15.ア、アタシの希望とちょっと違ったけど、ちょうどいいからアンタも、ま、守ってあげるわ!
ツンデレってチョロイン多いですよね。
最初の頃はそうじゃなかったんだけどなぁ………。
まぁ、チョロインバチ来いッ!なタイプな作者やってます。
『リボルの眷属化が可能になりました』
つまり、リボルからの許可が下りた事になる。
そんなあっさりと身を売るなよ………。
「ホントにそれでいいのか?いろいろ俺にバレるぞ?」
再度問いかける。
そうなのだ。眷属化すると俺に居場所がバレるほか、スキルまで見る事が出来る。
そう、スキルが見れるのだ。
すっかり忘れてたぜ………。
それでラーナのスキルを見ればよかったよ………。
ちなみにラーナのステータスを今更ながら確認する。
名前:ラーナ
Lv:5
種族:精霊
年齢:0歳
性別:女
職業:上級精霊
称号:【初代精霊王】【苦労人】【レイの眷属】【下僕気質】
HP:32/32
MP:67/67
STR:F
VIT:F
INT:D
MID:E
DEX:C
AGI:D
LUK:D
スキル ・攻撃系 無し
・耐性系 【魔法耐性Lv.3】
・生産系 【料理Lv.3】
・補助系 【☆録音】【☆再生】
・特殊系 【☆二重奏】
ステータスを見ただけでわかる。
戦闘向きではない。
スキルも、ほとんど知っている物だった。
【魔法耐性】は精霊なら誰もが持つスキルであり、格が上がるごとにレベルが上がるらしい。
え、精霊王ほぼ魔法効かねーじゃん………。
【料理】に関しては前世の趣味だろう。
完全に裏方である。
確かに精霊王が似合わないな。
称号は以下の通りだ。
【初代精霊王】:世界初の精霊王。精霊界だと、一番高いステータスが一段階アップする。
【苦労人】:周りに巻き込まれる星の下に生まれた。トラブルに巻き込まれやすい。
【レイの眷属】:レイの眷属。スキルを一つ覚える。レイと共にいると成長速度が上がる。
【下僕気質】:誰かの下に付く事に喜びを覚える者。主を持つと成長速度が伸びる。
一つ目はわかる。
でもすでに四つ目と矛盾してるだろ………。
二つ目は話を聞いただけでも伝わる。
三つ目は、恐らく眷属化した者すべてに付くのだと予想した。
四つ目………。
まぁ、総合すると俺と一緒にいる事が一番いいのだろう。
元々俺もトラブルに巻き込まれる称号持ちだし、それに二重で成長しやすくなる。
いい事ずくめだ。
さて、現実逃避してないでそろそろ前を見よう。
「今のは何ッ!?」
再度胸ぐらを掴まれている俺。
今度は守ってもらえないようだ。
まぁ、誤魔化す必要も無いだろうけどな。
「合図だよ合図。俺の眷属になれるってゆうな」
目をきらめかせるリボル。
「なら、早くアタシも眷属にしてよッ!」
女子に「私を眷属にして!」と迫られる現状。
勢いと押しが強すぎてむしろ怖い。
「後はどうすればいいのよ!」
「主様の血を取り込めばいいのですよ」
キラーパスを上げるラーナ。
その言い方は悪手だッ!
「わかったわ!」
ガブッ!!
「イッタァァッ!!!」
こいつ思いっきり俺の左腕に噛み付きやがった!
「離せマジで痛ぇよッ!?」
「ガウッ!」
全然放してくれない!
血どころじゃねぇよ!?
「な、何をしてるのですか!?やめなさいッ!」
リボルを引っぺがそうとするラーナ。
そもそもあなたが原因ですよ………。
俺が腕から来る痛みに悶絶していると、目の前が真っ白になる。
この前の感じだと光に包まれたんだろうが、いかんせんリボルとの距離が近かったので、即座に飲まれたのだろう。
二度目だと少し余裕が出てきた。
そんな何かを悟った状態で意識が消える。
また真っ白な空間。
やはり動けない。
まっすぐに前を見つめるしかない。
そしてまた、感情の含まれていない機械的な声が響く。
「要望を」
「誰にも負けない力を!」
大きい声が響く。
リボルだとすぐに分かった。
「てかアンタ何でこんなとこ―――」
「受理。眷属として戦闘力を高めるスキルを授与」
「えっ、ちょっと希望と違―――」
「帰還します。最後に一言どうぞ」
目の前にリボルが現れる。
目が合う。
「ア、アタシの希望とちょっと違ったけど、ちょうどいいからアンタも、ま、守ってあげるわ!」
目線をこっちに向けないまま、そう言い姿を消すリボル。
俺が抱く感想はただ一つ。
ご馳走様です!
意識が飛ぶ。
「はっ!」
意識が戻る。
どうやら、俺は後ろに倒れてしまったようだ。
背中がすごく痛い。
そして、お腹には何か温かいものが乗っている。
目を向けると、俺の腕に噛み付いたままのリボルがいた。
顔を俺の胸元に埋めている。
だが隠しきれてない耳は、湯気が出そうなほど赤くなっていた。
今更ながらに恥ずかしがっているようだ。
腕を噛む力もほとんど入ってはおらず、アマガミ状態だ。
甘えてるようにしか感じません。
なんか微笑ましさが沸いてきた。
頭を撫でてみる。
ワサワサ
「おっ?」
「ッ!?」
ツンツンと逆立っている見た目とは裏腹に、すごく触り心地がいい。
こう何て言うのだろうか。
サラサラな毛並みじゃなくて、フサフサしてるというべきか。
癖になりそうな髪の毛だった。
ワシャワシャ
「………。」
「………。」
撫でる手が止まらない。
そんな俺の右手を止めたのは………。
「何をいちゃついているのですか?」
「「ッ!?」」
凍えそうなほど恐ろしく冷めた声だった。
今気づきました。
今着てるはずの服の事に全く触れてない………。




