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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第一章 精霊編 最強への一歩
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26.お前を倒す

唐突の展開に驚くかもしれませんが、皆様は間違ってません。

作者がその話を入れ忘れてただけです………。

 開幕一発。


 『流れを取る為』などという建前の元、衝動に任せて先手を取る。


 俺の悪い所が出ていたが、今更だと割り切った。

 むしろこれでよかったとも思っている。


 これでこそ俺だ。



 俺が目指す父さん(大人)の姿だ。

 








 俺が幼稚園に入る前、まだ父さんが生きていた頃。



 朝8時にTVでやっていた番組の主人公に憧れていた。


 皆の為に戦うあのヒーローに。


 怪物に立ち向かうあのヒーローに。



 子供の頃、よくある話だ。

 『将来の夢は仮面〇イダーですっ!』的なアレだ。


 普通に生きていれば忘れていたであろうその夢。

 それを俺は記憶に強く残してしまった。


 それはすべて父さんのせいだ。



 父さんが実際にやって見せたからだ。



 命を張って


 悪に立ち向かい


 戦えない人を守って


 知らない人を助けて


 他人の為に無茶をして


 その無茶が原因で死んで


 それでも死ぬ前に、やってやったぜと言わんばかりに笑って


 俺カッコいいだろ?と笑顔で言う父さんを見て



 俺は


 もの凄く


 心の底から


 本気で



 カッコいいと思った。



 こんな大人になりたいと思ってしまった。



 誰かの為に戦えるあのカッコいい大人に。





 まぁ、父さんが死んだ後、妹と二人になった俺は確かに苦労した。

 子供だけで生きていけるほど世の中は甘くない。

 叔父さんや叔母さん、夕莉の両親の助けが無かったらどうなっていたかわからない。


 でも、父さんみたいな大人になりたくて頑張った。


 俺のたった一人の家族になった妹を守る為に。

 俺に付いて来てくれた幼馴染を守る為に。


 それが俺の決めた事。



 『誰かの為に戦える大人になる』









「先手は取った。が………」


 すぐにバックステップで下がる。


「効いてる訳無いよな」


 下がってすぐに体勢を整え、ラグニを見据える。


「………ハッ!いきなりの攻撃で確かに驚いたが、利かねぇなぁ!」


 ラグニは、俺の突然の攻撃に驚き固まっていたが、すぐに立ち直り何事も無かったかのようにそう言う。


「くっ!レイなら可能性がある気がしたのに!」


 俺の攻撃が通らなかったのを見て、リボルは悔しがる。


「やっぱりアタシ達もやるしかないわねッ!」


 リボルはそう言うと、ラグニに向かって右手を向ける。


「【雷撃サンダー】ッ!」


 リボルは生半可な攻撃じゃ効かないと判断しているので、先手から飛ばしている。


 リボルの掌から放たれた【雷撃サンダー】は、辺りに閃光を迸らせながら標的(ラグニ)に向かって飛ぶ

 そして【雷撃サンダー】は、安定の速さと威力をもってラグニの肩に直撃する。


 だが………。


「効かねぇなぁ?」


 ラグニはニヤリと笑い、こちらを挑発する。

 リボルの一撃でも全く効いてないようだ。


「ふんッ!そのくらい知ってたわッ!」


 だが、リボルは全く悔しそうにしない。


 ラグニも少し訝し気にリボルを見つめる。


「だからこそッ!」


 リボルがそう叫んだ瞬間、ラグニの後ろから人影が飛び出す。


「こっちが狙いだ、ぜッ!」


 リボルの【雷撃サンダー】は派手だ。

 だからこそ、周りの注目が疎かになる。

 それのタイミングを狙って、ミナ姉はラグの後ろに回り込んでいた。


 そして、後ろがガラ空きになっているラグニに向かって、右足で回し蹴りをラグニの延髄付近に向かって放つ。


 ラグニは突然の声に驚き、思わず後ろを向こうとする。

 偶然にもラグニが後ろを向いたタイミングと、ミナ姉が蹴りを当てるタイミングはぴったしだった。


 その結果、ラグニの顎を側面から回し蹴りが直撃する。


「これならどうよ!?」


 ミナ姉でも興奮するほど渾身の一撃が入った。


 だが、奴は微動だにしない。

 それどこか、ニヤニヤした顔は余裕の表れだった。


「なにぃッ!?」


 渾身の一撃を当てたはずなのに、全く効いてない事実に思わずミナ姉は一瞬硬直した。


 その隙をラグニは見逃さず、右腕を振りかざす。


「残念だなぁ?全く効かねぇんだ、よぉ!」


 振りかぶった拳を躊躇い無くミナ姉に振り下ろす。


「【防御シールド】ッ、『ミナの姉御』!」


 ミナ姉の更に後ろに、シーラがいた。

 そして攻撃からミナ姉を守ろうとする。


 シーラが魔法を唱えると、ミナ姉を青色の光が包む。

 それこそ、シーラの魔法が発動した証。


 防御魔法を張られている。

 なのに、奴はニヤニヤした顔のまま、ミナ姉を殴る。


「なっ、ガァッ!」


「な、なんで!?っわあ!?」


 ミナ姉が両腕で防御の構えを取っていた事が幸いする。


 ラグニの拳がミナ姉に当たった瞬間、ミナ姉を包んでいた青い光は弾け飛び、ミナ姉は思いっきり後ろに吹っ飛ばされた。

 そしてその後ろで、自分の結界を呆気無く破壊されたシーラは呆然と立ち尽くし、飛んできたミナ姉に巻き込まれる。


「なっ!?物理ですら通らないっていうのッ!?」


 吹き飛ばされる二人を見て、リボルは驚いた声を上げる。


「ハッ!俺に貴様らの攻撃が効く訳が無いだろぉうが?」


 その声を聴いてラグニは嬉しそうに笑いながら、こちらを向く。

 そしてそのまま言葉を続ける。



「なんてったって、俺は『魔力の影響を一切受けない』チート持ちだからなぁ!まぁお前らには何言ってるか分からないだろうがなぁ!」


 ラグニは嬉しそうにそう言い放つ



 残念、転生者である俺にはお前の言ってる事はわかるんだよ。





 今の一言で全てわかった。



 ミナ姉の蹴りが効かなかったのは、魔力の塊に等しい『精霊』だから。


 シーラの【防御シールド】を簡単に砕いてみせたのは、防御『魔法』だったから。



 そしてこの前から感じていた違和感の正体も分かった。



『あれほど傲慢になって精霊界の女を自分の物と言い放つほどの、自己中心的な考えを持つコイツが何故精霊王という肩書を持っているのに、人間界に降りないのか?』



 コイツほどの奴なら人間界に降りて、エルフやケモミミハーレムでも作りたがるだろう。

 だからこそ引っかかっていたのだ。

 それこそが違和感の正体。



 何故、人間界に行ける肩書を持っているのに行かないのか?


 何故、数多の精霊を眷属にして能力をたくさん得たはずのコイツが行かないのか?



 答えは簡単だったのだ。



 人間界だと魔法無しでも戦える人がいる。

 そんな相手がいる所で自分の好き勝手すれば、反撃にあうだろう。

 もし、もしもそれで死んでしまうかもしれない。

 でも、異世界で自分の好きなようにしたい。

 だが、人間界に行って危険を負うくらいなら、全く死ぬ可能性の無いこの世界で好き勝手した方がいい。


 一言で纏めると



『ラグニが只のチキンだった』



 そんだけの話だったのだ。





「ははッ」



 思わず笑いが漏れる。


 何てバカらしいんだ。


「な、何を笑っていやがるッ!」


「レ、レイ………?」


 ラグニは笑う俺に苛立ち、リボルは突然笑い出した俺を不安そうに見る。


「おい、チキン野郎が」


 俺はラグニに向かって言う。


「だ、誰がチキンだ!」


 もちろんラグニは反抗する。


「うるせぇよ、お前なんてチキンで十分だ」



 冒険、努力、苦労、危険、挑戦。



 それら全てから逃げようとする。


 それでいて、自分の好きなようにしたい。


 自分の思い通りにいかせたい。





 そんな都合のいい話があってたまるか。





「お前はカッコよくない」



 そうだ、そんなのは全くカッコ良くない。



「な、何だとッ!」


「お前は相応しくない」



 ヒーローに相応しくない。



「お前は戦えない」



 人のために戦えるわけがない。



「そんなお前を見てるとさ」



 視界の奥で、ミナ姉とシーラが見える。


 殴られて痛そうに呻く二人が見える。


 守るべき相手が苦しんでるのが見える。



「やっぱり父さん(ヒーロー)みたいな大人に俺は憧れるよ」



だからこそ、守るべき人達の為に。


俺は。





「お前を倒す」

次回、決着ッ!

まぁ皆さんの思ってる通りになると思います。

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