2.ストップっ!この話終わりっ!
話を変更しました。
(世界樹ならまた今度教えてあげるわよ。それよりも、怜司の事よ)
(絶対後で教えろよ!)
(なんでそんなに世界樹が気になるのかしらね……)
(そりゃお前、異世界でエルフと世界樹とか見に行きたい景色トップスリーに入るわ)
(そんなものかしら。まぁいいわ、話を変えるわよ)
夕莉にはこのロマンが伝わらないらしい。
なんでだ。
えっと俺の事か。
とりあえず光に飲み込まれてからの話をする。
(称号ってどんな称号をもらったの?)
(そういや後で確認がしろって放り投げられたままだった。どうやって見るんだ?)
ステータスか?ステータスなのか?
(ステータス、オープンって唱えたら、画面が出てくるわ)
(ステータスキター!!)
(頭に響くからやめなさい)
(ごめんなさい。とりあえず見てくる)
(終わったら念話飛ばしてね)
さて、ステータスですよ。チートは無いらしいがやっぱりワクワクする。
「あうあー、うあー!(訳:ステータスオープン!)」
☆ステータス☆
名前:レイヤード・キルシュ・サンベルジャン
Lv:1
種族:ヒューマン
年齢:0
性別:男
職業:無職
称号:【女群集の呪】【エルダーエルフの友】【王の血統】
HP:10/10
MP:15/15
STR:F
VIT:F
INT:E
MID:E
DEX:F
AGI:F
LUK:S
スキル:【回復魔法:Lv.1】【念話】
初期ステータスのくせにツッコミどころが多い……。
ステータス面、魔法寄りなのはわかる。が、その運は何だ。
次、名前長い、読みにくい。そして無職はやめてくれ。
称号、【女群集の呪】ってなんだ。しかもあの神様、俺の事呪いやがった!、そして貴族だとは思ってたけど【王の血統】って……。
【女群集の呪】:女性の不幸に巻き込まれやすくなる。男性に嫌われる。
【エルダーエルフの友】:伝説のエルダーエルフの友達。エルフに好かれやすい。
【王の血統】:王族の血を持つもの。血統書付き。
一つ目が一番厄介すぎる。今の俺じゃ巻き込まれても何もできないし、生物の半分に嫌われたし。
二つ目は、うん、ありがとう。もう夕莉に足向けて寝れないや。
三つ目は俺の予想を超えてきたな。貴族どころか王族だったよ。血統書ってこのステータスの事か。
だめだ俺じゃ処理しきれないや!
(ユーリネリアー、助けてくれー)
(怜司までその名前で呼ばないでよ……)
なんか名前は前世と似たような呼び方ができそうなので安心している俺がいます。
夕莉にステータスを説明中。
(称号と運以外は普通ね)
(チートはもらえなかったよ)
(そりゃそうよ。それにしても怜司が王様……)
(そこはいいから!もう一個の方!)
俺に実際的に何の影響のない【王の血統】はこの際もういいです!
(【女群集の呪】ねぇ……。怜司の希望じゃなくて?)
(違うわ!俺だって男友達が欲しい)
(そこじゃなくて、ハーレムしたいの?)
(夕莉以外の女子はどうでもよかったから、考えた事もなかった)
(そう。………って、えっ!)
(やっぱ一緒にいるなら夕莉以外考えられないしな)
(え、え、ちょっと待って!)
(ん?)
(どういう意味で言ってるのっ!?)
(え?そりゃもちろん、一緒に遊んだり一緒に何かするんだったら夕莉かなぁって話)
やっぱ夕莉ほど気が楽になる奴もいないからな。
これ大事だと思う。
(ストップっ!この話終わりっ!)
(え?)
(今はこの話はもうダメ!……怜司がいないのが寂しくなっちゃう)
(ん?最後の方なんて?)
(何も言ってないの!)
(お、おう)
怒ってるっぽいので話を変えるか。
(そういや夕莉のステータスってどんなの?)
(わ、私のステータスね。教えてあげる)
頑張って落ち着こうとしている様が思い浮かぶ。
おっと、夕莉のステータスは……。
☆ステータス☆
名前:ユーリネシア・リーフ・パロミネント
Lv:176
種族:エルダーエルフ
年齢:1277
性別:女
職業:族長
称号:【魂の乱入者】【世界樹の祝福】【エルフの族長】
HP:54/231
MP:92/167
STR:E
VIT:F
INT:A
MID:B
DEX:C
AGI:C
LUK:D
スキル:【念話】
うん、ステータスバケモノじゃない?
さっきは流していたが、STRやVITの所の感覚的な基準は
A→化物
B→人外
C→上級者
D→中堅
E→下級
F→初心者
らしい。
INT化物に踏み込んでるじゃん……。
そして物理に弱いな……。
称号に関しては、
【魂の乱入者】:別の器に魂が入り込んだもの。新しい器に馴染むまでステータスがダウンする。
【世界樹の祝福】:世界樹を守護するエルフの族長に贈られる。森の中だとステータスがアップする。
【エルフの族長】:エルフを束ねる者。指揮を行うとエルフ全体のステータスがアップする。
称号も普通に強いな。【魂の乱入者】も一時的なものらしいし。
ただ、元々器が持っていたスキルは魂が切り替わった時点で消えてしまったらしい。
なのでスキル復活のための猛特訓がスタートしてるとかなんとか。
HPとMPが削れてるのはそのせいか……。
元々持っていたスキルは思い出しやすいらしいので、是非とも頑張ってほしいと思う。
(てか、夕莉も族長じゃないか)
(私はまだまだ仕事はできないわよ。今は猛勉強中だから、常識とか)
(あぁ、俺らに足りないこの世界のお話ね。覚えたら俺にも教えてくれ。寝てるのは暇だ)
(いいわよ。覚えたことは怜司にも教えてあげるわ)
(ありがとうな。あ、夕莉そろそろ念話切っていいか?すごく眠くなってきた)
(そうなの?やっぱり赤ちゃんに夜更かしはダメね)
(みたいだ。それじゃまた)
(えぇ、おやすみなさい)
念話を切ってすぐに俺は眠気に負けた。
次の日、俺は赤ちゃんらしく泣きながら起きた。
いや、恥ずかしいと言ってる余裕もなく、早くパンツ変えてほしかった。
あれは泣くのもわかる気持ち悪さですね。
母さんありがとうございます。
そしてお腹がすいたのでミルクをもらう。
いやもう本当に母さん居ないとだめだわ。
これからもよろしくお願いします。
そして一息ついた後これからどうするかを考えてみる。
まず第一に俺は夕莉と一緒に頑張りたい。夕莉とこの世界を生きてみたい。
でも、そのためにはあのステータスを持つ夕莉を守れる強さが必要だと思った。
俺は称号のせいでこれからいろんなことに巻き込まれていくんだと思う。
そしてそれは一緒にいる他人ごと巻き込んでしまうんだと思う。
だからそれを跳ね返せるだけの強さが欲しい。
だけど俺にはチートは無い。
じゃあどうするか。
うーん?
あれ?そういえば確か、回復魔法はチートできたよな?
なんかの本で読んだ気がする。
常に体に【回復】を掛け続けて、その状態で体を鍛えれば筋肉が切れたときに超再生して力が強くなるだとかなんとか。
できるかどうかは知らないがやる価値はあると思う。
だが、力だけではだめだ、硬さだけじゃ脆いと思う。
それにスタミナも必要だろう。
それら含めるなら、実践的な体のためにはやはり戦闘訓練しかないかなって思う。
だが俺は幼すぎるのでまだできない。
それともう一つ。
今の自分のMPじゃ【回復】の掛け続けなんてできやしないと思う。
こっちの方は心当たりがある。
こちらも転生の定番だが、MPを切れるほど使うっていうのを繰り返したらMP上限が増えるやつだ。
あれは若いうちってのが定番だから今しかできないので今日からでもやっていこうと思う。
つまりこれからの予定としては
1.MPを使い続けて上限アップ
2.回復魔法をかけ続けて戦闘訓練やランニングなどを行った身体能力向上
て感じかな。
後はこれに並行して夕莉と勉強してこの世界の事を知っていこうと思う。
ハイ方針決定!
ってなわけで起きたばかりであれだがMP0をやってみようと思う。
ただなぁ、あれ頭が死ぬほど痛くなるだとか、気絶するとか、碌な事にならないのが定番だからちょっとためらっちゃうな。
まぁ使い切ったらどうなるかわからないが、これからの為に必要な事だ。やるしかない。
行くぞ!
「あうあー!(訳:【回復】!)」
唱えた瞬間、体から力が抜けて意識を保てなくなる。
まぁ、あれだ。
気絶だけで済んでよかったと思うか。
そうして俺の目の前はまたまた真っ暗になった。