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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第三章 学園編 俺とエルフと二度目の龍
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1.今まで真面目に誠実に生きて来てよかった!

さぁ、遂に一週間放置してしまった………。

鏡面のイベに向けて追い込みしてました。全然育成が追い付かないね!

「らぁっ!」


「ほっ、残念ながら狙いがバレバレだ!」


「くっ!?」


 セレナの愚直なまでに真っ直ぐな剣筋を見切って回避してから、セレナの防具目掛けて蹴りを入れる。

 攻撃の後で隙の出来たセレナは避けられずに、吹っ飛ばされる。


「ハァッ!」


「振りが荒いッ!」


「わぁっ!?」


 カナンの直剣による横薙ぎを、胴元に携えていた銅剣で正面から受け止める。

 剣の素材で負けていようが、振りが荒いと攻撃力に欠ける所が出来る。そこを狙って攻撃すれば、剣を壊される事無く攻撃を受け止める事が出来る。

 師匠の教えである。


「今ならッ」


「甘い!」


「嘘っ!?」


 そんな感じで剣でガードした為隙が出来た俺に向かって、シオンが躊躇い無くレイピアによる突きを入れて来る。いい性格してるわ。

 まぁ攻撃タイミングとしてはベストだと思う。それに中々にいい殺気が乗っていた。

 まぁ、殺気を感じたから気付けたんですけどね。殺気を出すのが早い。

 レイピアを下から蹴り上げて、突きをキャンセルさせる。


「なら、これはどう~?」


「えっ!?うわッ!」


 右腕は剣によるガードに使用中。片足は振り上げた状態。

 そんな俺に大剣を叩き付けようとするニルの攻撃が、やたら正確にボディーに飛んで来た。しかも、殺気も感じなかった。


 この攻撃タイミング、実質シオンよりいい性格してるんじゃなかろうか?


 若干気を抜いていたのもあって、普通に避けられなくて吹っ飛ばされる俺。

 まぁ、四人いるのわかってたのに気を抜いた俺の落ち度なんだけどな。いやー、攻撃食らう瞬間までニルの殺気を感じないとは。


「当たったわ~!」


「おぉ!やった、やった!」


「流石、ニルっち!」


「ふぅ、何とかなったわね」


 飛ばされた俺を見て、キャイキャイと沸く四人衆。


「お前ら………。少しは大剣でぶん殴られた俺を心配してくれても………」


「えっ、いる?」


 愚痴りながら近寄ると、シオンから辛辣に切り返される。


「まぁ、そんな心配するだけ無駄だと思っちゃうね」


「そうそう!それよりも、ちゃんと攻撃当てたから今日の夜ご飯よろしくねっ!」


「レイ君家のご飯はおいしいから楽しみだわ~」


「お前ら、大概遠慮が無くなってきたな………」





 ドラゴン襲撃事件から1か月ほど経った。


 あの後は色々大変だった。



 まず俺の正体だが、オルが全力で隠蔽してくれた。

 ドラゴンを倒したのは、通りすがりの謎の冒険者『コウ』という事になっている。よくそれで誤魔化せたな………。


 まぁ名誉な事であり、『救われた恩』として街としての体裁が必要だったようで、ドラゴン討伐の公開褒賞授与式があり、一応それには参加した(勿論変装状態で、ローブもかぶっていた)。

 あん時は、人すっごいいっぱい集まってて、歓声の声に圧倒されたなぁ。


 その際に白金貨15枚と、【竜殺し(ドラゴンスレイヤー)】の称号をもらった。


 白金貨15枚って凄い大盤振る舞い………。一般市民なら1枚で10年は暮らせる物を15枚って………。

 すぐにオルに返そうとしたが―――。


「いいんだよ。アタイからのお小遣いって事で受け取っときな」


 って感じで、受け取ってもらえなかった。いや、お小遣い多すぎだろ。


 なので白金貨は、俺の【空間収納(アイテムボックス)】の中に10枚入っている。

 残り5枚はそれぞれ金貨に両替してから、20枚ずつシロと母さん、ラーナ、オルに『緊急時の保険』と無理言って渡した。

 それでも、金貨420枚余ってしまったので、結局それも【空間収納(アイテムボックス)】にしまってある。

 一気に大金持ちになってしまった。


 あ、ちなみに【竜殺し(ドラゴンスレイヤー)】は、ドラゴンに対して攻撃力が上がる『ドラゴン特攻』のような称号でした。

 異世界恒例ですね。



 その後、学園生達は授与式の後直ぐに学園に帰還した。


 教師陣にしては珍しく帰還までの動きが早かったのは、恐らく貴族の坊ちゃん連中が駄々をこねたんだろう。

 『ドラゴンが出るようなこの場所からは早く逃げたいが、ドラゴンを倒した冒険者を安全とこれからの自分の為に確保したい』的な。想像に難くない。

 オルの所には『あの冒険者の正体を教えろ』という訴えがたくさんあったらしい。中には身分をチラつかせた、脅迫に近い物もあったと聞いた。


 まぁ、そんなので屈するようなら、オルは有名というか崇高な存在にはなっていない。


 実際、オルはそんな事をしてきた相手に対し―――


「ハンッ。その程度で教えると思ったかい?アタイを舐めるんじゃないよッ!さっさと帰りな!」


 と言って蹴り飛ばしたらしい。流石、オルだ。おばあちゃんすげーや。


 まぁ、しつこい貴族なんかは下がらなかったらしいが、今のオルには母さんをボディガードとして付けているから、何も心配はいらない。

 しかもそれだけじゃなく、どうやらグランディアの領主も母さんをかばってくれているらしい。何でも酒飲み友であり、元パーティメンバーなんだとか。オルのパーティについて一度詳しく聞きたい所だ。





 そして、学園に帰ってからの事。



 まず最初に、学園長のトリスさんが帰還報告の為の集会を開いた。


「ふふっ、私が居ない合間に好き勝手してくれた連中がいるようね。まずはお掃除の時間かしらね」


 壇上でそう微笑むトリスさんは、なんか本能的に怖かったです。


 なのでトリスさんは現在、学園の現状について調べて対応するなどして、色々動いているようだ。

 ぜひ頑張ってほしい。



 そしてトリスさんから、クリス先生の補習を午後のコマの一つとして公式的に認定された。

 またそれのお陰で、今まで図書館でしかできなかった授業を、公式的に訓練所とかを借りて出来る様になったので、教えてもらえる幅もグッと広がって凄く助かっている。


 受講メンバーについては、クリス先生が自由に決められるようになっている。

 認定された時は受講希望者で溢れかえったが、クリス先生は殆どの希望者を断っている。実は生徒会長すら希望を出したらしいが、それすらも断ったのだとか。

 実際、追加メンバーは剣士(フェンサー)四人娘だけだ。


 その理由としては『俺の存在』だ。


 クリス先生は、俺とシロが正体を隠さないでも訓練出来る様に環境を整えてくれたのだ。だから、俺の事を分かっている剣士(フェンサー)四人娘だけは参加できたのだ。


 いやー、本当にいい先生だと思う。

 思うんだが………。





「にしても、クリス先生とシロちゃん凄いよねー」


 ふと、カナンがそう零す。


「ホントにあれは凄いよね」


「そうね。あれを見ていると私達はまだまだなんだ、って思い知らされるわね」


「頑張るわよ~」


 残りの三人もそれに同意する。




 睨み合うシロとクリス先生。



「ハッ!」


ヒュンッ!



 高速の飛び込みから、シロが左で速度重視のジャブを放つ。



「フッ!」


シュパンッ!



 それをクリス先生が冷静に弾く。



「ゥラァァァ!」

「ハァァァァ!」


シュパパパパパッ!

シュパパパパパッ!



 シロが高速ラッシュを放つが、クリス先生も全てを弾く。



「セイッ!」

「シャッ!」


パァンッ!



 互いの拳がぶつかり合う。



「クッ!?」

「チィッ!」


シュッ!ザァァァッ!



 攻撃が止まったと同時に二人共後ろに飛び退く。


 そして、再度睨み合いになる。





 俺達の横では、シロとクリス先生が互いに全力で組み手をしていた。

 AGI:Aクラスの本気のスピードから繰り出されるラッシュは恐ろしい速度を持っており、残像が見えるほどだ。


 カッコいい。俺も残像とか出してみたい。

 どうしても戦闘が脳筋寄りになる俺は、ああいう高速戦闘は考えが追い付かなくなってしまうので、あのう二人には勝てていないのだ。



「ふぅ、休憩だ」


「……ハァ……ハァ………ハイ」


 クリス先生がそう言って組み手を止める。

 シロは息が上がっているのに、クリス先生はあまり呼吸が乱れていなかった。


 これに関しては、完全に経験の差が出ている。

 クリス先生の方が、無駄な力を使わないで体を動かす事が出来ている。シロも少しずつ覚えてはいるが、経験の差を埋めるのは簡単ではないからな。


「少しずつだが、少しの隙にしっかりと攻撃を差し込めるようになってきたな」


「………ありがとうございます」


「まぁ、後は本当に経験だ。色んな相手と組み手をしてみるといい。防御が固い相手とか良い練習になるぞ。今度、私のパーティメンバーを連れて来よう」


「………是非、お願いします」


 シロが本気を隠さなくなってから、クリス先生の訓練のレベルがかなり上がった。その分シロもめきめきと力をつけている。

 俺も気を抜くと抜かされそうだ。


「クリス先生、俺の相手もお願いしたい」


 二人の傍に俺も近寄って、そうお願いする。

 クリス先生の指摘は的確なので、ぜひいろいろ教わりたい所、なんだけどなぁ………。


「………兄様」


 シロが俺の方を向く。


 それと同時に―――。



「御大将ッ!」



 クリス先生が盛大に片膝をつく。


「このクリス、御大将の頼みとあらば是非に!」


 そしてこの態度だ。

 ホントどうしてこうなった。





 今回のドラゴン討伐後、めっきりとクリス先生の俺に対する接し方が変わってしまった。



 学園に戻ってから初の補習の時の事だ。


「レ、レイ。お願いがあるのだが………!」


「ち、近………、何でしょうか?」


 俺が図書館に入って直ぐにクリス先生に詰め寄られた。


「シロアから聞いたのだが、レイにも竜の鱗が出せるようになったと聞いたのだが本当か!?」」


「え、えぇ、出せますよ………?」


「見せてはもらえぬだろうか!?」


「わ、分かりました。構いませんから、少し落ち着いて―――」


「これが落ち着いてられるか!」


「うぉっ!?」


 クリス先生のテンションがおかしい。


「す、すまない!今は平常心があまり保てないのだ。できれば竜鱗を早く見せてもらえると私も助かる」


「分かりました。では………」


 そう言って手袋を外し、右手を晒す。



 俺は結局、左腕は全く動かせなくなってしまっていた。

 操り人形(マリオネット)の様に魔力で動かせないか考えたが、【魔力探知(サーチ)】などで見ると左腕に魔力が集まっているのは違和感が凄いので諦めた。


 その為、今はギブスをつけて『酷い火傷を負ってしまった』と誤魔化している。


 俺がこの学園でバラしているのは、【回復魔法Lv.3】までだ。

 なので【回復魔法Lv.4】で覚える【状態回復(リカバリー)】は使えないと思われているので、それを利用させてもらった。


 一応火傷の一環として、余り肌は晒さないようにしている。右手に手袋をつけているのも、それが理由だ。

 教師陣には『お金を貯めて、教会で治してもらうまではこのままで』と言ってある。


 ホントこれから腕治るまでどうしようかね………。



 話を戻す。



 右手をクリス先生に見せる。


「行きます。【竜装(ドラゴニュート)】」


 俺がスキルを発動させると、右手に鱗が浮かび上がる。



 【竜装(ドラゴニュート)】:深紅竜ガーベラの鱗を纏う事が出来る。ただし、興奮状態といった強い感情に反応して勝手に発動する事がある。



 あのドラゴンは、『ガーベラ』と言う名前だったらしい。

 そしてあいつの鱗という事で、『魔法が効かない』という特性を引き継いでいる。超チートスキルだった。

 遂に、俺も幻想をぶち壊せるようになったのだ。



 そんな俺の右手を見たクリス先生は、ワナワナと震えだす。


「こ、これは………!」


「ク、クリス先生………?」


 バッ!っと凄い勢いで顔を上げ、俺を見る。



「レイ、いや、これからは『御大将』と呼ばせていただきたく!」



 そして、唐突に片膝をついて首を垂れ、そう言い放つ。


「………………へ?」


 急展開に俺はついていけなかった。


「我ら竜人(ドラゴニュート)にとって、ドラゴン・竜といった存在は神にも等しい物があるのだ。それを内に秘め、更にそれを顕現出来るとなれば別格な存在となるのです!」


「お、おう………」


 物凄い勢いで捲し立てられる。このノリ、夕莉に近しい物を感じるな………。


「そんな存在を前に出来た、私目は幸運なのです!今まで真面目に誠実に生きて来てよかった!」


 なんか本心も零れ出て来てるな………。


「ゴホンッ!つまりは、是非私目を御大将の直属の部下にしていただきたいのです!」


 え、えぇ………。

こんな調子ですが、今週も更新が土日になります。


一週間北海道に出張なのです。九州人としてはテンションが凄い事になっています。雪に向かってダイブとかやってみたかった!

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