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ぼくらの戦争歌  作者: 竹魚 凛人
歯車ははまった。
2/8

記憶の欠落


薄暗くて寂しくてやたらと広く、何も無くて、そして怖いところだったと思う。


何が、って俺の住んでいた場所だ、多分。



いや、正確には、四日前までの記憶を保持していた俺が住んでいた場所だ。


と言うのも、フラッシュバックの記憶の八割、いや、九割はそこの景色の記憶しかない(他の一割はと言うと、神殿のようなところ、鳥居が立ち並ぶ森、そして古ぼけた校舎(大学?)しかなかった)。つまりは、そこが自宅と考えるほかは無いのだ。



そう考えると、俺は引きこもりのような生活を送っていたということになる。かろうじて学校と言う公共機関には通っていたようだが、友達と会話しているようなシーンは一切思い浮かばない。そもそも親と思われるような人と会話している記憶も無かった。それさえも灯火のようにゆるく薄い記憶だ、自信はない。


情けない引きこもりだったんだろうか、と他人事のように思ってみたりもする。まあ、他人事なんて、誰かが誰かに対してだったら全てが全て他人事になっていしまうのだけれど。



そもそもの話、だが。



何故こんなにも自分の記憶を掘り下げ、細かく分析し、考えあぐねているのかと問われれば、己の恥をさらすのを覚悟で答えなければいけないのだが。


後頭部の、大きくズキズキと存在証明を続けるたんこぶのせいだろう、十中八九。



俺は、四日前までの記憶が無い。



そう、所謂記憶喪失と言うものだ。


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