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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第二章 学園編 俺と学園とドラゴン
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16.まぁ、一丁やってやりますかぁ!

日跨いじゃいましたが、何とか更新です!

次の水曜までに更新できるか不安です………。

 あの後微妙な雰囲気が漂ったが、俺は気にせずに問答無用で全員を城壁まで撤退させました。





 城壁付近に行くと、そこには既に学園生たちが集まっていた。見た感じ殆どの一年生が揃っていそうだ。

 やはり俺達は奥に進み過ぎていたみたいだな。


「クリス先生が帰ってきたぞ!」


「あ!セレナとカナンもいるよ!」


「シオンも無事そうね、よかったわ」


「ニルさん、大丈夫でしたか!?」


 俺達が学園生や教師陣が集まっている所に向かうと、俺達に気付いた学園生が集まってくる。そして、心配の言葉や安堵の言葉を掛けられる。


 勿論俺以外にだがな!


 周りの話をそれとなく聞いてみると、どうやら他の場所でも通常の出現する魔物よりも強い魔物が出て来たのを目撃した同伴の教師陣が、学園生が危険だと判断し遭遇する前に撤退させたらしい。

 すると至る所でも通常より強い魔物が出現していたので異常事態と判断し、全員が揃うのを待っていたんだとか。

 通りで大怪我をしている学園生がいない訳だ。


「後はクリス先生の班だけだったんですよ。でも、待ってても帰還しないので心配しましたよ」


「それは申し訳ない。思いの外奥まで進んでしまって撤退するのに時間がかかってしまったのです」


「いえいえ。無事なら問題はありませんよ」


「本当に何もなくてよかったですよ」


 クリス先生と教師陣の会話である。

 クリス先生に心配の声をかける男教師陣は、妙にデレデレしながら喋りかけている。クリス先生も少し嫌そうな顔をしてしまっている。

 わかります。教師陣のおっさん達のニヤニヤ顔、下心がにじみ出てるもん。





「今回の冒険演習は中止とする!総員、即座撤退しろ!」


 集合した学園生たちの前に立つ冒険科の教師が号令をかける。


 先ほどまで教師陣で、これからどうするか話し合いを行っていたが、撤退で話が付いたようだ。

 そりゃオーガすら出て来る環境に学園生達は無力だろう。正直に言えば教師陣でも危ないレベルなのだからな。


 学園生達の殆どは明らかにホッとした顔をしている。


 魔物との戦闘に慣れている教師陣ですら戦闘を避けるような相手なのだ。今日が初陣の学園生からしたら畏怖恐怖の対象でしかないだろう。学園生でも戦える方の剣士(フェンサー)4人娘ですらアレだったしな、しょうがない。



 教師陣の先導に従って学園生全員でグランディアに帰還する。


 その途中で冒険者と思わしき二人組を見つけた。

 杖を手に持っている人と両腕に盾を装備している人の二人組だ。

 

 その二人の様子がおかしい。


 二人はグランディアに向かって走っているのだが、何もない草原なのに何かに追われるように二人とも必死の形相で全力疾走している。

 どう見たって魔術師(マジシャン)盾士(ガードナー)なのだが、職業の割に恐ろしく早い。並みの斥候(スカウト)より余裕で速いんじゃないか?

 明かに実力者だ。なのに怯えようがすごい。何かある(確信)。 


「ん?」


 クリス先生が二人組を見て首を傾げる。


「あれは、ルカとミクルじゃ………?」


「知り合いですか?」


「あぁ、私のパーティメンバーだ」


 まじかいな。ならば【純銀】級でもトップクラスな二人じゃないか。


「何をあんなに怯えているのだ?ルカとミクルは【純金】だ。あの二人ならオーガはギリギリだが倒せるはずだぞ?」


「えっ」


 【純銀】級トップクラスじゃなくて、もはや【純金】でした。

 ガチモンの強者じゃないですか、やだー。


「おーい!ルカ、ミクルー!何してるんだー!?」


「「ッ!?」」


 クリス先生が声をかけるとすごい形相でこっちを見る。うっわ、怖!?


「クリス………!?何でこんな所にいる………!」


「クリス!急いでここから離れろッ!」


 クリス先生だとわかると少しは表情が柔らかくなったが、それでもまだ表情は緊張感に包まれている。


「な、なぜだ?」


 二人の様子のおかしさにクリス先生も戸惑う。それを周りで見ている学園生達や教師陣も何事かとこっちを見ている。


 杖を持っている方の女の人が叫ぶ。



「急いでここから逃げろッ!飛竜が出たんだッ!」



 飛竜だと!?


「な、何だってっ!?」


「そ、そんな馬鹿な!?」


「急いで撤退だ!走れ!」


「立ち止まるな、逃げろ!」


 いち早く反応したのは教師陣だった。

 即座に学園生に撤退命令を出し、走り始める。

 元々冒険者だった彼らは竜の恐ろしさを誰よりも知っている。だからこそのこの反応なのだ。


「え、え!?」


「き、キャァァァァァ!?」


「に、逃げろー!」


「邪魔だ、どけ!」


 ワンテンポ遅れて学園生達も反応する。

 教師陣の反応を見て本当にやばい事だと気づいたみたいだ。我先にと駆け出す。皆自分の事だけで手一杯だ。

 全員がグランディアの城門に向かう。

 クリス先生のパーティメンバーである、ルカさんやミクルさんもだ。


 それを俺は立ち止まって見ていた。


 クリス先生と剣士(フェンサー)4人娘も俺の横に残っている。


「………やる気か?」


「………えぇ」


「………正気とは思えないぞ」


「………わかってます」


 クリス先生から確認が飛んでくる。


「ねぇレイさん、本当に戦うの?」


「あぁ、もちろんだ」


「レイ君、逃げようよ!本当に危ないよ!?」


「心配してくれてあんがとな。だけど大丈夫だ」


「本当に正気とは思えないわ、レイ」


「だろうな、俺もそう思うわ」


「レイ君は勇気があるね~」


「おうよ」


 剣士(フェンサー)4人娘も心配してくれている。



 だが俺は確かめなければならない。 


 俺がどこまで強くなっているのかを。


 オーガは正直余裕だった。だがそれでも、この世界トップクラスの強者に勝てるかはわからない。



 でも、勝たねばならない。



 夕莉と共にこの世界で生きると決めた時から、俺は強くなると決めたんだ。

 それこそ、ドラゴンや魔王みたいな超越的な存在から夕莉を守る為に。

 それに今では、母さんやシロ、精霊達といったこの世界からも狙われる皆も守るべき存在になった。


 だからこそ、俺はドラゴンに負けないくらい強くなる必要がある。

 ここで負けるわけないは行かないんだ。



「【空間収納(アイテムボックス)】」


 俺は、この時の為に精霊界から持ってきた道具を取り出し、装備する。

 籠手を腕に通し、ローブを着て、ガスマスクをつける。ついでに変装の意味も込めて、髪型をポニーテールからロングにする。

 が、長い髪が鬱陶しかったので、結局後ろで一本の三つ編みにした。


 5人の方に向き直る。


「わぁ………」


 カナンが気の抜けるような声を上げるがスルーだ。決して、知り合いにコスプレを見られている気がして恥ずかしかったという訳ではない。


「さて、ココじゃ危ないんで5人は町に送ります」


「え?どういう事?」


 セレナが首を傾げる。


「俺は【転移(テレポート)】が使えるんだよ」


「何っ!?」


「嘘でしょ!?」


 俺の発言に皆が驚く。いいリアクションだ。


「まぁ、見ててくださいよ」


 全員に俺の体の何処かを触ってもらう。


「【転移(テレポート)】」


 俺らの周りをうっすらと青い光が包む。

 そして、一瞬で景色が変わる。

 気持ち悪さも違和感もない。まるで最初からそこにいたかのように、移動する事が出来た。


「うわっ!?って、え!?」


「ホントにグランディアだぁ!」


「こ、これは珍しい経験をしてしまったわ………」


「すごいわね~」


「本当に使えてしまうとは………」


 全員が驚きの声を上げる。


 転移先は、朝グランディアを出る時に使った城門だ。そこなら、学園生もいるだろう。


「それじゃ、俺は行ってきます。クリス先生、後は誤魔化しといてください!」


「って、おい!ちょ―――」


 俺はそう言って再度【転移(テレポート)】を使って元いた所に戻る。



「うし、いくか。【魔力探知(サーチ)】」


 元の位置に戻って俺はすぐに【魔力探知(サーチ)】をかなり広範囲に向けて使う。


「………これか」


 一つだけ明らかに異常な魔力が引っかかった。方向はちょうど俺らが撤退してきた向きだ。


「つまり、あのオーガはドラゴンが現れたから逃げてきたって訳か」


 恐らく他の魔物も同じだろう。はた迷惑な野郎だ。


「………ッ!?」


 突然、【魔力探知(サーチ)】上のドラゴンが動き出す。しかも俺の方に向かって。

 何故だ!?


「まさかッ!?」


 【魔力探知(サーチ)】の魔力に反応したのか!


 忘れていた。

 強者は大体魔力を察知できるんだった。そんな相手に【魔力探知(サーチ)】などアホだった。

 完全に俺の判断ミスだ。




ギュォォォォォアァァァァァァァァ!




 物凄い威圧感のある咆哮が聞こえた。


 地面が揺れる。木々が揺れる。

 空気が震える。体も震える。


 たった叫び声一つでこれだ。これだから化物は違うわ。

 これが相手なんてやばすぎるだろ。

 まぁ、あんだけ女子たちの前でカッコつけたんだ。今更逃げ帰る訳にも行くまい。



「まぁ、一丁やってやりますかぁ!」



 俺はドラゴンの方向に向けて歩き出した。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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