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俺は神に転生してもらう。

何もない真っ白な空間。見渡す限り、無。

[ここはどこだ?]。

「ここはね。まぁいわゆる。君たちでいう死後の世界ってところかな?」

[っ!?だれだ!]

俺は反射的に声のある方へ、反応する。

すると声のあった方からまだ若い高校生ぐらいの男性が出てきた。

「僕かい?僕は死後の世界と多数の世界を管理している管理人。

まぁ神様ってところだね。そんな事より君、自分の体を想像してみ、早くしないと消えちゃうよ?」

どうやらこいつは神様という存在なのか。

俺は神様に言われた通り、自分の元の体を想像してみる。すると、ついさっきまでなかった足の感覚や手の感覚が現れてきた。

「おー。良かったね。もう少ししてたら君、消えてたね!っとそんな事より君の名前を教えて貰えるかな?ずっと君だなんて呼ぶのは失礼だしね」

「……俺の名前は、(あお)だ」

「そうか、君の名前は碧くんか。よし覚えたよ。それじゃ碧くん。君がここにいる理由は、覚えているかい?」

そうだ。何故俺が冷静にこの神様とやらを信じるのかっていうのは……

「そう。碧くんは死んじゃったんだよ」

俺の記憶の中に鮮明に覚えている。

それは死の記憶、俺は大学の帰り道を歩いていた。

するとどうだろう。トラックが子供をはねようとしているではありませんか。

周りの奴らは見てるだけ、そして何故か動き出した俺の体。その子供を掴んで道路の外へ放り、その代わりに俺がトラックにはねられ…死んだ。

「そう。碧くんは子供を守って死んだんだ。あの子供は本当はあそこで死ぬ運命だった。そして碧くんは死ぬ予定ではなかった。でも何かしらのイレギュラーが発生して君が代わりに死んでしまったんだ。まぁそんな碧くんにある提案があるよ!」

「提案…?俺はもう死んだ身だぞ?とっとと天国でも地獄でも連れてけよ」

神様の提案…?何か嫌な予感しかしないんだけど…

「そう!提案!碧くん、僕の管理する異世界で残りの人生を過ごさない?」

あーやっぱ変な提案してきやがった。

まぁ…異世界か…確かにこのまま天国か地獄に行くより、その世界でのんびりと過ごした方がいいかもな…

「一応聞くが、その理由は?」

「君は本当はもっと生きる予定だったんだよ!そんな君がイレギュラーで死んだんだ。ぶっちゃけ処理に困るんだよねー」

こいつ…本当に神様か…?人の死をめんどくさいとか普通言わねぇだろ…

俺が少し神を睨みつけるような目線で見ると少しだけ神がびくっとしたような気がする。まぁいいか。

「…その話乗った。」

「そうか!良かったよー。それじゃさっそく準備に取り掛かるよ!何かしらの欲しい特典とかない?例えば、聖剣が欲しいとか、無限の魔力が欲しいとかっ!」

神様が何故か楽しそうにこちらに聞いてくる。何でこいつ楽しそうなんだよ…

「別にねぇよ。」

「…え?…ワンモアプリーズ?」

「いやだから、ねぇよ。そんなの、神様の管理するその世界でゆっくりと生活するから」

神様が俺の方を見てヤレヤレといった風に仕草する。はっきり言うとうざい。うざすぎる。

「はぁ…そうかい。なら僕が勝手に付けさせて貰うよ?それでいい?」

「あぁ。それで良いよ。」

神が何やら薄い紙のような物に書き始める。

何書いてるのか気になるけど、まぁ別に俺の暮らしに問題のあるような事は書かないだろ。

「…よしっ!出来たよ!それじゃさっそく転生してあげるね!向こうでは漢字という概念がないからアオくんって事にしといたよ!」

神様が俺の方に手を向けてきた。すると俺の周りから明るい光が出始めた。それと同時にだんだんと神様の姿が見えなくなってくる。

「それじゃあね!アオくん!行ってらっしゃいっ!」

「…あぁ、行ってくるよ神様。」

神様にそう告げると、俺の意識は徐々に薄れていった…。


__________


ふぅ。ようやくアオくんが行ったようだ。

しかし彼は凄いな。僕の話を冷静に聞き、さらに僕に殺気まで放ってきた。あの殺気は人間がおいそれ出せるような代物じゃない。

まったく、本当彼はイレギュラーだね…

ふふふっ、さて彼はどんな風に僕の世界で暮らすのかな…?


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