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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第二章 学園編 俺と学園とドラゴン
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14.チェストォ!

お待たせしました!

実家から帰ってきたので、更新します!

ですが、明日も出張が入ったので次の更新は木曜日になります。

マジで不定期と変わらんですね………。

 オーガ。



 魔物の中でも上位に位置する魔物。


 普通の人間より一回り二回り大きく、筋骨隆々な見た目をしている。



 オーガは、その見た目通りの筋肉を生かした戦い方をする。


 その剛腕から繰り出される攻撃は、木であろうと岩であろうと容易く粉砕する。

 そしてその自然に装備された筋肉の鎧は、生半可な攻撃を無効化してしまう。


 まさしく『攻撃は最大の防御なり』を地で行く戦闘をする。


 純粋な脳筋だが、だからこそシンプルで強い。

 こちらの地力が無ければ対処できない魔物なのだ。


 この実力の高さと、それでいてオークやゴブリンと同じく女性を襲おう凶悪さも持つ。



 冒険者ギルドの依頼ランクでは、Bランクでもトップクラスの難易度という扱いを受けている。

 【純銀】級のパーティでも難しいとされているのだ。





 そんなオーガが俺たちの目の前にいる。


 先ほどクリス先生が厳しいと言ったのは、スピード特化のクリス先生の攻撃ではほとんどダメージが通らないのだろう。



 しかし、それにしても………。


「何でこんな所にオーガなんかがいるんだ………?」


 オーガを警戒しながらも、疑問が思わず零れ出る。


 いくらグランディアから離れているといっても、出現するのは精々オークぐらいが関の山なのだ。

 オーガなど、町からかなり離れた山奥で目撃されるのが殆どだ。

 いくらなんでもおかしい。


「それは当然の疑問だろうが、今はこの場を切り抜けるのが先決だろ………?」


 俺の独り言に反応するクリス先生にも、あまり余裕はない。





 頭の片隅で、どうやって逃げるか考える。


 だが、どう考えても不可能だと悟る。



「あ、あぁ………!」


「そんな、こんな所で!」


「た、助けて………」


「これは終わったかしらね~………」



 後ろの四人が、恐怖や絶望から動けなくなっているのだ。


 特に最後に喋ったニルは言葉は余裕そうだが、実際は一番怖がっている。

 チラッと後ろを振り返れば、他の三人が震えながらも剣を構えているのに比べて、ニルは剣を落として両腕で自分の体を抱くように震えていた。


 この四人を置いていけば確かに逃げられるだろう。


 オーガが襲う優先順位で最も高い、若い女性4人組なのだ。

 絶対に逃げ切れるだろう。



 だが、俺はそこまで外道に落ちる予定は全く無い。



 そんな助かり方は俺の信条に正面から反する。

 絶対にやる気は無い。


 クリス先生もAGI:Aの全力を出して逃げようと思えば逃げられるだろうが、4人を見捨てる気は無い様だ。

 同じ女性として、置いていく気はさらさら無いのだろう。



 正直に言えば、俺が全力を出せば倒せると思う。


 他人を守る為に力を晒す事を躊躇いはしない。

 目指せヒーローな俺なのだ。



 問題はどこまで晒すかだ。



 先の気持ちは正直な気持ちなのだが、あまり自分の力を広めたくは無い気持ちも確かに存在するのだ。

 俺の実力が広まって起こる騒乱に、シロ達を巻き込みたくは無い。


 それならこのクリス先生を含めた五人に黙ってもらうしかない。


 だがそうなるとこの五人の信用がどうかという話になる。


 勿論クリス先生は信用しているが、俺は剣士(フェンサー)四人娘の事をあまり知らない。

 だから、この4人が黙ってくれるかの確証が無い。



 悩みすぎて、周りが真っ暗に感じる。



 じゃあこの四人を置いていくかと聞かれれば、それは嫌だと答える。

 俺は、胸糞悪いのは嫌いなんだ。



 じゃあ、それならどうするかという話になるのだが………。





「だぁッ!我ながらめんどくさい!」





 考え込んでしまい、思考の渦に捕らわれた自分の頭をリセットする為に、全力で頬を叩く。



パァンッ!



 思いのほか大きい音が響く。


 ………全力で叩きすぎたかもしれない。


 めっちゃ痛い。

 STR:Bは伊達じゃなかった。


 だがその効果はしっかりあって、思考をリセットできた。


 自分がしたい事が何なのかが重要だ。


 自分に問う。



 Q、俺はどうしたい?


 A、この5人を助けたい。



 答えはシンプルだった。



 その瞬間、視界がクリアになる。



 ならば、その自分の思いに正直にいけばいいじゃないか。


 もしその後に騒乱が起こるのなら、その騒乱からも俺の周りを守ればいいだけなのだ。





「クリス先生!それとそこの四人組!」



 自分の気持ちを再確認した俺は、五人に呼び掛ける。


「なんだ!?」


「はいッ!」


「な、何!?」


「ど、どうしたのよ」


「は、は~い」


 張り詰めた空気の中での、急な呼びかけに驚きの声を上げる5人。


「俺がオーガの相手をしま―――する!だから、これから見せる俺の戦い方を黙ってられるか!?」


 クリス先生がいるから最初は敬語で話そうと思ったが、勢いで押し切る為にタメ口になる。


「な、何をする気だ!?」


「はいぃ、了解です!」


「わ、分かった、言わない!」


「この状況をなんとかできるなら、絶対喋らないって誓うわよ!」


「お、お願いします~」


 若干一名同意を示してなかったが、クリス先生なので良しとしよう。



「オッケーだ。俺に任せとけ!絶対守ってやるよ!」



 俺は四人を安心させる為にそう言うと、五人の前に出てオーガと向き合う事にした。





「【空間収納(アイテムボックス)】」


 躊躇わないと決めたので、スキルを普通に使用する。


 その中から事前に精霊界から持ってきていた籠手を取り出して装備する。



 今回は近接戦闘で行こうと思う。

 恐らくこのオーガ相手では【魔力弾(バレット)】はそこまで効かないと思うしな。



 周りから一歩飛び出した俺はオーガと目が合う。


 オーガは、俺の事を獲物を見る目をして睨んでいた。


 ん?只の獲物を見る目にしては、何か感情が籠っているような………?


「まさか………!?」


 もしかしてコイツ、俺の事を性欲の捌け口の対象として見てないか!?

 だって、何か目は血走ってるし、鼻息は荒いんだよ!?



「ググゥ………ガァァァァァァッ!!」



 そんなオーガは飛び出した俺を一目見るなり、物凄い勢いで右腕を伸ばしながら突っ込んでくる。

 恐らくだが、俺を捕まえる気なんだろう。


 確かに速さはそこまでないが勢いが物凄い。

 まるでダンプカーの突進を見ているようだ。


「うっわ、キモッ!?」


 でも俺はそんな勢いよりも、コイツが俺に向ける欲望の強さに気持ち悪さが先に来ていた。

 俺を捕まえた後どうする気か嫌でもわかってしまう。


 思わず飛び退きたくなるが、俺が避けてしまえば後ろにいる4人組が巻き込まれてしまうだろう。

 だから避けようとはせずに、構えたまま動かない。


「あ、危ないッ!?」


 4人組の誰かが声を上げる。


 オーガの右手が俺に触れそうになる。


 その瞬間、俺は全力でしゃがんだ。


 オーガの右手が空を切る。

 だが勢いのついたオーガはすぐには止まれず、更に俺に向かって突っ込んでくる。

 このままではオーガの膝が俺の顔を捕えるだろう。


 それに対し俺は、体勢を落としたまま更に一歩飛び出す。

 その状態で膝に力を溜め、右腕には【王覇(オーラ)】を纏わせる。


 オーガの頭が俺の真上に来る。



 今だッ!



「チェストォ!」


 膝に溜めていた力を一気に開放し、全力でジャンプする。

 そして、オーガの顎下から拳を打ち上げる。


 いわゆる、アッパーカットだ。


「ガッ!?」


 渾身のアッパーがオーガにクリーンヒットする。


 オーガは顎を打ち上げられ、喉が無防備になる。

 そこを逃がす俺ではない。


 空中に浮かせたら追撃を入れるべきって相場が決まってんだよ!


 振り上げたままの右腕を降ろさずに、空中で体を左に捻りながら後ろに引く。

 そして、右肘に【王覇(オーラ)】を一点集中させる。


「せいッ!」


 そしてその右肘を使って、オーガの喉に肘鉄を食らわせる。


「グポッ!?」


 喉元が少し間の抜けた音を上げる。


 オーガには、この連撃で明らかに大ダメージが入っているはずだ。


 だがこのオーガの大概タフだった。

 いくら空中で踏ん張りがきかなかったとしても、【王覇(オーラ)】を纏った全力攻撃を受けたのに、まだ首がつながっている。


「だが、次でラストだ!」


 右肘を振りぬいたので、右腕は体の後ろに引いた状態になっている。

 再度右腕に【王覇(オーラ)】を纏い直す。


 目の前には喉をやられて首が後ろに下がり、無防備に晒された頭。


 ココで決めるッ!


「うらぁッ!」


 右腕を振りぬく。



 オーガの頭が宙に舞った。



レイはシロとの高速ラッシュの対戦により、空中での体勢移動が出来る状態になっています(情報後出し)

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