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1話 魔法を使いこなす

 結局、朝まで魔法の練習をしてしまった、といっても「光の玉」を出したり消したりしてただけ、一度に何個出せるか試したのはご愛嬌だ、熱くはならないが昼間より明るくしてしまった。


 とりあえず学校へ行かないといけないので中断する、練習してたのはイメージの作成についてだけど、部屋の中ではできないことも多いのでとりあえず鍛錬法をプリントアウトしてファイルBOXに突っ込み鞄に入れる。


 午前中は2コマしか授業はなかった、出席さえとれば後は野となれなので隅の席で不足した睡眠をとる、講師もだれもツッコミがないのは良いことだ。


 お昼になり学食で定食を食べた後は今日はフリーになった。


 バイトも入れてないし、暇なのでいつもなら図書館で「読書」という名の惰眠をむさぼるか、街をうろつくか、なのだが今日は目的があり校舎裏の山に登ることにする、遊歩道をぶらぶらと歩くと少し開けた場所がある、時々カップルがいちゃいちゃしてるのだが今日は誰もいないようだ、目立たぬように一番奥の一抱えもある銀杏の木の裏側に回り込む、鞄からファイルBOXを出して早速魔法の練習だ。外なので火以外の魔法を試してみることにした。


{イメージ作成法}というページを出す、{イメージは魔法を行使するに当たって大変重要な要素です、魔力を実際に「魔法」として実体化するのにイメージを思い浮かべることが前提であるからです、イメージを固めるために「詠唱・魔法陣構築」などの補助的な動作が必要な場合がありますが熟練すれば瞬間的に発動させることもできます……}


 これって良く「無詠唱」とかいうことのようだな、こんな「奥義」みたいなことをさらっと載せてるなんて、どうかと思うんだが……


 まずは「風」からやってみる、空気が渦を巻くイメージを起こして発動する、突然つむじ風が発生し、落ち葉を巻き上げる、軽くイメージしただけなのですぐに消えた。「詠唱」はしなくても発動するようだ、イメージを作るのに少し「溜め」が必要な感じだ、もっと早く発動できないか……


 試行錯誤していたが大きさや持続時間の調整は意外なほどに簡単だった、割と才能あるのかな、そう思うとうれしくなる。


 あとはスピードか……


 休憩にすることにして鞄からペットボトルの飲み物を出してのどを潤す。ふと思ったが昨日から散々魔法を使ってるのに疲れはするものの、魔力切れなどが起きてない。よくある話では早々に魔力切れで気絶するのに……


 鍛錬法には魔力切れについては威力の大きな上位の魔法をバカスカ使わない限り気絶するようなことはないと記してある、ただし魔力量は個人差があるので、発動しなくなったときがMP切れということらしい。


 自分のステータスとか数値化で見れないのかと思ったがこの世界はそこまでイージーな世界ではないようで、その辺は手探りで限界を見切るしかないようだ。


 光弾という光属性の初級魔法はゴーストなどに有効な攻撃なのだそうだ。そんなモンスターいるのかと思ってみていたら比較的この世界にもいるようだ。それを探知する魔法と、可視化する魔法も載っていたので試してみる。


 すると、すぐ傍に反応があり驚く。


 見ると広場の奥の方にふわふわと浮かぶ物が……あれがゴーストか…… 早速光弾を発動させて飛ばす、だが狙いが甘いのかなかなか当たらない。


 飛ばしたあとコントロール出来ないか……


 マーカーのような物を作ってそこに狙いをつけるようにした、試行錯誤しながらやっと動かせるようになり、光弾がゴーストに命中し、ゴーストはか細い悲鳴みたいなものをあげつつ消えていった。 ゴーストを倒しても、いわゆる{浄化}と同じ効果で成仏させる事なので気にするなと書いてあった。


 午後は夕方までゴーストを探しては光弾を命中させる練習をし続けた、多目標照準マルチロックオン全方位攻撃オールレンジもできるようになったが、制御できる数に限界があることも分かった。


 気が付けばスコアは三桁を超えているがそれでも魔力切れにならないなんてどうしてだろう?


 不思議に思いながらも帰宅するのであった。


~~~~~~~~~~~~~


 あれから1週間 時間が空いているときには魔法の練習に勤しんでいる。風を巻き起こし渦巻きを作る、落ち葉が巻き込まれてくるくる回る。某忍者漫画の主人公みたいだ、これで木の葉に火魔法で火をつけたら火炎木の葉の術とか、麻痺させる薬をまいたらおもしろいかもな。


 でもいくらイメージしても渦の回転速度は一定以上上がらない、{ウインドカッター}みたいな魔法が使えないのだ。それは他の属性でも同じで、使えるのは威力の弱いものばかりである、魔法力が少ないわけでもない、初級魔法をほぼ半日使い続けても、同時に3つ以上発動しても魔力が枯渇しないのだ。


 光弾もコントロール自体は完全に出来るようになったが威力は初級のままである、複数の光弾を発射してゴーストの群れを駆逐は出来るがそれだけである。


 「講座」に載ってる中級魔法も試してみたが、発動しないことがほとんどであった、なんでだろう、レベル的なものなのかそれとも何か呪いでもかかっているのか。ステータスが見えないのもそのせいかもしれない。


 「はぁ……」


 俺はキャンパスの喫茶のそばのベンチで黄昏ていた。最初は順調だったのに躓いてしまったからだ。


「講座にもこんなこと載ってなかったな……」


 携帯端末を操作しながらもう一度おさらいしてみているのだが、このような状況になった場合のやりようについては載ってないようだ。もっとも自分の才能ではここまでなのかも知れないが……


 画面をいじくっているとふと一番下にある「フォーラム」を覗いてないことに気がついた。ここになにか書かれてるかも知れない、同じ悩みを持ったものがいるかも知れないのだ。最後の望みとばかりにそこをクリックするのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~


「見るんじゃなかった……」


 俺の率直な気持ちはその言葉に集約される、酷いものだ。


 そこに書かれてるのは、欲望のだだ漏れ、その一言にすぎない。


「女の子の服が透けて見える魔法教えて!」とか、


「不自然でないパンチラを演出する風の操り方」とか、


「触手の魔法でアンナコトやコンナコト(ご想像にお任せします)したいから教えろや」


「ハーレム作りたいから魅了の魔法(幼女に限る)おしえろ」とか


 その先は語りたくないくらいの犯罪的行為の羅列である。錬金魔法で金塊やダイヤ作りたいなんてかわいいくらいである。


 それに対する回答や返信も酷いもので、その中にこの講座を作った主らしきものの返信が、「氏ね」とか「ど阿呆」と書かれていたがまあ当然な反応だろう。


 見ているうちにある書き込みが目に入った、「使い魔か精霊を使役したいがどうすればいいですか?」というものだ、おおっ!なにかごみの山の中から少額だがお金を見つけたような気持ちだ……使い魔や精霊か……あの世界的に有名になった魔法使いが映画の中で使役してたのはフクロウだったっけ、魔女なんかも黒猫かモンスターか知らないが使役してるしな、魔法使いとは言えないが、この国の陰陽師も式神なんかを使ってる話があるし、いいかもしれないな。


 主もまともそうな書き込みにうれしかったのか「使い魔や精霊召喚についてはここをクリックして参考にしてね☆」なんて返事してるし、ほんとにうれしかったんだな、ということで、俺も見てみるか!とクリックする。


 ちなみにそのあとのやり取りが「使い魔作って何するの?」


「ケモ耳少女を作ってあんなこと(省略)」


 主「爆発しろ!いや○ルス!!」とかになってて酷いのはスルーしたけど。


 早速召喚魔法の解説に目を通すのであった。




ここまで読んでいただいて有難うございます。


誤字・脱字などありましたらお知らせください。


次回投稿は4月30日20時の予定です

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