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第三話〜ミュージック ボーイ〜

沈黙が続くとバールが話始めた。

「そんなにおどろかないでください。これから、もっとおどろく事が沢山ありますよ?」

何を言っているんだ?これからもっとおどろく事が沢山ある?

「私はこの鍵盤ハーモニカの精霊。『音楽』の世界からやって参りました。上野光輝さん。

あなたは『音楽』に選ばれた人間なのです。ですから私と一緒に来てください啓太さんは残念ですが選ばれませんでした。この事は忘れてもらいます」

バールはそう言うと啓太の所まで飛んでいく啓太は動けないでいる。バールは啓太の前まで行くと「すいません」と言ってクルクルと回りだした。

バールからは聞いたことのない綺麗な音が出ていたピアノのような鈴のような。僕がその音に気をとられていると

バタッ

啓太が倒れた。

「啓太!?啓太に何したんだよ!!」

「大丈夫です。少し眠っているだけです。10分後には目覚めるでしょう。その前に早く出発しましょう」

バールは僕の手を引っ張ってピアノの前まで来た。

そしてまたクルクルと回りだした。そうするとピアノがあの鍵盤ハーモニカのように光初めて

「うわぁぁぁ〜〜〜」

視界がグルグルと回って目の前が真っ暗になった。

      ----------------------------------------------

ザバーン、ザバーン波の音がする。海、独特の潮の匂い。そよそよとふく風が気持ちいい。

何かがお腹の上にいる。

「うっ!!」

いきなりお腹の上にいた物が重くなった。

苦しくって重たい瞼を持ち上げるとやっぱりそこは海辺だった。

お腹の上にいたのはバールだった。

「あっ。起きましたか?」

起きましたかって、あんなに重いものが乗っていて起きない人はいないだろう。ところでここはどこなのだろう。音楽室にいて・・・こいつに勝手に連れてこられたのだ。

『音楽』に選ばれたとか言って本当に訳がわからない。

とりあえず上半身を起こす。

「さぁ、早くいきましょう」

「待ってよ。行くって何処に。それに音楽に選ばれたて何なのさ。何で僕が」

「わかりました」

僕の質問はバールの言葉によって止められた。

「全てお話します。失礼な事をして申し訳ありませんでした。でも時間がなかったのです。ですから今、全てお話します。実は今世界から音楽が消えてしまうかもしれないのです」

「音楽がきえる?」

「はい。今私たちが居るのは音楽の世界なのです。そして今この世界が何者かによって、壊されて来ているのです。それで私たちは音楽を心から愛している人。ミュージックボーイを探していたのです」

「僕がそのミュージックボーイ?」

僕が聞くとバールはコクリとうなずいた。

「はい。ミュージックボーイは三人。私たちはミュージックボーイを見つけしだいこの世界の中心部。心音こころのおとの塔まで来るように命じられたのです」

「それが僕になんの関係があるの!!それに君は何で僕が選ばれたミュージックボーイ

だってわかるのさ!!」

僕が叫ぶようにして聞いた。バールはさっき説明した時よりも声を柔らかくして

「私はミュージックボーイ以外の人間では、あの鍵盤ハーモニカから出られないのです。それに光輝さんはこの世界から音楽が消えてもいいのですか?」

と逆に質問してきた。

答えられない。いい。とも嫌だ。とも。何にも言えなかった。ただピアノが弾けなくなるのは嫌だった。

何にも言わない僕の背中をバールは押して座っていた僕を立たせた。

そして僕の顔の前まできて言った。

「もしも今後、光輝さんが元の世界に帰りたいと本気で思うのでしたら、元の世界に帰れます。ですから今は心音の塔に行ってみましょう」

「本当に帰れるの?」

「はい」

僕だってまだ小学五年生だ親も友だちもいない。知らないところに居るのはすごく不安だ。

今にも気をゆるめたら涙がこぼれてきそうだ。それでもすぐに帰りたい。て言えない自分が

自分でもわからなかった。

「行きましょう」

バールが歩き出したので僕も歩いていく。

さらさらの砂浜を歩く。バールも僕も何も話さないため、波の音と僕の足音だけが聞こえる。

今にも出てきそうだった涙がいつの間にかなくなっていた。

ちょっとした丘を越えると一面緑の草原だった。

「バール」

僕が声をかけるとバールが嬉しそうにコッチをむいて

「やっと名前で呼んでくれましたね」

って。そういえば僕がバールの名前を呼んだのは初めてだった。

「ところで何ですか」

僕はさっき言おうとしていたことを思い出して聞いてみた。

「その心音の塔ってどんなところ?着くまであとどれくらい掛かるの?」

「心音の塔というのは、そのとおり人の心なんです。心音の塔は人の心の音でできているんです。心音の塔までは、まだまだありますよ」











































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