第15話 「御呪い」
短いですごめんなさい><
青い大空に、落ちることのない太陽
天使たちが飛び交い、女神たちがほほ笑む…。
ここ、天界は4つの区に分けられている。
一番の人口を持つのが『中央区』だ。
その中央区に存在する『大聖堂』。
今日、そこに多くの天使や女神たちが集結していた。
本日、そこで『表彰式』が行われる。
天界に貢献し、多大なる評価を得た天使や神に対して行われるものだ。
表彰された者の多くが、そこで褒美などをもらえる。
貰える褒美は、善良ポイント、武具や休暇だ。
中でも、一番注目される褒美が『姓』だ。
偉大な神々の名を、姓として名乗ることを許されるのだ。
姓を得た者は、その姓に応じた能力を身に付けられる。
天界の者たちは、普通『姓』を持たない。
故に、この『姓』を与えられることを待ち望んでいる。
『表彰式』とは、ただ有能な者を評価するだけではなく
周囲に模範として示す意味合いもあるのだ。
「エエエリカちゃん。着る服これでよかたかな?」
「あー?アタシら服は一着だけしかないだろ。」
送り出した転生者が魔王を討伐したとして表彰されるのは、女神リッカただ一人である。
てっきり、誰かのオマケで表彰されるのかと思っていたので、大慌てである。
「いいか、リッカ。お前はただ女神らしく笑顔でハイハイ笑ってればいいだけだ。」
「そそんなこと言ってもエリカちゃん!きんちょーするよ~!」
「ふふん。そんなお前の為に、今日は『おまじない』を教えてもらったんだ。
リッカ、ちょっと手を出してみろ。」
リッカは困惑しながら手を差し出す。
エリカは、リッカの手首を掴むと、手のひらに『神』と三回書いた。
「よし。それを飲み込め。」
「飲み込む?手は飲み込めないよ…?」
「んなこと知ってるよ。『フリ』だよ『フリ』。飲み込むフリをしろ。」
リッカは言われた通り、飲み込むフリをした。
「それで?」
「…さぁ?なんか変わったか?」
リッカは身体のあちこちを触り、確認した。
「…なにも?」
「………」
「リッカ様~、そろそろお時間です~。」
小さな天使が舞い降りてきてリッカに告げる。
突然の時間宣告にわたわたと慌てるリッカの背を、エリカはバシッと叩いた。
「ほら!行ってこいリッカ!」
「わわあわ。い、行って来るねエリカちゃん!」
天使に連れられ、手を振るエリカを後にした。




