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中学生から始める女の子生活  作者: Ichiko
中学二年生編
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面倒な二年B組

4月になり、知香たちは二年生に進級した。


麗が卒業したので今までの様に集団で登校する事はなくなった。


知香と自宅が近いのはのぞみ、はずみ、奈々だったがはずみは部活の朝練があるので先に行くので一緒に登校するのはのぞみと奈々だけだ。


奈々とはデートの一件以来今迄と変わらず接していたが、改めて少人数だと多少気まずい感じもある。


3人は、春休みに何をしたかとか、クラス替えの話題で盛り上がった。


のぞみは妹のいずみと千葉の巨大テーマパークに行ったそうで、鞄にもそこで買ったキャラクターがくっついている。


奈々は春休み中に3着服を仕上げた様で、将来縫製の仕事を目指したいと張り切っていた。


学校に到着すると、掲示板に新しいクラス割りが貼ってあった。


既に登校していた萌絵が知香のところに駆け寄って来た。


『おはよう、一緒のクラスになったよ。』


余程嬉しかったのか、口調がいつに無くはっきりしている。


掲示板を見ると、知香はB組だった。


萌絵の他、仲の良い友だちは野村優里花だけで少し寂しい。


『私と八木っちは一年から変わらずB組だよ。宜しくね、ともち。』


『うん。宜しく、ゆりっぺ。』


改めて他の生徒を確認すると、高木健介と高野紀子の名前が続いて書いてあった。


(うわ、面倒くさそう!)


高木は体育祭の時からだいぶ知香寄りになって来ているから良いが、問題は紀子である。


校内放送のアンケートの一件は紀子の仕業だと分かっているし、更に陰湿な事をしでかしそうでならない。


『おはようございます、知香さん。一緒のクラスですね。』


振り返ると、紀子が笑っている。


『高野さん。おはようございます。』


知香は丁寧に挨拶を返した。


『あら、せっかく一緒のクラスになったんだし、紀子で良いわよ。』


(ホント、面倒くさい。)


『そうですね、紀子さん、宜しくお願いします。』


(警戒体制は解かない方が良いな。)


知香は紀子と一年間一緒だと思うと憂うつになった。


『白杉、また同じクラスだな。宜しく。』


『あ、高木くん、宜しく。』


高木はまだ父親と上手くいってない様だが学校では去年の様に浮いている感じが薄れ角が取れてきた。


『高野も一緒のクラスだな。俺、あいつ苦手なんだ。』


一年間、互いに学級委員として顔を合わせていたのだが、紀子は生徒会全体からもよく思われていない。


『でも高木くん、また学級委員やるんでしょ?たぶん高野さんも立候補するだろうし、仲良くしなきゃ。』


『俺、今年は立候補しねぇよ。』


高木は意外と小心者だった。


しかし、高木が学級委員である方が生徒会や知香にとってはやり易いと思う。


『一年間経験しているって大きいから今年もやってよ。立候補しなくても私が推薦するよ。』


『苛めるなよ~。』


入学当初は散々人の事悪く言ってたくせにと知香は思った。


ちなみにA組には美久、はずみ、ありさが、C組には雪菜、のぞみ、奈々が組まれていた。


B組の担任は一年と同じで木田先生だ。


新卒3年目で、大学時代は新宿でよく遊んでいた事もあり知香の良き理解者である。


『これから一年間宜しくお願いします。まずは学級委員を決めていきましょう。』


去年も、最初だけ木田先生が仕切って学級委員が決まると任せていた。


『はい、立候補します。』


真っ先に紀子が手を挙げた。


去年もそんな感じだったのだろう。


一方で去年立候補した高木は立候補する様子が無い。


『あら、男子は?……高木くん、今年は立候補しないの?』


去年から担任だった木田先生の方から高木に立候補を促した。


『いや、俺は……。』


『先生、去年高木くんと一緒にやって凄く頼もしかったので私から推薦します。』


尻込みする高木に業を煮やした知香が手を挙げて推薦した。


『おい、白杉!』


高木がなんと言おうと適任だと思う。


『女子は他に立候補する人居ないわね。じゃあ高木くん、高野さんで良いですか?』


大きな拍手で決まった。


(予想通りだね。このまま高野さんは生徒会長に立候補するんだろうな。)


知香は既に生徒会公認の生徒会長候補なので、争いは避けられそうもない。


他の委員を決めた後、班分けとなった。


男子と女子が別々になり仲の良い者同士が3人ずつ組み、その後くじ引きで男子と女子のグループが組んでひとつの班を形成した。


知香は萌絵と優里花に声を掛け、グループを組んだ。


『知香さん、一緒の班になりません?』


『ごめんなさい、野村さんと八木さんと一緒になったんです。』


紀子が知香と組もうと言ってきたが、先客が居ると断った。


(かなりしつこいな。)


くじ引きで岡田、守屋、渡辺という3人の男子が同じ班になったが萌絵たちも含め、一年A組だったのは知香以外居ない。


『白杉です。宜しくお願いします。』


簡単に自己紹介したが、みんなは知香の事を知っているけれど知香は男子3人の事はよく分からない。


『岡田は六年で同じクラスだったから知っているよ。』


『そうすると去年の卒業パーティー、来てたの?』


『うん、居たよ。』


去年、雪奈たちのクラスの卒業パーティーで知香はホール係をやったのだが、岡田はその時に居たらしい。


『うん、覚えているよ。あの時は可愛い女の子だと思っていたけどまさか男だったとはなぁ。』


『失礼しました!!』


ホントに失礼なのは岡田の方だけど、皮肉っぽく言ってやった。


『八木さんも見掛けたよ。なんかずいぶん可愛い格好していたよね。』


萌絵は自分たちのパーティーの司会をする為にスタンバイしていたが、それを見られたらしい。


その時はまだ知香はスノーホワイトの制服姿だった様だ。


男子に声を掛けられた萌絵は警戒して知香の陰に隠れた。


『ごめんなさい、八木さんは男の子苦手なんだって。』


『なんだ、可愛いのに。』


(岡田が萌絵に一目惚れ?)


ちょっと面倒な新しいクラスのスタートになった。



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