ジャマネンの師、オーマン
対談は友好的に行われた。閻魔はまず、総統の半生が気になり、生い立ちについて聞こうとした。
ジャマネンは、自分史を振り返り、以下のことを閻魔に話した。
ジャマネンはジャパーニー連邦共和国、ラバク県出のであり、比較的中流階級の家庭で育った。しかし、彼は重度のADHDを患っており、人間関係がなかなかうまくいかず、県民初等学校(この世界では小学校)、県民中等学校(中学校)ではいじめにあうこともしばしばあった。悲嘆にくれた彼だが、趣味は歴史があった。彼は歴史上の人物を知ることで自身の弱点を補強しようとしていた。彼が目に付けたのはカインケル・オーマンであった。
オーマンはジャマネンが生まれる200年前、ジャパーニーから遠く離れたストレイン共和国の独裁者であった。ストレインは当時、周辺国との戦争で敗北し荒廃していたが、オーマンは強烈な排外主義で支持者を集め、国民投票で大統領に当選し、国力を強化してストレインを再び大国にした。ここまでは、よかったが、次第に彼は自己陶酔し、ストレインだけでなく世界を支配すべき人であると思い込み、終身大統領となり、今度は全世界に宣戦布告をしたのである。その結果は、言わずもなが。
このような失敗者になぜ彼が惹かれたのか、閻魔は気になっって言った。「他にも、参考すべき人が山ほどいるのに、なぜ彼のような破滅思想の人を選んだのです?ちなみに、オーマンは無間地獄行きとなっています。」、そういうと、ジャマネンはこう答えた。「破滅主義だから私は選んだんです。彼には慢心が若干あったから失敗したと思うんですがね。」




