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幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
序章 試行錯誤の子供時代
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9.………むしろずっと兄様と一緒にいれる奴隷になりたい

話を変更しました。

 神獣。



 それは畏怖と敬意をもってそう呼ばれる存在。


 息をのむ神々しさと、周りを圧倒する存在感を持った獣。


 成長を重ね経験を積み熟練された個体は、並の国家戦力をも勝る。


 彼の存在がひとたび暴れれば甚大な被害が及び、過ぎ去るのを待つしかない。


 まさしく『天災級』と呼ばれる実力を持った存在である。





「って聞いてたんだけどねぇ………」


 神獣について説明した母さんは、そういってこっちを見る。


「………ん?」


 俺に引っ付き、顔をお腹にこすりつけてるこいつがねぇ………。

 どう見たって元の世界にいた子犬と変わんないよな。


「まず、神獣が人の姿をしている事が驚きなのよ」


 母さん曰く、過去神獣と呼ばれた存在は総じて獣の姿をしていたらしい。


「しかも、子供の頃から神獣として決定づけられている事もおかしいわ」


 そして、神獣とは周りから強さの格として付けられる二つ名のようなものであり、このような子供が位置付けられる事もないらしい。



「「「謎だ(わぁ)………」」」

 


 俺ら三人の総意見である。


「それよりもお前、これからどうするんだ?」


 腕にくっつくシロアの獣耳をモフりながら聞いてみる。


「………兄様についていくよ?」


 なんでそんな当たり前のことを聞くの?とも言いたげな雰囲気で首をかしげるシロア。


 そんな事だろうと思った。

 レイ、知ってた。


「だよなぁ。母さん連れて帰っちゃだめか?」


 ここまで懐いてるのを放置していくのは俺にできそうにも無かった。


 甘ちゃんだと罵りたければ好きに言えばいいさ!

 モフモフは俺の癒しなんだ!


「そうねぇ、連れて帰るのは私も賛成よ。でも、このままだと問題があるわねぇ」



 母さん曰く、神獣を国の中核である城に入れる自体が見つかると大問題である。

 隠して連れて行ってもいいが【鑑定(アナライズ)】持ちにばれてしまうと、隠しきれない事。

 それに、隠して連れて行ったとして、ただの獣人の子供として連れて行くわけで、連れていける建前が存在しない事。

 また、この国は獣人に対しての扱いがよくないため、連れて行ってもろくな扱いを受けない事。


 問題だらけである。



「手段が無い事もないのだけどねぇ」


 さらっという母さん。


「どうするの?」


「シロちゃんをレイの奴隷にするの」


 そうすることで、『第三王子の奴隷』という肩書が付くとともに、他人の物に手を出すと犯罪であるため守ることができる事。

 また【鑑定アナライズ】に関しては、【隠蔽フェイク】のスキル付きの首輪を母さんが持っているらしいので、それを使う上でも奴隷にする事で首輪を付けている事が違和感が無いらしい。

 首輪はもちろんダンジョン産である。


 その首輪、すごく悪用されそうだな………。



 でも、問題点が減るだけで消えるわけではないらしい。


 獣人の子供なんて労働力にもならない存在は、無駄飯食いとして権力者からすれば忌み嫌われるらしい。その存在を第三王子が匿うというのは、他の貴族辺りから軽蔑されるとか。


 その点は、問題ないと俺は思う。

 貴族の当主などは男ばかりなので、【女群集の呪】で既に嫌われてますからね。


 ていうか、壮絶な過去や【天涯孤独(ヒトリボッチ)】で一人になってしまう母さんや、森で死にかけていたシロアと遭遇するっていうの、既に【女群集の呪】の影響が出始めてるのかもしれない。

 母さんとシロアなら俺は気にしないがな。


「あとは、シロちゃんがいいかよねぇ」


 そういってシロアを見る母さん


「………どうすればいいの?」


 首をかしげるシロアに母さんが説明する。


「………問題ない。………兄様の奴隷になる!」


 食い気味にこちらを見るシロア。


「本当にいいのか?俺の命令に従わなければいけなくなるぞ?」


 そう確認してみるも、


「………大丈夫、気にしない。………むしろずっと兄様と一緒にいれる奴隷になりたい」


 奴隷になりたいって………。


「そこまでいうならわかった。俺はまだ強くないがお前も守ってやる」


 俺を兄と慕うこの子を、俺はほっとけない。

 強くなる前から守るべき対象を増やしてしまったが………。


 この子も守れるように強くなる事が急務だ。


「あらあら。それなら帰りに奴隷商の所にでも寄って登録しましょうか」


 母さんはニコニコと楽しそうだ。


「うふふ、娘ができたわぁ。私はカミア。お母さんと思ってくれてもいいわよぉ」


「私は坊ちゃまの専属召使、リネアです!私はあなたに従者としての何たるかをすべて教えてあげます!」


 リネアも後輩ができてうれしいようで、尻尾をゆらゆらさせながら胸を張る。


「………ん、よろしくおねがいします、母様、リネア姉様」


「姉様!いい響きですねっ!坊ちゃまも、私の事お姉さんと呼んでもいいんですよ!」


 シロアに姉と呼ばれたリネアのテンションが留まるところを知らないな。

 俺も急に巻き込んできやがった。


 まぁ、それくらいなら全然構わない。


「はぁ………。リネア姉。これでいいか?」


「はいっ!」


 本当に嬉しそうに笑っちゃって、まぁ。


「騒々しくて悪いな。改めてレイヤードだ。これからよろしく、シロ」


 シロアの事も略称で呼ぶ。


 すると、フサフサの尻尾ををブンブンと振り耳をパタパタさせながら


「うんっ」


 ここに来て初めての笑顔を見せてくれた。


 とてもいい笑顔だった。

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