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中学生から始める女の子生活  作者: Ichiko
中学二年生編
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おっぱい欲しい①

結婚パーティーの翌日、今日は自宅のパソコンで前日撮影した写真の編集をしている。


『ともちゃん、萌絵ちゃん来たわよ。』


編集が一段落した頃に良いタイミングで萌絵がやって来た。


『おはよう。』


『……おはよう……。』


『萌絵ちゃん、ゆっくりしてってね。でも程々に。』


なにが程々なんだろうか?


一度妄想をしている時の母の頭の中を覗いてみたいものだ。


『昨日の写真?』


パソコンの画面を見ながら萌絵が聞いた。


『うん、みんな可愛く撮れてる。』


司会の合間にメイド服を着て動き回るみんなの姿を撮影していたのだ。


『中野さんもきれい。』


上西頼子となった旧姓中野さんのウェディングドレス姿の写真もきれいに撮れている。


将来、自分も誰かと結婚をするのだろうか?


相手は男?それともここに居る萌絵とそのままずっと一緒?


式を挙げるとしたら二人でウェディングドレスを着てバージンロードを歩くのか?


『……ねぇ、どうしたの……?』


萌絵が妄想の世界にのめり込んでしまった知香を呼び戻す。


母の事は言えない様だ。


『外に出ようか?』


このまま妄想していると精神衛生上良くないので外に出る事にした。


『暑いね、かき氷食べに行かない?』


駅の傍に年間営業のかき氷専門店があり、少し高めの料金だが学生たちには人気だ。


『このふわふわ感が良いんだよね。』


知香が食べているのは抹茶ミルク、萌絵は生バナナだ。


『頭痛い……。』


そう言いながら美味しそうに二人は完食した。


『……ウチに来ない……?』


萌絵の家は両親共に日曜日も仕事なので誰も居ない。


萌絵からこういう誘いがある時は大体エッチな事をしたいという合図だ。


『また?』


エッチな事といっても知香の身体は薬で抑えている為男性の機能は働かず、キスをしたり服を着たまま抱き合う程度しかしない。


知香も将来の為に性の勉強をしているが、今の自分にはそれ以上の事は出来ないし欲望も無いと思っている。


(萌絵はそれで満足なんだろうか?)


最近の中学生は情報を得るのも早い。


たぶん萌絵もいろいろ知っている筈だから本当はもっと先の世界を体験したいと思っているかもしれないが、今の知香に合わせて我慢している気がする。


『キスしよ。』


部屋に入るといきなりキスを迫られ、唇を充てた。


最初は両の手を萌絵の後ろに回していたが、右手を胸の方に移した。


(柔らかい……。)


背は低いくせに大きい萌絵の胸は服の上からでもその柔らかさを確認出来た。


(自分も早くこんな胸が欲しい。)


ホルモン治療を始めるまでまだ一年近くある。


少しだけ胸は出ているとはいえ萌絵くらいとは言わないまでも人並みに胸を大きくしたいと知香は思った。


萌絵の胸を軽く揉むと萌絵の顔は気持ち良さそうに感じていたが、直ぐにその手を離した。


『……どうしたの……?』


急に手を離された萌絵は知香に訊ねた。


『……ごめん……。』


萌絵みたいなおっぱいが欲しいとは言えない知香だった。



自宅に戻ると、直ぐに由美子の元に行った。


『お母さん、そろそろブラジャー買って欲しいんだけど。』


『萌絵ちゃんに当てられたの?萌絵ちゃん胸大きいもんね。』


こういう時の由美子は勘が鋭い。


以前から母娘でブラジャーの話は何度かしていたが、冬服は目立たないのでまだ大丈夫と知香の方で遠慮していた。


が、夏服の季節になり前日の結婚パーティーのドレスを着た時も小さい胸が気になっていたのだ。


『例の人工おっぱいも買うんでしょ?』


ブラジャーを着けるなら人工乳房も必要になる。


『……うん……。』


『はい、これ。』


由美子が小さな段ボールの箱を差し出した。


箱にはネット通販の会社のマークが付いている。


『これって……。』


箱の中にはシリコンで出来た偽乳房が一対入っている。


『ともちゃんはいつも突然言うでしょ?だから買っておいたの。』


逆にいつ言ってくれるか待っていた感じである。


『じゃ、下着屋さんに行きましょ。』


想定していたとはいえ、由美子の行動は早い。


由美子はいつも行く衣料品のチェーン店では無く、駅前商店街の下着専門店に入っていった。


『なんか、凄いね。』


店内には色とりどりの下着が飾られて目のやり場に困る。


『ともちゃんももう女の子になって1年半になるんだからこういう雰囲気も慣れないとね。』


『いらっしゃいませ。知香ちゃん、待ってたわ。』


出迎えたのは由美子より少し若い検見川桃子という店主だった。


『私の事知っているんですか?』


『ウチも放課後見守り隊に加盟しているし、由美子さん…お母さんからもしょっちゅう言われてるのよ。』


放課後見守り隊は親が働いている間小学生を店で預かってくれる商店街の組織で、去年知香たちが子どもたちにクリスマス会を開いた縁がある。


『まだ本物じゃないといっても、ちゃんと測った方が良いからね。こちらへどうぞ。』


桃子よりフィッティングルームに案内された。


『学校は白じゃないとダメでしょ?でもお休みの日のためにカラフルなのもあると良いわよ。』


今日は母が買ってくれるので自分勝手に決められないが、由美子はカーテンの外から親指を立てている。


この日買ったのは学校用の白を3組と、普段用のレースの付いた無地の水色のもの、それと明るい花柄のブラジャーの計5組だった。

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