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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第二章 学園編 俺と学園とドラゴン
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6.何でそんなに怯えられてるのでしょうか………?

出来るだけ早く学園に行きたいので迷宮には入りません。

ですが、後でしっかりと迷宮攻略しますよ!

 ギルド内訓練所にて。



 俺とラルクは、訓練所の真ん中で少し離れて向き合っていた。


 遠巻きに飲食コーナーにいた冒険者達といった観客が出来ている。



「さぁ、準備完了だ!覚悟しやがれ!」


 俺の前には、模擬戦用の木で出来た大剣を構えたラルク。


 やっぱ体格が大柄だと使用武器は大剣一択説がある気がする。


 そんな相手に対し、俺は素手だ。

 だって、あんな大剣相手に普通の片手剣で戦えそうな師匠ほど技術は出来てないもの。


「えっと………。本当によろしいのですか………?」


 俺とラルクの間に立つ、今回の決闘の審判を務めてくれる人が、俺の事を心配してくれる。

 不幸にもラルクに絡まれてしまったあの受付嬢だ。


 どうやら冒険者ギルドの受付嬢は、模擬戦や決闘といった場での審判も出来るらしく、有名な公式戦とかでも審判を行っているほどの、国に認められた正式な資格者らしい。


 え?それって、トップクラスの戦士たちの審判が出来るってことだよな?

 つまり、受付嬢って相当な実力者の集まりなんじゃ………?


 俺が恐るべき真実(・・)に気付いてしまい慄いていると、それを自分への恐怖と勘違いしたラルクが調子に乗り出す。


「おいおい、今更ビビってんのか?」


「いやお前よりも、そこの受付嬢の方が怖いわ」


 俺が思わず食い気味に即答してしまった事に対し、ラルクは更にキレる。


「何だとてめぇ!?」


 いやだって、俺の言葉に対しこっちを向いている受付嬢、顔は驚いてるんだけど目がマジなんだよ!?

 俺、背中に冷汗かいてるからな!?


「と、とにかく、さっさとかかってこい。すぐに決着をつけてやる」


 早くあの受付嬢の目線から解放されたい。


「あぁ、調子に乗んなよ!?」


 ラルクは完全にプッツンな様子だ。


「………では、互いに準備が整ったようなので決闘を開始します」


 受付嬢、声がガチだよ!

 こっち見るなよぉ!



「始めッ!」


「うぉらぁッ!」



 受付嬢の視線に気を取られ、俺の初動が遅れる。


 その隙を見逃すほど、ラルクは甘くなかった。

 大剣を右横に構えながら全力で突っ込んで来ており、一撃で俺を沈める気満々のようだ。


 うーん、マジで早く決着をつけよう。


 右手に淡く輝く虹色の魔力を薄く纏う。

 精霊王になった際に進化したスキル【王覇(オーラ)】だ。



 【魔力武装オーラファイト】から進化したスキル【王覇(オーラ)】は、前よりも格段に使い勝手がよくなっている。


 消費MPが減り、コントロールが効きやすくなっており、今回の様に薄く表面のみを纏う事も出来るようになった。

 また魔力の質も上がり、威力の上昇と共に防御力も上がっている。


 つまり、正直あの大剣は全く効かない。


「死ねぇッ!」


 ラルクは大剣を横に全力で振る。

 木剣にしては、なかなかの重さを持った一撃だろう。


 だが―――



「その程度で死ぬか、バーカ!」



 俺は、大剣に正面から迎え撃つように右腕を振る。


「馬鹿がァ!」


 ラルクは俺が取った行動を見て、勝利を疑ってないようだ。



 大剣と俺の右手が真正面からぶつかり合う。




 パァァァァンッ!!




 固い物同士がぶつかり合ったような、物凄い音が辺り一帯に響き渡る。


「なぁっ!?」


 ラルクの驚きの声も響く。



 俺の右手が、思いっきり大剣を砕いた。



 半ばで砕かれた大剣を振りぬいた大勢で固まるラルク。


「次はこっちの番」


 こっちも振り抜いた勢いで、右膝を抱え込むようにして足を上げる。


 魔力を纏わせる必要は無い。

 既にオーバーキルだ。


「だァッ!」


 ラルクのボディめがけて蹴りをかます。


 完全なヤクザキックだ。


「くっ、グボッ!?」


 咄嗟に大剣を盾にした判断は素晴らしい。

 だが、腕の三倍の力のある足を相手にするには、硬さが足りない。


 大剣のガードを余裕でぶち抜き、ラルクを訓練所の端まで蹴っ飛ばす。



 正直無強化状態でも、STR:Bの力を持ってすれば木剣など砕くことは容易だ。

 だが、さっき【王覇(オーラ)】を纏ったのは、いくらSTRが高かろうと、正面から攻撃を受け止めるのは居たそうだったからだ!



「………………」


 子供が大男を圧倒する光景を見た外野は、静まり返る。


「勝負ありですッ!」


 そんな中でも受付嬢は、冷静に仕事をこなしていた。









 俺は決着がついてすぐに、飲食スペースで待機していた母さんとシロの二人と合流した。



「ただいま母さん」


「あら、おかえりなさい」


「………お帰り。………兄様、かっこよかった」


 母さんはのんびりお茶を飲んでいたようだ。

 シロは【完全隠密(マスターハイド)】を使って、ひっそりと観戦してたようだ。


「おう、ありがとな」


 頭を撫でてやる。


「………ん」


パタパタ


 嬉しそうで何よりだ。



 俺らが家族の団欒を楽しんでいると、後ろから声がかかる。


「あの、すみません」


 こ、この声は………。


 恐る恐る振り返る。


「少しよろしいでしょうか」


 案の定、先ほどの受付嬢だった。


「な、何でしょうか………」


 何故俺は、特に何もされてないはずの受付嬢に、こんなにビビっているんだろうか………。


「何でそんなに怯えられてるのでしょうか………?まぁ、そこはいいです。今回の件についてギルドマスターの方から話があるそうなので、ギルドマスターの所まで来ていただけないでしょうか?」



 来たッ!これを待っていたんだ!



 実は、母さんが用があると言っていたのは、この冒険者ギルドを率いるギルマスだったのだ。



 正直最初は、普通に並んで受付でギルマスを呼んでもらおうとしていた。


 だが、得体のしれない俺ら相手にギルマスを呼んでもらえるという可能性は低い、というのが全員の総意だった。

 しかし、それ以外の方法を思いつかなかったので、結局正当な方法で会おうとしたのだ。


 いざ、並んでいるとテンプレの様に母さんが絡まれた。


 最初は、撃退するとギルド職員の印象が悪くなりそうだったので、嫌だったのだ。

 だが冷静に考えると、これは『無関係な人間をギルドメンバーが脅した』というギルド側の不手際になる。

 ここをきっちり正式に圧倒的に撃退して、俺達と敵対するのは得策ではないと思わせ、ギルマスとの面会の機会をもらおうと考えたのだ。


 ついでに、これから半年近くグランディアにいる事になるので、一々絡まれないようにしっかりと戦闘力を持っている事を誇示する意味もあった。



 これを思いついて、すぐに母さんとシロに【眷属念話(クランコール)】で、この考えを伝えた。


 【眷属念話(クランコール)】も、俺が精霊王になった際に手に入れたスキルの一つで、俺と眷属間で【念話(コール)】が使えるスキルだ。



 【王覇(オーラ)】といい、【眷属念話(クランコール)】といい、精霊王になった際にかなりの強スキルを手に入れた。


 その理由は称号【王の系譜(レイ)】の効果だった。




  【王の系譜(レイ)】:王の名を連ねる事が出来る者。【王】と付く称号一つにつき、スキルを一つ覚える。


   1:【王覇(オーラ)

   2:【眷属念話(クランコール)

   3:???

   4:???

   5:???




 強い(確信)。



 今持っている【王】のつく称号は【精霊の王(フェアリーキング)】と【女群集の王(ハーレムキング)】の二つだ。


 てか、あと3つもあるんですか………?





 話を戻そう。



 母さんとシロに連絡を取り、互いから同意をもらって作戦を決行した。


 その結果、思いの外キレイにはまったのだ。





「一つ条件があるのですが、いいですか?」


「何でしょうか?」


「ここにいる母さんも一緒に連れて行ってもいいですか?」


 目的達成のためには母さんも連れて行く必要がある。

 なので、お願いしてみた。


「確かに、今回の件に関わりのある人ですのでいいですよ」


 意外と簡単に許可がもらえた。


「了解しました。なら案内をお願いします」


「わかりました。では付いて来てください」


 母さんと二人でついていく。

 ように見せかけて、ちゃんとシロも付いて来ている。



 さぁて、後は母さんがちゃんと説得できるかだ。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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