち合わせをしない訳にはいかない。


(雪菜ん家にも行ってみよう。)


雪菜と萌絵の家は近いので打ち合わせついでに前日に雪菜に萌絵を紹介した方が都合が良い。



自宅に帰り知香に戻ってから自転車を走らせる。


萌絵の家では母の友子が出迎えてくれた。


友子はスーパーのパートをしている為日曜日に萌絵の家に行った時はいつもいなかったが病院の待合室で一度会っている。


萌絵がロリータ服を着る様になったのは友子の影響だと聞いていたので少し興味があった。


『こんにちは。』


『萌絵がお世話になっています。萌絵ったらいつも白杉さんの話ばっかりするのよ。』


友子は接客をしているせいか、萌絵とは違って明るい感じだ。


『ごめんなさいね、明日萌絵の服を着てパーティーに出るんですって?』


こっちが服を借りるのに貸してくれる側に謝られてしまった。


『良いんです。私、萌絵ちゃんの事大好きだから一緒に着られるの嬉しいです。』


友だちとして大好きと言ったつもりだったが、言った後で顔を赤くした。


(やっぱり私、やぎっちの事好きになっちゃったのかな?)


萌絵が玄関に出てきて一緒に部屋に向かう。


『……私、みんなの前で司会とか出来ない…。』


『大丈夫だよ、私もいるんだから。二人一緒に司会するならこの服着ててもおかしくないし。』


『…うん。』


また、何か言われそうな気がして知香はドキドキしたが期待もあった。


『それで私、その前に別の服着なきゃならないの。だから雪菜のお店でこのドレス今から預かってもらわなきゃ。』


『別の服?そうなの?』


知香たちのパーティーは午後一時からだがその前の11時から雪菜たちのパーティーがあり、そこでウェイトレスをやらなければならない。


知香の他にはずみやのぞみも制服を着て給仕をしてもらう事になっている。


奈々は背が小さすぎて合う制服が無い事、萌絵は司会に専念出来る様にと最初から声は掛けていなかった。


美久にも声は掛けたが会計をやってくれるという事で断られたがどうも最初から[スノーホワイト]で行なうパーティーに気乗りしない様に見えた。


『大変だね。大丈夫なの?』


『うん、せっかくやぎっちが一緒に司会やってくれるって言ってくれたんだから頑張るよ。』


『……もし良かったら、もう一つお願いして良い?』


(うゎ、来たよ!)


『言ってみて。』


『私の事、萌絵って呼んでほしいの。』


『うん、分かった。』


萌絵の気持ちに応えたい。そんな自分がここにいる。


愛とか恋に疎くうぶな知香ではあるが、萌絵の事が本当に好きになっていた。


萌絵の左側に寄り添って知香は聞いてみる。


『こんな中途半端な私だけどいいの?』


『知香は中途半端なんかじゃないよ。知香の全部が好き。』


萌絵はチカちゃんではなく、知香と呼んだ。


『ありがと…』


これが知香の初恋だった。


身体は男であるトランスジェンダーと百合な女子という他人から見たら歪な恋かもしれないがそういうのは関係ない。


知之ではなく知香として自分は萌絵が好きなんだと思っていた。



それから、二人は歩いて雪菜の家に行った。


玄関で出迎えた時に二人の手が繋がっていたのを見た雪菜は何も言わなかったがそれが何を意味しているかが分かった。


幼なじみの雪菜は知香の事を一番よく知っていた。


もし知香が知之のままであったら…と思っていた事もあったが、知香となった今は同性の大切な親友である。


ほんの少しの嫉妬を隠して祝福をする雪菜だった。


『ともちゃんは一番小さいサイズね。大森さんと松嶋さんはこれでいいかしら?』


雪菜の母・紗世が制服のサイズを確認する。


『それでこの服、明日までここで預かって欲しいんですけど。』


知香が紗世にロリータドレスの入った袋を差し出した。


『あら、可愛い!知ちゃん明日これ着るの?ゆきちゃんもこういうの着てくれたら良いのにね。』


『だから私はダメなんだって!』


紗世が買ってきた可愛い系の服は雪菜自身は着ないで知香に着せていた。


『でもね、この制服って、いずれはゆきちゃんに着てもらう事を考えて作ったのよ。』


その夢が明日かなうと紗世は喜んでいた。




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