10話 神降臨?
そこには「神」がいた……無駄に広いオフィスにでかい執務用の机、それはまあ置いといて、そのデスクにひじを突き頬杖しているのが 神寄会長だろう。
それ自体は普通だ、問題とするのはその頬杖の向こう側のふくらみだ、神級というランクがあれば必ずやランクつけられるだろうクラスだ。月影が最終破壊兵器ならこれはやはり神の領域と言うべきだろう。目がどうしても行ってしまう。
(くっ!たかが胸部装甲が厚いだけだ!)
(当ててなければどうと言うことはない!)
はつゆきたちがパスでなにやらつぶやいているがスルーしよう、いちいち反応してたらキリがない。
「うう、バストアップ運動頑張らないと……」
亜由美…そんな努力してたのか。
「月影ちゃん、お疲れさん、アミィちゃんもね~」
威厳がある人ではなかったのか?
「そちらがベヒモス倒した人たち?すごいよねー、白金ちゃん!」
俺たちの方に向いてそういうと自分のそばに立ってた人物に問いかける。
「ああぁ、そ そうですね、こうしてみるとかっこいいかも(赤面)」
なんか文学少女って感じの娘だね、眼鏡っ子だし。栗毛の髪をツインテールにしている、見られているのに気がついてあわあわしている、なんかかわいいかも、(((変なこと考えてない?)))3重奏で突っ込まれた、くっ、本気でポーカーフェイススキルが欲しい!
「先日はどうもすいませんでした!」
いきなり眼鏡ッ子に謝られたよ、いったい何?
「彼女はプラチナさんですよ」
亜由美が言った。
な・なんだってー!!どこをどう見ても同一人物には見えないよ、どういうこと?
「実は変身すると、アイテムの機能で本人の闘争本能が強化されるんだよ。そうでないと戦闘できない子がいるからね」
会長からの解説が入りました。
ちなみに普段おとなしい娘ほど反動がすごくなるのだそうだ、狂戦士モード搭載変身セットなんていや過ぎるが、そうしないと戦うなんて出来ないんだろうな。
特に目の前のプラチナなんかはねえ。
「プラチナはね普段はおとなしいからセクハラとか酷い目にあっててね、そのために男性にキツクなるんだろうね」
「はぅぅぅぅ・・・あ・穴があったら入りたいですぅ」
プラチナこと白金美奈は恥ずかしさなのか真っ赤になって意味不明なことを言ってる。
はつゆきはジト目で見ている、俺が死に掛けたんで本当は文句の一つも言いたいんだろうが、本人の責任とばかりはいえないからな。
「プラチナは面白いからこのまま放置で…」
会長さりげなく酷いこと言ってませんか?
「まあ、君たちの力も見たいから訓練場に行こう!」
自分の方に矛先が行きそうな雰囲気を察したのか話をそらしたな、先ほどのエレベーターに全員載り最下層に降りていく、いったい地下はどうなってるんだろうか?
~~~~~~~~~~~~~~~~
最下層について目の前の扉を開けると待機所みたいになっていた、ここで訓練の見学が出来るのだろう、モニターなんかがたくさんある。
そこに居たのは紺のスーツをすらっと着こなした涼しげな雰囲気を持つ女性だった、なんか隙がない感じだ。
「会長、準備のほうは出来ております、こちらが{ベヒモス}を倒した方々ですか?」
「ああ、紹介しよう、彼女は副会長で私の片腕の木ノ花薔薇だ」
「よろしく、期待しているわ」
ちなみに変身したらクリスタル・ローズと言うコードネームで呼ばれるらしい、うーんクールビューティとは彼女の代名詞にしてもおかしくないよね。2人しか居ないAクラスだって、そういや会長口調が変わってら、どうやら副会長の前では猫をかぶってるんだろう。
(会長の素は前のだよな)
(そうですよぉー)
小声で聞くと月影が答える。
「そちらの扉から入ってくださいね」
ドアを開けると広がる空間、果てが見えないように感じる。ここは秋葉の地下だよなあ、まさかこのドアがどこにでもいけるアーティファクトとかじゃないだろうな?
「ジオフロント?」
「半径10kはありますね、天井まで1k位です。」
「天井が光ってますね」
みんなも驚きが隠せないようだ。
「これは、会長が{空間魔法}で作った空間です、地上とは切り離されたところだから少々暴れても問題ないですよ」
副会長の説明が入る、流石会長すごい魔法使うな……あっ会長がドヤ顔一瞬した。
「じゃあ、的を出すから魔法で攻撃して行ってみてね」
それから俺たちは的を相手に魔法を披露することになるのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!)
一定のリズムで放たれるのは一つ一つが対象物を貫く砲弾だ、虚空に姿を見せている丸いドーム状の砲塔はまっすぐに的に向かっている。
的までの距離は5kmくらいはあるがまったく問題はない、もともとのスペックはその3倍くらいまで届くし、魔法で再現されているそれは軽くそれを凌駕する性能を出している。
すでに並べられた的の大半は原型をとどめぬほどに破壊されている。62口径76ミリ速射砲 と呼ばれるそれは、軍の護衛艦に採用されている傑作砲だ。
今それを発射しているのははつゆきである。
彼女の固有魔法「兵装」を使い「本体」の上部兵装を自分の目の前に出現させて操作しているのだ。
地面の上に浮くように艦の上部構造物がある不思議な光景を見せてくれている。隣ではしらゆきが同じようにして攻撃を披露している、こちらはミサイルランチャーから空?に向けてミサイルを撃っている、ミサイルは空を飛ぶ飛竜形の的をつぎつぎに破壊した。
そして止めはハープーンだ、2人が放ったそれは壁ぎりぎりの的を消滅させた。
「お疲れ」
俺は2人のもとに歩いていく、「兵装」を解除した彼女たちはこちらに駆け寄ってくる。
「正人、ん!」
はつゆきが顔をつき出してくる、魔力を消費したので魔力補充をねだってきている。しらゆきも顔を赤らめながらも「わ、私も」なんていっている、かわいいが人目がある。ためらっていると、「カメラには写らないようにしてるよ」だと?
カメラの映像回線に割りこみかけたらしい。本来のスペック以上な行動にすこしあきれつつも、望みをかなえてやることにする。魔力補充も兼ねているが明らかにいちゃいちゃしたいんだろう。
「んっ、うぅん」
ねっとりと舌を絡ませてくる、そこまでしなくても補充はできるんだけど。望み通りしらゆきにもしてやる、事がすんだ後しらゆきは恍惚とした表情をしていた。
「キスでこれならあんなことやこんなことなんかしたら」
ぶつぶつ独り言を言っている、なにを想像しているんだろう?
~~~~~~~~~~~~~~~~
待機所に引き上げてくると、亜由美が駆け寄ってきた、なんか凄いオーラが出ている。
「最後にナニやってたんですか?」
「ナニって?ナニ?」
(2人にキスしてたでしょ!)
なにーぃ!なぜ知ってるんだ!
(監視カメラにハッキングかけたの副会長が気づいてサブに切り替えたのよぅ)
月影さんうれしそうに言わないで!いや眼福なんてどういう罰ゲームですか!亜由美に待機所の隣にある更衣室に引っ張り込まれた。
「あれは魔力の補充だよ」
「2人だけにずるいです、私にもしてください!」
というとグイッと引き寄せられて吸われてしまった。あらかじめ身体強化かけてたらしく抵抗できない。
「うっううん」
めちゃくちゃ吸われている、舌まで強化されてるのかなすがままである。どれほどの時間が経ったか、離れたときには真っ赤かな顔の亜由美がまず見えた。
「こ、今度はね、私が正人を気持ちよくさせてあげるから!」
と、宣言すると、先に出て行ってしまった。あんなに肉食系だったのか、こんなの想像もしてなかった。すこし放心状態だったようだ。
がたッ!
物の落ちる音に振り向くと白金美奈が呆然と立っていた、足元にはポーチが落ちている。
「はぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅ」
言葉が出ないくらい混乱してるようだ、気持ちはわかる…ような気がする。やっぱり謝っておくべきだろう。
「びっくりさせてごめんなさい」
「いぇ……大丈夫です、ただ、ぅらゃましいなあと」
少し聞こえにくかったが、うらやましいとは?
「わたしもして欲しいなあと」
それはいくらなんでもまずいでしょ!俺は「ごめん!」と一声叫ぶと更衣室を飛び出すのであった。
ここまで読んでいただいて有難うございます。
誤字・脱字などありましたらお知らせください。
感想などをいただくととてもうれしいです。
次回投稿は5月4日17時の予定です