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結
スギナはこの手紙の紙束と一緒に石棺に入りました。
そして、最初の守護者となりました。
その後も、次々と、守護者は選ばれていきました。
十二の封印石は、ひとつずつ、埋まっていきました。
そして、その最後に。
十三番目の封印に選ばれたのは、楓、そのヒトでした。
生まれた仔狐に楓は、由良と名付けました。
それは、仔狐の父親が、今もいる海の名前でした。
由良を託して、楓も守護者となりました。
大切なヒトの居場所を護りたい。
みな、願いは同じでした。
やがて、成長した由良は、異国の人魚と結ばれます。
それもまた、苦難の多い恋でした。
由良と人魚との間に生まれた仔を、枯野といいます。
そして、枯野が一人前の妖狐となったとき。
ようやく、長い長い苦難のときは、終わりになったのでした。
花恋物語で、あまりに辛すぎて、そそくさと終わらせたところを、少し、補完してみました。
お付き合いくださいまして、有難うございました。
どうか、あなたにも、よいことがありますように。




