チャプター1/転移
それは突然の事であった。
ベルリンは突如として霧に包まれたのだ。
霧は1時間程で収まった。
そして霧が晴れた時、ベルリンにあったドイツ人、ドイツ人による建造物が全て消えていたという。
──────────────────────
私は激しく混乱した。
霧が出てきて、晴れたと思ったらさっきまで攻めてきていた連合軍の兵士が1人もいないのだ。砲弾も銃声も聞こえてこないのだ。霧がかかった間にどこかに隠れたかと思ったが、ヤツらに隠れる通りはないはずだ。念のため、索敵をしてみたが全く見当たらなかった。
1時間ほど探しても見当たらなかったが、ベルリン守備隊の1部隊と合流することが出来た。
部隊の方も敵がおらず途方に暮れていたらしい。
このことから今は情報を探ることが優先であろう。この場で最も階級が高い私が指揮を執る事となった。
「情報が必要だ。だれか何か分かってることを教えてくれ。なんでもいい」
すると部隊の1人が
「ヘーノアー通りに戦車隊がいたようです。」
「へーノアー通り。よしではその戦車隊を目指し探索を始めよう」
こうして探索は始まった。
40分程で戦車隊を発見することが出来た。
「人間が我々以外にもいて安心しました。」
戦車隊は安堵の表情をこぼしていた。やはり彼らも我々と同じような状況にあったのだろう。
そこで我々が知りうる現状を伝えた。
「とりあえず今、知ってることを教えてくれ?」
「我々は物凄い事を発見してしまいました。」
「現象後、異常に気づいた我々はベルリン郊外へ向かうことにした。」
「そして、ベルリンの外には何もなくなっていたんだ。」
「は?」
「ベルリンから外が平原になっていたんです。」