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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第四章 魔物編 不思議な縁の魔物達
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6.あぁ、不安だ。

道中、大幅カット!

 ティオ様をマルスメティアに送り届けてから、俺とシロはエディル湖を縦断した。



 横目で湖を見ていたが、エディル湖は恐ろしいほどに澄んでいて、水面のきらめきが眩しかった。


 これは絶対観光する。皆で遊ぶ。キャンプするぞ。今決めた。




 そしてある程度北上すると、噂の『魔の森』の到着した。




 ココからは、ペアを母さんに変更する事にした。


 理由は、この森の適正レベルにシロが届いていない事、森の中はフェンリルの姿で移動するには未だ難易度が高い事、の二つの要因がある。


 シロもこの事は素直に認めており、学園でクリス先生相手に特訓をするそうだ。



 母さんと行った魔の森探索は、正直ピクニックのような緩い空気で行われた。


 なんせ、それなりに強力な魔物が出ても母さんはいつもの緩い雰囲気のまま排除するし、俺が周りを索敵してる最中にサンドイッチを取り出したりするし、俺が戦闘してたら後ろでニコニコしながらじっと見ててやりにくいし。


 偶にそれなりの強敵が出現する時もあったが、それも母さんと連携して余裕を持って撃退している。

 連携をとればとるほど、母さんはご機嫌になっていった。



 そして森を探索する事2日目からは、ニルと共に行動していた。


 理由として、母さんと1日間ずっと魔の森を探索して、エルフの里は普通に探していたら見つからないんじゃないかと察したからだ。

 だって、かなり巨大だと聞いていた世界樹(ユグドラシル)を頼りにしようと思っていたのに、魔の森の木々は空を覆うような生え方をしてて全く見えなかったんだよ。


 実際、その日の夜にニル達にその辺りを聞いてみた所、なんと世界樹(ユグドラシル)からエルフ以外の種族に対して方向感覚を狂わせる魔法が常に放たれており、常人には到達なんて無理なんだそうだ。


 聞いててよかったぁー。


 なのでエルフ四人組の中で、比較的戦闘能力や移動能力を含めた総合力の高いニルを連れて行く事にしたって訳だ。





 その結果。


 その日の夜遅くにエルフの里に到着した。





「さて、お前らにお願いだ」


 ニルが言うには、里の入り口らしき蔦の門の篝火が遠目に見える場所にて、俺はエルフの里に向かう面々を集めてお願いごとをする。


「夕莉を事を出来るだけ助けてあげてくれ。あいつは思ったら一直線な所がある。無茶をする時だってあるだろう。危険な橋だって渡るだろう。だから、そんな時あいつの力になって欲しい」


 俺の前に立つ9人を見渡しながら言葉をかけていく。


 今回、エルフの里にシーラも派遣する事にした。

 結界の使い手は、防衛面においては絶大な力を発揮するだろう、とその力を見込んでの事だ。

 シーラは『緊急時は絶対にシーラも呼ぶ事』を条件に、この件に了承してくれている。


「エルフの4人には、ちゃんとした『力』がある。絶対に他の者にも負けない程の『血の力』が。それは必ず君達の役に立つはずだ」


 4人は真面目な表情で頷く。

 これで伝えたい事は一通り伝えたはずだ。


「それじゃあ、俺はそろそろ帰るとしよう」


 そう呟きながら【転移(テレポート)】を発動させる。


「恐らくだが、後十数秒もしない内に夕莉が出て来るはずだ」


 俺はそう確信している。



「皆、頼んだぞ」



 最後にそう声を掛けて、俺は青色の光に包まれてその場から消えた。





 後からシーラに聞いた話だが、その十数秒後に蔦の門を壊す勢いで、夕莉が出てきたそうだ。


 ほらな。



 ちなみに、その日の夜の【念話(コール)】は久しぶりに拗ねていて、機嫌を直すのがなかなか大変だったとだけ伝えておこう。









 それから数週間経った。



 俺とシロは、無事2年生に進級した。

 クラスは、最上位クラスの『Aクラス』だった。



 これで俺の評判は『最底辺の寄生屑野郎』という、落ちる所まで落ちた。



 なんせ、競争が激しいこの学園において、進級試験を受けないで従者(シロ)の力でAクラスになった奴、と思われている訳だ。

 正直この評価が妥当なのは、自分が良く実感している。


 一応、学園長から『個人的な緊急依頼を出していた為、不参加だった』というのと、『その依頼の難易度から、実力としてはAクラスで妥当である』という通達は出された。

 そして、依頼としての公認性として、冒険者ギルドのグランドマスターであるセルディマからも承認もいただいている。


 だがしかし、今回の件はかなりの極秘依頼の為、そこら辺の内容の詳細を全く明かす事が出来ず、寧ろ生徒教師連中の不平不満を煽る形になってしまった。



 そして、その不平不満は学園長が予想していたよりも圧倒的遥かに大きかったようで、俺の実力を公衆の面前で証明しないといけないレベルにまで発展した。



 その場として、2か月後に行われる『学園トーナメント戦』が選ばれた。


 これは、学園内において実力の認められてる実力者を32人選び、そのメンバーでトーナメントを行って『学園最強』を決める、という毎年恒例の行事だ。

 その為、出場者は殆どが4年生になる。


 また、このイベントはかなりの注目度があり、諸国の貴族が集まって有能な人材を探す場にもなっており、このトーナメントに出るだけでも将来安泰といわれる程だ。

 それとは別に、普通に外部からの一般客も大勢来るらしい。その際、試合の賭けも行われるそうだ。



 そんな大会に俺を出すというのは、とどのつまり『俺を社会的に殺す』為だろう。


 相当な不平不満がたまっているようで。



 その事については、学園長から謝罪と共に受け取った。

 俺自身、普段の行いの所為なのは自覚していたので、学園長は全く悪くないから謝罪はいらないと伝えてある。



 それに、これは丁度いい機会だとも考えていた。


 いい加減、あの周りからの視線や陰口、挙句の果てにシロへのちょっかいが本格的に鬱陶しかったのだ。



 特にシロが獣王と同じ【獣化(ビースト)】を使えると周りに知れ渡ってから、最近シロへのちょっかいをかける連中がかなり増えてきたのだ。


 シロを心配する者、俺に圧をかけて来る者。


 そいつらはまだいい。俺で追い払う事が出来る




 一番質の悪いのは、シロが奴隷だというのを利用して、俺に難癖をつけて『所有権』を奪おうとする奴や、金に物を言わせて『所有権』を買い取ろうとする奴だ。




 こいつらは社会的な権力や力、法といった物を使ってくるので、俺個人で出来る対処法に限界があるのだ。

 現在、相当質が悪い事に、学園の現4年に『伯爵家の長男』で『学園有数の実力者』で『イケメン』という、学園内外で相当な権力を持つ輩がおり、そいつからシロがかなりの粘着を受けている。


 今の所、クリス先生や学園長、オルやセルディマといった、俺が頼める大人達に頭を下げて回って協力を依頼して何とか乗り越えている。



 シロ然り、夕莉然り、周りの者達に害する存在を蹴散らす権力は、やはり早急に必要だと再度実感する思いだ。









 トーナメントの前に、一つ学園行事がある。



 それは『修学旅行』。



 今の俺にとって、超絶最大最凶最悪確殺不可避のイベントだ。


 本気で泣きてぇ。





 旅行先は、『フレディ』と呼ばれる温泉街だ。


 位置として、大陸を横断する山脈が二つに分かれる分岐点の麓にあり、大陸有数の温泉地として有名な町だ。


 そこまでの移動は、各10人ほど詰め込める大型の馬車で移動する。

 道中の護衛は、学園長や教師陣が行うので、安心安全である。


 その為、各馬車では旅行への興奮からか、雑談が絶えなかった。





「知ってるか?フレディにはいろんな伝承があるらしいぜ」


「マジで?どんなのがあるんだ?」


「私知ってる!フレディの傍にそびえる山脈にいる『白いアラクネ』だよね!?」


「そうそう!私も昔話で聞いた事ある!山に迷い込んだら、その白いアラクネに連れていかれて食べられちゃう話だよねー」


「それは確かに俺も聞いた事があるな。子供の時、悪い事をしたら白いアラクネが来るって親から言われて、凄い怖かったなー」


「まぁ、只の伝承らしいけどな」


「らしいね。確か、その時代のグランドマスターが探索隊を組んで山脈を探索したけど、全く見つからなかったって話も有名だよね」


「他にもフレディの伝承はあるぞ」


「何々!?」


「教えて教えて!」


「フレディの山奥には不死鳥(フェニックス)がいるって話もあるんだ」


「そうなの!?」


不死鳥(フェニックス)ってあれだよね!?全身火に覆われてて、綺麗な鳥!」


「後はあれか?どんだけダメージを受けても死なないって言う伝説の?」


「そうそう、その不死鳥(フェニックス)を見たって言う人が一時期結構いたらしい」


「それも捜索隊組んだの?」


「確か、組んでるはずだ」


「それはどうなったの!?」


「沢山のハーピィがいただけらしい」


「え、そんだけ?」


「いや、これが百数十体とか相当数なハーピィだったらしいんだよ」


「それやばいな。山のハーピィって言ったら銀級冒険者以上じゃないときついレベルじゃないか」


「でも、ハーピィって確か愛玩奴隷とかで超高級で売れるって話を聞いた事があるよ?百数十体とかどんだけ金になったんだろう?」


「それが、その時の探索チームが『叡智教』の集団だったらしい」


「うわっ、それって………」


「お察しの通り皆殺しだ」


「うぇぇ………」


「今の愛玩奴隷で超高級なのはそれが理由だ。その時にハーピィは全滅したんじゃないかと言われる程に目撃されなくなったんだよ」


「うわ、俺らそんなところに行くのか」


「寧ろ、そんな事があったからあそこは観光地になったんだよ」


「どういう事?」


「その時の探索隊が周辺の魔物を全滅させるほど駆逐し尽くしたらしいんだ。だから、今でも周辺に出現する魔物は弱い魔物が多いんだ。しかも、その魔物も定期的に駆逐して回っているらしい」


「成程、新たに強力な魔物に成長する前に、その芽を摘んでるのか」


「あぁー、そゆ事ね。それなら観光客が集まるのも納得だね」


「旅は道中が一番アブねぇからなぁ」


「まぁ、今回の俺らは確実に安心だな」


「なんせ、学園長が付いてるもんな」


「あぁ、盗賊なんかまったく怖くないね」





 同級生が男女でキャイキャイはしゃぎながら雑談している。


 俺は馬車の隅っこで、ずっと外を見ていた。



 あぁ、空しい。



 シロは教師陣の陰謀(ソースは学園長)で違う馬車になっている。

 一応、その馬車の護衛に学園長が付いているので安心はしている。


 その分、一人の俺が際立つだけだ。



 あぁ、辛い。



 孤独というのは、どうしてこうもダメージが大きいのか。



 フレディに着くまでの道中、余りに寂しかった俺は【眷属念話(クランコール)】を色んな人に飛ばして、孤独を誤魔化していた。





 あぁ、不安だ。

今回更新が開いてしまったのですが、ここまで開くようなら閑話でも挟んだ方がいいのでしょうか?

今回の章で仲間になるキャラ含めた眷属スキル集とか。

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