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中学生から始める女の子生活  作者: Ichiko
中学三年生編
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質疑応答

このみに続いて知香の話があり、 さらに田口先生からデータを元にした話が続いた。


生徒たちの大部分は真剣に話を聞いていたが、中にはつまらなそうに聞いていたり、眠っている生徒もいる。


『それでは、質問などある方がいたら手を挙げて下さい。その場で答え難い質問の場合、あとから個別に返事をする事もあります。』


二、三年より一年生の方から手を挙げる生徒が多い様だ。


『女性になったらセックスは出来るんですか?』


かなりダイレクトな質問だ。


『出来ますけど子宮が無いので子どもは作れません。』


(どこまで言って良いんだろう?)


あまり露骨に言えないもどかしさを感じる。


『白杉さんが生徒会長になったのは性同一性障害と関係あるんですか?有名になりたいからですか?』


『関係ない質問なので却下します。』


浅井先生は毅然として答えた。


(居るよね~、空気読めない子。)


『女子の質問はありますか?』


男子から変な質問が続いたので浅井先生は女子からの質問を促し、手を挙げた女子生徒を指した。


『私は女の子同士の恋愛って理解出来ないですけどもし友だちの女の子から好きって言われたらどうしたら良いですか?』


同性同士の恋愛に否定的な生徒も当然居るだろう。


『その相手が男の子でも女の子でも一緒だと思います。まずは相手の気持ちを考えてみて、無理ならはっきり無理って言うのもありだと思います。男とか女ではなくお互いが好きか嫌いかが大事じゃないでしょうか?』


実際、知香が萌絵と付き合っているのは男子との恋愛を否定している訳ではない。


その部分では萌絵と違う考えだと思っている。


『私は男の子になりたいと思っている訳じゃないんですが、スカートじゃなくスラックスを穿きたいです。風が強いとパンツ見られちゃうし、冬は寒そうだし。』


この辺りは赤城おろしという強い風が吹く地域で、女子生徒にとっては悩みの種でもある。


『許可を出す事は可能です。』


浅井先生が質問に答えた。


知香の入学以来、公にはしていないが制服の規則にある男女の部分は削除されているのでトランスジェンダーでは無い女子がスラックスを穿くのも男子がスカートを穿くのも基本的には大丈夫だ。


『他に質問される方いらっしゃいますか?』


『はい。』


『一年B組の方、どうぞ。』


立ち上がったのは遥だ。


『一年B組、西山遥です。』


『知香さん!』


壇上でこのみは身構えて知香に囁く。


『落ち着いて!まずは遥ちゃんの話聞こうよ。』


遥は渡されたマイクを手にして話し始めた。


『私、上田さんから優しくしてもらって勝手に好きになって女の子になった上田さんや焚き付けた白杉さんを勝手に恨んでいました。でも、上田さんが女の子になったのは私がきっかけだったと聞いて驚きと共に深く反省しています。申し訳ありませんでした。こんな私を許してくれるでしょうか?』


遥はこのみの話の後暫く泣きはらしたのだろう、赤い目をしていた。


このみの言った[ある三年生の女の子]が名乗り出た事で体育館は一気に盛り上がった。


『知香さん……。』


『大丈夫、遥ちゃんに応えてあげて。』


知香はこのみの背中を押し、このみが壇の中央に立つと、さらに歓声が沸いた。


『……遥ちゃん……ごめんね、ちゃんと言えなくて。許すとかじゃなくて最初から私自身が決めた事だから。もし遥ちゃんと出会えなくても私は女の子になる道を選んだと思う。だから私の方が謝らなきゃ。』


このみは壇から降りて遥の前に立ち、お辞儀をした。


『ごめんなさい。』


『こうちゃん、頭上げて下さい。私の方がごめんなさい!』


お辞儀をし合うふたりに見ていた生徒全員が拍手をした。


(丸く収まったかな?)


知香も様子を見て安堵した。



集会が終わり、知香はこのみと遥を生徒会室に呼び入れた。


『白杉先輩、この前はすみませんでした。』


遥が生徒会室に乗り込んだ事を謝罪した。


『大丈夫。今日みたいな集まりをやってもなかなか理解してもらえないものだから。』


『そう言えば、白杉先輩に生徒会長になったのはって聞いたヤツ、ウチのクラスの武田だったな。今度絞めなきゃ。』


遥のクラスの学級委員である倉田が言った。


『そうだね、私も協力する。』


遥も続いた。


『私の事なんかどうでも良いから、遥ちゃんはこうちゃんを支えてあげてね。こうちゃんはたまに落ち込むから。』


『知香さん!最近は大丈夫ですから。それに……。』


このみは豊が好きで遥には妹の様にしか思っていない。


『こうちゃん、分かっているから良いよ。』


遥には豊の事は伝えていないけれど遥は何となく分かっている様だ。


『しっかりした妹さんだね~。これならこうちゃんも安心だ。』


『知香さん!』


このみはこの後もずっと冷やかされていた。

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