ヲタッカーズ13 レッドタイフーンを追え
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
時空海賊、ギャング、宇宙人の聖都侵略が始まった!
聖都の危機にアキバのCharlie's angels
"ヲタッカーズ"が立ち上がる!
オトナのジュブナイル第13話です。
今回は、スーパーヒロイン鎮圧用に開発された戦闘アンドロイドが、テスト中に行方不明、秋葉原に戦慄が走ります。
アンドロイドがリモート誘導されている事に気づいたヲタッカーズは、黒幕の悪の科学者探しに乗り出しますが…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 逆上と激情のフーガ
アキバの地下ライブに逝ったコトある?
かつて、アキバには自称含め千人単位の地下アイドルがいて夜な夜な居酒屋みたいな自称ライブハウスでカラオケを歌ってたモノだ。
まぁコロナ前の話だけどねw
で、今は三密回避で歌う方も踊る?方も間隔を開けるからヤタラもの悲しさが増してるw
今宵も手洗い、ウガイにマスク着用、万一の連絡先記入を終え地下ライブの幕が開くと…
おおっ地下アイドル1名に客1名w
「邪魔だ!どけ!」
「うるせー!お前こそ!」
「ねぇ歌を聞いて!」
ソコへヲタが1名増えゼロゼロの争奪戦だ。
お互いヲタ芸を舞いながらで始末が悪いw
アキバ式の鴻門の会?剣の舞w
「下手くそ!」
「ふざけんな!何すんだよぉ!」
「2人を止めて!」
目の前で喧嘩が始まって素人同然の地下アイドルはただオロオロするばかり…と、ソコへ!
「おやめなさい!彼女が困ってるじゃない!」
おぉ!その黒ビキニtypeのコスチュームはムーンライトセレナーダーではないか!
アキバを護るスーパーヒロイン…なんだが、こんな喧嘩の仲裁までやってるとはw
「ありがと!ムーンライトセレナーダー!」
「さ、貴女は歌って!アキバから歌声を絶やしてはダメ絶対」
「痛ぇ!イタタタ!あっ!」
地下アイドルにライブの続行を促して、乱暴なヲタクの腕を笑顔でねじり上げるムーンライトセレナーダーだが、その時、嫌な音が…
ボキッ!
ライブ会場(と逝っても地下の狭くて暗いバーだが)がシンと静まり返る。
さっきまで感謝してた地下アイドルが、マイクonのママ、ボソッと呟く。
「ムーンライトセレナーダー、ヒドくね?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ジャドー司令部。
数あるモニター画面の1つでニュースショーを腕組み凝視してるのは、レイカ司令官だ。
「昨夜、ムーンライトセレナーダーがライブハウスで逆上、ヲタク達を怖がらせました。では、次のニュース…」
沸点の低いレイカ司令官は既に癇癪を起こしムーンライトセレナーダーに食って掛かるw
「ミユリさん!地下ライブで逆上ですって?貴女、何を考えてるの?!」
「だって!喧嘩でライブが流れかけてて…歌ってる子が可哀想で!」
「その子が、貴女を威力妨害で訴えよーとしてるわよっ!」
「まぁ嫌だ。ヲタクってキレやすいですね」
「キレてたのは貴女!」
「地下ライブを救ったのに怒るの?」
「怒ってない。怒りを抑えてるの。貴女も努力して。良い?貴女達スーパーヒロインを恐れる者は多い。ソレはね。貴女達が怒るとどーなるかが不安だからょ!」
「あの…続きも見てください」
ジャドーの作戦スタッフが恐る恐る司令官にタブレットを渡す。
ニュースショーは未だ続いてて識者が見解を述べるコーナーだ。
アキバを代表するスタートアップ"ゼロリ"のラズゥCEO。彼女はインド系の豊満美女。
「地下ライブを楽しんでた2人ですが、今回は病院送り程度で済んでよかった。スーパーヒロインにヤリ過ぎ監視用のカメラ装着を義務化すべきです。特にムーンライトセレナーダーは経験不足で心配だわ。彼女には"秋葉原に問題を持ち込むな"と言いたい」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ミユリさんには散々な1日だったが、今宵もメイド長として御屋敷は開けねばならない。
で、あくまで偶然ナンだけど、カウンターで僕と巨乳ハッカーのスピアが…その、あの…
イチャついてた(カモしれない)←
「あ、ミユリ姉様!おかえりなさい。もう開店してますにゃ」
「えっ!わっ!ぎゃ!ミユリさん!きょ、今日は遅番?ご、ご、ご苦労サマ!」
「姉様。御招待ありがとうございます!お邪魔スルのが楽しみにゃん!」
私服のミユリさんは、カウンターの中のヘルプのつぼみんに目をやる。
すると、つぼみんのおちょぼ口が、何やら声は出さズに動いたンだけど…
え?guilty?笑
すると、ミユリさんは僕を軽く一瞥、無言でバックヤードに消え、着替えて出て来たら…
わわっマイクロミニのメイド服だw
「おかえりなさいませ、テリィ御主人様。いつものでよろしくて?」
「は、は、はい!of course」
「さっき、テリィ御主人様の元カノ会長さんが楽しみだとかホザいてましたが」
あ、巨乳ハッカーのスピアは、僕の元カノ会長を僭称している…が、元カノですら無い。
ソレから、ミユリさんが僕を"御主人様"をつけて呼ぶ時は100%天変地異の前触れだw
スピアが脳天気に口を挟むw
「あ、ソレはね!さっきテリィたんが…」
「お黙り!私は私のTOとお話ししてるの!」
「え?だ、だって…」
おおぉミユリさん"激オコ"だょw
「(なるべく爽やかに)あ、言い忘れてたょ。ミユリさんの"Xmasツイスター大会"にスピアも誘ったンだ。OK?」
「(なるべく冷ややかに)もちろんです。人数が多い方が楽しいわ。楽しくなるのは大歓迎。ゼヒ来てね(来れるモノならw)」
「やったあ!でもね、テリィたん。実は私、ツイスターは苦手なの…ホラ、胸が邪魔で、いつも負けちゃうから。だから、ミユリ姉様には勝てないわ」
元気一杯に毒を盛るスピア。
ミユリさんは笑顔で歯軋り…
と思ったら、優しく微笑む?
「ねぇ、可愛いハッカーさん。実は、お願いがあるの。今カノから元カノへのリクエストょ」
「え?ミユリ姉様、自ら今カノを名乗るとは大胆!」
「ちょっち、お耳を拝借」
カウンター越しに身を乗り出し耳打ち。
ミユリさんは(無駄に)マイクロミニだから爪先立ちすると実にケシカラン風景になるが…
すかさず、ヘルプのつぼみんが僕の視線ブロックポジションに移動して睨みを効かせるw
「ええっ?!ソンなの無理に決まってる!絶対に無理!」
「お願い!力を貸して」
「ジャドーのデータベースにハッキングしたら国家反逆罪ょ?無理。出来ません。悪いけど不可能。いくら姉様のリクエストでもね。力になりたいけど…ソレだけは出来ないわ」
スピアが素っ頓狂な声を上げる。
「問題は、レイカ司令官の大叔母さんなの。彼女は大正浪漫の頃、レトロな水着styleでスーパーヒロインをやってて"リアルの裂け目"から襲来スル怪人と闘ってたようなの」
「ソ、ソレって。もしや帝國華撃だ…」
「いえ。ジャドーょ。ジャドーは古より存在スル秘密結社らしくて…とにかく!真相を知りたいの」
「じゃジャドーに聞いてみたら?」
「彼等(彼女等?)が話す気なら、とっくに私に教えてるわ。助けて、スピア。貴女だけが頼りです」
「え?スターウォーズ?」
素早く計算したスピアは、視線はミユリさんに固定したママで、重そうに巨乳をカウンターに載せて、乳ごと僕へとシナダレかかる。
商談成立?僕は売られたのか?いくら?
ソコへミユリさんにジャドーから電話w
「あら?レイカ司令官からだわ…もしもし?」
「お?僕にはメールが来た」
「何かしら?」
第2章 レッドタイフーンを追え
昌平橋近くの廃ビル跡地に呼び出されるw
神田川沿いの再開発がコロナ景気?で頓挫、高層ビルの基礎を打ったトコロで廃ビルに。
入口にいる完全武装のジャドー隊員に会釈し中へ入ると、奥に横一列でレイカ司令官達。
「レイカ司令官」
「マイン将軍。情報部の御用件とは?」
「え?」
驚いて振り向くと、僕達の背後に立派な軍服姿の将軍?がいる。
どうやら、同時に現場に到着したようだ。慌てて道を譲る僕達w
「レイカ司令官。貴官の部下を借りたい。1名を私の指揮下に」
「誰をです?」
「ソコの貧乳黒ビキニ」
「ムーンライトセレナーダーはジャドーメンバーではありません」
「司令官。逆らわない方が良い。私の部下がジャドーの任務を遂行するコトになりかねん」
「なぜ私が将軍の指揮下に?」
「君がムーンライトセレナーダーだな?君には、我々が開発した暴動鎮圧用の戦闘マシン、コードネームRTとの戦闘実験に参戦してもらう。つまり…どちらが強いか闘ってもらうワケだ。まぁタイトルマッチみたいなモンだな」
「ミユリさん。貴女は断れないわ。首相官邸からの命令ょ。タイトルマッチのコミッショナー命令みたいなモノね」
聞き覚えのアル声。暗闇から軍服美女が出現。
ぎゃ!ヒカリwミユリさんの前の元カノだょ。
「法務官で私の娘のマイン少佐だ。首相官邸の署名入り命令書だが、見るかね?」
「そ、そんなモノまで用意してるとはw」
「ミユリさん、自信がないの?」
ヒカリの挑戦的な態度←
「…わかりました。闘います」
「ダメょミユリさん。必要ないわ」
「僕も同じ意見だ」
でも、ミユリさんは既に決心しているw
「で、何処で誰と闘うのですか?」
「この廃ビルで、このロボットと…」
「違いますわ、将軍」
やや?今度は、白衣に引っ詰め髪の保健所のオバさんみたいな人が暗闇から姿を現して…
ってか、この暗闇からは、ヤタラ色々と出て来るンだけど、この他に何が潜んでるやらw
「ロボットではありません。戦闘能力を備えた汎用人型決戦疑似個体モデルです」
「訂正をどうも。モンロ博士」
「何だょ?その特製本格四川麻婆豆腐と同じ長さのネームは?」
僕の問いに答えズ、恐らく保健所出身と思われる白衣のモンロ博士が黙って暗闇を指す。
すると、ちょうど目の高さに真紅のランプがふたつ灯る。まるで意思を持つ者のように…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
不思議な何かを見た深夜の帰り道。ミユリさんとサイカチ坂をトボトボ下る。
因みに、ミユリさんはムーンライトセレナーダーのコスプレのママで寒そう←
「結局、明日ミユリさんが闘うロボットは何ナンだろーね。目が真っ赤なのはわかったけど」
「C3POやお掃除ロボのルンバとかのお仲間でしょうか?」
「まさか。そんなんじゃ、今までの人生で1回も喧嘩に勝ったコトの無い僕でも勝てちゃうょ。ソレにしても、まさかヒカリが出て来るとはなー」
「ヒカリさんも私と同じ貧乳でした。テリィ様って、もしや貧乳ハンター?」
「突っ込むトコロ、ソコ?」
「いいえ。私は…あの将軍やヒカリさんに証明したいのです。ムーンライトセレナーダーは信頼出来ると」
「…もしかして、今宵のゲーム大会は中止かな?タイトルマッチの前夜だし」
「まさか!私のイカれたアキバ人生に残された最後の癒しがXmasツイスター大会なのです。中止になんか出来ません」
「そうか。じゃ僕も頑張るょ」
「でも、テリィ様は…残念ですが、今回はスピアと組んでください。私の相手には、スピアも裸足で逃げ出す大巨乳のエアリを呼びました」
「え?ヲタッカーズの妖精担当のエアリ?」
「はい。楽しくなりますょ!」
「そ、そぅ…かなw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
で、その夜のXmasツイスター大会は…
「きゃ!」
「うっそぉ!」
「らめぇ!」
エアリは、ハッキリ逝って妖精なので危ういポーズになると背中の羽根で宙に浮くw
ソレに引き換え、スピアは人間だからw重力のママ顔やカラダに巨乳を載せて来る!
しかも、確信犯らしく毎回嬌声を上げワザと倒れかかって胸の谷間で僕を窒息させる←
その度に笑い転げミユリさんを見上げるスピアだが…目が笑ってない(ミユリさん談w)。
「ミユリさん。貴女はテリィたんのタイプじゃないの」
謎のテレパシー(発信者不詳w)が部屋に充満し、ミユリさんは"激オコ"で朝を迎える。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝、ジャドーはレイカ司令官以下、マイン将軍は棺?を従えたモンロ博士以下で対峙。
棺の中はレッドタイフーンが入ってルンだろうがコレじゃまるで西部劇の真昼の決闘だw
朝だけどw
「レイカ司令官。私は、思い切り闘いたい気分です」
「性能的にはミユリさんが勝ってるから、冷静にね」
「ミユリさん。今カノの実力、元カノとして見極めさせてもらうわ」
またしてもヒカリは挑戦的←
制服は、今年度予算で新設された"宇宙作戦群"の法務官ナンだが…何でミニスカ?
よく見ると、昨夜は保健所のおばさんチックだったモンロ博士もミニスカ白衣だょ?
1夜にして関係者のミニスカ率がUP↑
「レッドタイフーンに1万円」
「ムーンライトセレナーダーに2万円…マイン将軍。危険と判断されたら、タイトルマッチ…じゃなかった実験は即、中止してください」
「良いだろう。ただし、何が危険かを決めるのは本官だ。モンロ博士、始めろ」
「はい、将軍」
ヤニワに博士は跪き足元のアタッシュケースを開くが同時に股も開いてケシカラン光景…
も、もしかしてコレは撹乱作戦なのか?とか煩悩に取り憑かれてる内に棺のフタが開く!
スックと立ち上がったレッドタイフーンは、確かに真っ赤だが…ん?体型がオバさん?
近所の八百屋に買物に来た任意のオバさんに真っ赤なボディスーツを着せました的なw
「レッドタイフーン、スイッチオン!バトルモード。飛べ!」
モンロ博士が昭和なロボット漫画みたいに大声で解説を加えながらリモコンを操作スル。
レッドタイフーンは、ソレに反応し、空を見上げ両腕を広げグルグル回転すると…おお!
両脚が宙に浮く?
首から下を急速回転させるコトで竜巻を発生させて空を飛ぶらしい←
ミユリさん含め全員、驚愕を通り越し呆れてポカンと口を開いてるw
…ってかモンロ博士、股を閉じろ!
「レッドタイフーン、目標捕捉!」
「え?何?何なの?」
「ロックオン!"乳の拳"発射!」
空飛ぶレッドタイフーンの寄せて上げたバストの辺りが発射煙に包まれる!
次の瞬間、巨大な紡錘型のミサイルが2発、ジャドーチーム目掛けて直進…
「おっぱいミサイル?昭和かょ?」
「日本アニメのお家芸だょね」
「迎撃…間に合わない!」
ミサイル発射後の胸がツルペタになったのに満足しつつミユリさんが電撃!
その指先から放たれた電光はミサイルを飲み込みレッドタイフーンを直撃!
「バビューン!バビュ!バビ…」
電子の悲鳴を上げレッドタイフーンは墜落し大の字になり四肢を痙攣させる。
勝ち誇ったムーンライトセレナーダーがマウントを取り何度も電撃を見舞う。
コレではナブリ殺しだw
モンロ博士が泣き叫ぶ!
「私、負けましたわ(回文)!ムーンライトセレナーダー、もうヤメて!」
「おい!レイカ司令官、君の部下を止めろ!高価なロボットを破壊スル気だぞ!」
「レッドタイフーン、システム損傷!機能停止!」
ところが、次の瞬間、レッドタイフーンは突如息を吹き返し?ガシャガシャ立ち上がる。
さらに、驚くムーンライトセレナーダーにネックハンギングツリーをキメて雄叫び!が…
「私を本気で怒らせたわね!トドメよ!このクタバリぞこない!」
「バビュ?」
「ヤメて!ムーンライトセレナーダー!」
超特大の電撃がツルペタ化したレッドタイフーンの胸を貫く!
その目から紅い輝きが吹き消え…が、再び力強く輝き再起動w
「レッドタイフーン、システムリセット!自己防衛機能がスイッチオンw」
「わ!わ!また竜巻だ!飛ぶぞ!」
「ステルスモードだわ。レーダーがロストした。もう検知は不可能w」
窓を割り外へ飛び出したレッドタイフーンはアキバの冬空に消えて逝く…
茫然と見送った一同だったが、フト我に帰って口々に責任転嫁を始めるw
「モンロ博士、全て君の責任だ!」
「マイン将軍、私は貴方の命令に従ったまでょ」
「じゃムーンライトセレナーダーの責任だ!彼女の怒りに任せた攻撃のせいで殺人マシンが秋葉原に放たれた」
「彼女を闘わせたのは貴官でしょ?」
「とにかく!天文学的な国家予算を注入して開発した結果が、役立たずなガラクタだったとは!秋葉原がターミネーター地獄と化す前にレッドタイフーンを見つけて破壊スルのだ!」
「破壊?そんな無茶な」
「秋葉原で民間人が死傷するよりマシだ」
「どーせヒト山イクラのヲタクでしょ?苦労して開発したマシンの方が大切よっ!」
「ソレがどうした?モンロ博士、レッドタイフーンは失敗作だ。責任を取れ。クビだ!you're fired!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
タイトルマッチ?に勝ったとは逝え、極めて後味の悪いムーンライトセレナーダー。
自分の中の怒りを持て余し、アキバで働く女性の先輩であるサリアさんを訪ねたら…
彼女も怒ってイルw
「何?この特集ページの校正刷り!ヒド過ぎる。全然ダメ。このモデル、補正ナシだと、まるでネズミ小僧ね。誰か、修正が済むまで編集部を見張って!…あら、ムーンライトセレナーダー?アポだっけ?」
巨大企業ワラッタ・ワールドワイド・メディアのCEOでアル彼女は超多忙だ。
コスプレのママ来社したムーンライトセレナーダーだが、気後れしてしまうw
「え?いや、アポ無しです。昨夜、ゲーム大会をやったら寝不足で…」
「ゲーム大会?本気なの?TOの気でも惹こうと思った?スーパーヒロインとしてのプロ意識が欠如してるわ!」
「だって、ゲーム大会は私にとって…」
「あのね。アポなしの貴女ともう82秒も話をして、私は怒り心頭よ。私が1秒無駄にしたら、貴女の年収以上の稼ぎが吹っ飛ぶの。私の1秒には、スーパーヒロイン82倍の価値がアル。貴女の惨めな…」
「ヤメてください!私は、私なりに精一杯働いてます!文句も一切逝わズ、なのにアキバのヲタクときたら文句ばかり。理不尽だし、すごく意地悪…ぎゃ!しまった!」
慌てて口を覆うミユリさんだが時既にお寿司w
「ど、どうしよう。あの、すみません。本気ではなくて、ついポロリと…」
「…出かけるわよ」
「何処へ?」
「ついて来て…あ、少し出て来るわ。電話は全部転送にして」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その頃、レイカ司令官は、アキバのスタートアップ"ゼロリ"のラズゥCEOを訪問中だ。
「あら、ジャドーのレイカ司令官?何の用?また私が何か企んでないかと探りに来たの?」
「そーょ。今度は世界征服?」
「ムーンライトセレナーダーね?彼女は、私を誤解してるの。私、悪のマッドサイエンティストじゃないし」
「ソレを証明するチャンスょ」
レイカが持参したアタッシュケースを開くと中は壊れ掛けのレディオ…ではなく部品だw
「まぁ!素敵な色ね!新素材?触っても?あぁ断面が壊れてる。何処ぞの電撃女子の仕業ね?」
「コレは、軍用アンドロイドの部品よ。本体は今、秋葉原を暴走中。探すのを手伝って」
「なぜ私が?」
「とても危険な状況なの。貴女が悪党でナイなら手を貸して」
ラズゥ博士は鼻で笑う。
「そんなヒマないの。また会えてよかったわ、レイカ司令官」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方、僕は僕で元カノ親娘を相手に奮戦中←
ソレこそ何か企んでるヒカリの呼び出しだw
「パパはスコッチ?」
「ああ」
「僕は、アイスリストレットショート2%ラテ」
元カノのヒカリは宇宙作戦群法務官、そしてヒカリのパパはマイン将軍w今は私服だが←
「飲まない男は信じられん。奴等は、だいたい独り善がりで自分は分別がアルと思い込んでる愚か者だ」
「確かにコーヒーは愚か者の飲み物ですね」
「パパ。ラッツは、下戸ょ。私、お化粧直ししてくる。2人は、もっと仲良くして」
席を立ちながら僕にキスするヒカリw
「どーやら、娘は君とヨリを戻したがってるようだ」
「初耳だなぁ。今、初めて聞きました」
「しかし、仮に君が娘のカレだとしても、娘は群の機密情報を民間人になぞ漏らさん。ソレに比べて、君のトコロのヲタッカーズは、揃いも揃ってお喋りばかりらしいな」
「僕が、スーパーヒロインと知り合いなのが気に入らないワケですね?」
「娘との交際に反対する理由は別だ」
「娘との交際にジャンジャン反対してもらいたいけど、一応、その理由トヤラも伺っておきましょう」
「私は、娘を愛してる。大事な娘だ。あの子には輝かしい未来がある。能力を発揮し高みを目指して欲しい。貴重な青春を秋葉原の三流ヲタクになぞ捧げズにね。スーパーヒロインと付き合っていようと、君自身は、平凡なヲタクに過ぎない。わかってるだろ?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。
僕とマイン親娘がいるイタリアンレストランにホド近いバーでミユリさんとサリアさん。
「あのね。ムーンライトセレナーダー。人は誰でも腹を立てる。そして、怒りを抑える。特効薬は無い。そんな薬があれば、私はずっと昔に服んでるわ」
「サリアさん。さっきはホントにスミマセン」
「謝り過ぎ。ソレも問題だけど、今お話ししてるのは、仕事と怒りについてよ。わかる?何があろうと、絶対にオフィスではキレちゃダメ。特に女子はね」
「ヤッパリ?あ、オカワリは未だ結構。未だ1杯目が…」
「私がデイリーヲタネットにいた頃よ。編集長が記者に怒って、窓も開けずに椅子を放り投げたコトがあった。でも、私が椅子を投げたら、いいえ、ナプキンを投げただけでも、新聞のネタにされてキャリアが終わるわ」
「じゃどーすれば?」
「ストレス発散法を探すの。ハケ口は何でも良いけど、大事なコトは、怒りの真の原因を探るコト。例えば、私は不出来なゲラ刷りへの怒りを貴女にぶつけ、貴女は、私にキレた。ここが重要ポイント。実は、貴女は私にはキレてないの」
「いいえ。腹が立ちました」
「いいえ。腹は立ってもキレてない。貴女は、別のコトにキレてたの」
「別のコト?」
「怒りの奥にある、ホントの怒りを見つけなさい。ホントの怒りの原因を突き止めるの」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その頃、ようやくコチラもお開きだ。
「パパ、ごちそうさま。美味しかった!」
「今度は、お前と2人きりが良いな。ヲタク抜きで」
「いつでも喜んで辞退します」
すると、ヒカリは僕に指を絡めて来る。
そして、僕達が通りに出ると一陣の風←
目の前に…レッドタイフーンが現れるw
第3章 聖夜のタイトルマッチ
真夜中のパーツ通り。
宙に浮かぶレッドタイフーンは、竜巻の頂点に立ち、僕達を見下ろしている。
その無機質な真っ赤な瞳で僕達を見つめていたが、やがて静かに舞い降りる。
「レッドタイフーン、マイン将軍だ。命令する。速やかに撤収せよ」
軍服を脱ぐとイササカ間が抜けた感が漂うマイン将軍が叫ぶ。
ところが、レッドタイフーンは突如として殴り掛かって来るw
「危ない!」
レッドタイフーンの鋼鉄のパンチをマイン将軍の文字通り鼻先で止めたのは…
ヲタッカーズ!妖精のエアリ、ロケット兵のマリレ、大本命のミユリさんだ!
「レッドタイフーン!アキバのヲタクに手を出さないで!」
「何?本官はヲタクなどではナイぞ!」
「こんなオヤジより僕を守れょ!」
関係者が一斉に喋り出し、混乱に輪がかかる中、レッドタイフーンは遁走。
残された?竜巻は、ヤケのヤンパチになり深夜のパーツ通りを壊し始めるw
空飛ぶ系のヒロインのエアリとマリレが受けて立ち、逆方向に飛んで竜巻を鎮めて逝く…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
とりあえず…
関係者一同、24時間営業?のジャドー司令部に集合スル。
窮地を救ったツモリが、マイン親娘は気にもかけズ強気w
「レッドタイフーンをナゼ取り逃した?」
「そうよっ!ヲタッカーズなら倒せたハズだわ!」
「ええっ?真夜中のスクランブルで、しかもアレだけ頑張ったのに」
間抜けな私服姿でキャンキャン吠えるマイン親娘にコスプレしたエアリとマリレが反発w
ミユリさんが割って入る。
「あの段階で出来るコトはやりました。竜巻を抑えたのはこの2人です。しかし、レッドタイフーンは前より強くなってる。明らかに誰かが深層学習をプログラムを走らせた形跡があります」
「あのね。レッドタイフーンは、秋葉原を愛してるっぽいヲタッカーズは街並みを護ると先読みして、ワザと竜巻を残して遁走したのょ。貴女達の親切心は利用されたワケ」
「君達は、君達が愛するヲタクを危険に晒している。今後、秋葉原に何か起きたら、全てヲタッカーズの責任だぞ」
親娘で逝いたい放題←
レイカ司令官が怒るw
「もう茶番は結構です、将軍。ジャドーのコンピューター衛星"シドレ"に軌道上から走査させました。レッドタイフーンの表皮は、鉛を含む高分子素材で出来ていますね?ソレは超能力に依る透視を防ぐためだ。レッドタイフーンは…対スーパーヒロイン用の兵器ですないですか?まさか、万一の場合にヲタッカーズを鎮圧スルための切り札とか…」
「…バレたか!我々"宇宙作戦群"は、日々凶悪な宇宙人と闘っている。中には、翼を持つ者や角が生えた者、酸を吐き出す者もイル。そんな奴等とヲタッカーズとの違いは何だ?メイドをやってるかどーかだけだ」
「将軍、命を救った者達に礼も言わズ、蔑むのですか?将軍は、武人としての嗜みをお忘れか?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
見事にレッドタイフーン計画の核心を暴き、マイン親娘をヤリ込めたレイカ司令官だが…
何とメイド服に着替えお給仕をしてイルw
「おかえりなさいませ、ラズゥお嬢様」
「ただいま、レイカさん。メイド姿、とても可愛いわ。萌え萌えょ…さぁ協力する前に、もっと貴女のメイド姿を見せて頂戴」
「ラズゥ博士。貴女は、必ず見返りを求める。そんな人生って虚しくナイの?」
「私はね。余りにも無力な人間の末路を見過ぎたの」
「インドにいらした御両親のコト?」
「命を失った」
「私の父も殉職でした」
「お気の毒に…さて。レイカさんが持ち込んだアンドロイドの部品だけど、実は貴女が持ち込んだ時にX線で走査させてもらったの。その分析結果が出たンだけど」
「で、レッドタイフーンは…」
「確かに、彼女は戦闘用に製造されたアンドロイドではあるけど、基本的にドローンね。ソレも高度なGPS機能付きだわ」
「つまり?」
「レッドタイフーンを倒すには、真っ向から立ち向かうより、先ず何処かに潜んでるレッドタイフーンを操縦してる者を探すべきね。で、その操縦者とは、恐らく…」
「モンロ博士ね!そうだったのか!ありがと、ラズゥ博士」
「ラズゥお嬢様と呼んで。貴女がメイドの時は」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
御屋敷は、アキバ駅直結の高層タワーの最上階にあるンだけど、その地下には原子力発電所と直結した超高圧の変電所が入っている。
で、そのスグ真横に小部屋がアル。
ソコは通称"放電室"と呼ばれる。
「テリィ様の元カノのヒカリがムカつくー!」
「ヒカリのオヤジも最悪だー!」
「何ょ元カノだってエラそーに!今カノの前をウロチョロするなー!」
ミユリさん、最大出力で電撃!稲妻!稲光!
"放電室"に雷鳴が轟きビリビリと震える!
「"放電室"のアイデア、大正解だね!この部屋がミユリさんのサンドバッグだ!」
「スーパーヒロインは、ジムには通えませんから!ストレスと怒りは溜めちゃダメ!」
「全部吐き出してサヨナラだっ!」
ところが…
地下室に吹き荒れていた"電気の嵐"が、突如として止む。
呆気にとられた僕は恐る恐るゴーグルを上げ左右を見回すw
「そんな…ホントだわ!怒りの奥のホントの怒りが見えて来ました」
「何ソレ?スーパーヒロインに特有の感情?」
「いいえ。そうじゃなくて…実は、今まで嫉妬だと思っていたのです。私達は、テリィ様とヒカリさんのような恋人同士にはなれないって…スーパーヒロインである私を理解する人も、ゲーム大会の完璧なパートナーも見つからないって」
「ソレは僕だょ!目の前にいる」
「私達は人類と違うの。パワーを生かせば、この人生も充実スルと思ったけど、わかったのよ。私達は人類にはなれない。一生無理。普通の人生はナイの。きっと私は、そのコトにキレていたンだわ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再びジャドー司令部。作戦ブリーフィング。
「ヲタッカーズのムーンライトセレナーダーです。レッドタイフーンは、モンロ博士がリモートしています。そして、博士が狙うターゲットは…恐らくマイン将軍」
「え?何で本官が…」
「失礼ながら、将軍は博士をクビにした。将軍は博士の恨みを買ったのです」
「しまった!では、博士を倒せば、レッドタイフーンを停められるのだな?どうやって、博士を探す?」
「先ずレッドタイフーンをおびき出し、ラズゥ博士が割り出したリモート信号を逆探知します。博士の居場所を割り出したら、空飛ぶ系のエアリとマリレが強襲します。ソレまで、私がレッドタイフーンは食い止め、時間を稼ぎます」
「ムーンライトセレナーダー、大丈夫なのか?」
「この作戦の鍵は、いかに怒りを制御し得るかにアリます。怒りを上手く利用出来た者だけが、最後の勝利を掴むコトが出来るのです」
ココでレイカ司令官が釘を刺す。
「レイン将軍。ヲタッカーズは将軍の尻拭いをスルのです。ジャドーも特殊部隊を出して全力で支援しますが、将軍も相応の御協力を」
「う…わ、わかった。何でも、出来るコトはスル。協力は惜しまない…しかし、レイカ司令官。貴官は、なぜメイド服なのか?」
「えっ?ああっ!しまった!…ウッカリ着替え忘れて…スミマセン」
「謝るコトはナイ。萌え萌えだ」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「テレるコトはありません。将軍、萌え萌えです」
将軍が、例の廃ビルの中に佇んでる。
何故か、サンタクロースのコスプレ。
「リモート信号をキャッチ!」
「こちらコンピューター衛星"シドレ"です。レッドタイフーン、サンタクロースに接近中。ブルーのレッドの3」
「ヲタッカーズ、直ちに発進!」
空飛ぶ系ヒロインのエアリとマリレが一斉に飛び立つ。
一方、廃ビルで佇むサンタクロースの目の前に竜巻が…
レッドタイフーンだ!
「対戦車ロケット弾、撃て!」
「全弾斉射!時間を稼げ!」
「畜生、トナカイの角が引っかかって…」
待ち伏せたジャドー特殊部隊が一斉射撃…スルのだが、何故か全員トナカイのコスプレw
降り立ったレッドタイフーンに拳骨大のロケット弾が次々と命中!さらに機関銃の連射!
爆発の閃光に包まれるレッドタイフーン!
しかし、爆炎が晴れると…何?無傷だと?
目の前のサンタクロースのコスプレ(何で?)をした将軍に、鋼鉄のパンチで殴りかかる!
ところが、今度はサンタが…無傷だw
鋼鉄パンチは虚しく空を切り空振り!
流石のレッドタイフーンも首をヒネる←
「かかったわね。そのサンタクロースは3Dホログラムよ。モノホンの将軍は安全なジャドー司令部にいるわ。コスプレして」
「ビビューン?」
「とにかく!サンタクロースがXmasに闘うワケには逝かないわ。私が貴女の相手ょ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
逆探知の結果、レッドタイフーンのリモート電波は、地下アイドル通り裏にあるコロナで潰れた地下の御屋敷からの発信と判明スル。
突入したジャドーの特殊部隊は、ブービートラップで吹っ飛ばされたが、その屍を乗り越えて、エアリとマリレが御屋敷に突入スル!
「モンロ博士、無駄な抵抗はヤメて!」
「ムダなのは貴女!私の脳波をレッドタイフーンの脳の基盤に直接送ってるの。彼女を止める唯一の方法は、送信者の神経の破壊。つまり、私の死よ!」
「じゃ死んで!」
「えっ?!」
御屋敷の奥にファンドマネージャーみたいに複数のPCを並べた席があり、その中で明滅するヘッドギアを装着した博士が仁王立ち。
「な、何?貴女、命を捨てる覚悟は出来てないの?」
「そ、それは、そのぉ…レッドタイフーンは私の命よっ!ホラ、御覧なさい!」
「ああっ!ミユリ姉様が…」
博士が指差すPC画面の中で、ムーンライトセレナーダーはレッドタイフーンに圧倒され壁に押し付けられて腹パンチを食っている。
こーゆー時ビキニtypeのコスプレは不利だ。
と、思う間も無くエアリがスパナで博士を…
床に崩れ落ちるモンロ博士。すると…
「アゥ!ギャン!ウグッ!」
「ビ、ビヒューン↓」
「あら?もうお仕舞い?」
腹パンチ連打に悶えるムーンライトセレナーダーを投げ捨て、レッドタイフーンはパワーダウンwガッカリ膝をつき肩を落とし停止w
「やったのね?エアリ、マリレ…あら?」
「ビ、ヒビューン↑」
「また動きだしたわ!どうなってるの?」
マリレが素早くコンソールをチェック。
「博士の脳波は停止。もうリモート信号は出てないわ…」
「マリレ、この点滅サインは?」
「あ、自動防御機能がオンになってる!システムが再起動スルわ。姉様、逃げて!」
次の瞬間、レッドタイフーンの鋼鉄の腕に吹っ飛ばされたムーンライトセレナーダーが宙を舞い、スゴい勢いで壁に叩きつけられる!
「逃げて!ミユリ姉様!」
「私は…逃げない」
「姉様!」
手負いのムーンライトセレナーダーに、トドメを刺そうと歩み寄るレッドタイフーン。
が、素早く立ち上がったムーンライトセレナーダーは拳を固めファイティングポーズ←
瞬間、怯んだレッドタイフーンのツルペタな胸の谷間へ図太い電撃の奔流を突き立てる!
「喰らえ!」
「ビビューン?」
「うわあああっ!」
さらにミユリさんが憤怒の表情で絶叫スル!
その瞬間、極大まで図太くなった電撃の奔流がレッドタイフーンを貫通!
レッドタイフーンの上半身がブワッと膨らみ、次の瞬間大爆発が起きる!
真夜中の地下アイドル通りが真昼のように…
「こちらは衛星軌道上のコンピューター衛星"シドレ"。秋葉原地区でセカンドインパクト級の高エネルギー爆発を感知。広範囲に渡る電磁嵐が発生。ジャドー司令部、応答せよ…」
モンロ博士のコンソールでは、全てのPC画面がホワイトアウトw
エアリとマリレが懸命にシステムを操作、何とか画像が復活スル。
「ミユリ姉様は?」
「まさか溶けて蒸発したとか?」
「あ…」
その時、マリレが指差す画面の中に、懸命に立ち上がるミユリさんの姿が…
激しく肩を上下させて、大きく息をしながらも、拳を固めてポーズをとる。
「やりました」
第4章 紅きこの夜
ジャドー司令部は、パーツ通りの地下ゲーセンの更に地下にあり、通常、ジャドーメンバーはゲーセン店員のコスプレで出入りスル。
だから、その朝の出来事は、きっとオーナーを見送る雇われコスプレ店員に見えたろうw
黒いスモークガラスのSUVに乗り込むサンタを見送る銀色の服に紫ウィッグの女子←
「ヒカリ…まさか、お前までそんなコスプレをwなぁ一緒に首相官邸に戻らんか?」
「パパ。もう私に命令しないで。宇宙作戦群も法務官も辞めます。もう部下じゃないの」
「お嬢さんをお預かりします…」
「ファースト(ガンダム)かょ。ヒカリ、お前もいつか自分の過ちに気づくコトだろう。だが、その時は後の祭りだ…し、しかし、お前のキャットスーツ。萌え萌え」
「おだてても無駄ょ、パパ」
サンタのコスプレをしたマイン将軍は去る。
彼は彼の義務を果たしたが、そのコスプレ…
サンタである意味はあったのか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日の昼下がり。
夕方の開店前で誰もいない御屋敷に、ミユリさんと僕と…愛用PCを小脇に抱えたスピア。
「レイカ司令官の大叔母さんのコト、何かわかった?」
「先ずは座って話をさせてょ。よっこらしょ」
「スピア!カウンターに胸を載せるのはヤメて」
早速ミユリさんが牽制球。
「だって、重いンだモノ。わかって?」
「わかりません」
「貧乳だモノね?…で、ジャドーにハッキングしました。コレで私は国家反逆罪」
スピアは、愛用PCを開き僕達に示す。
ミユリさんとオデコをくっつけ覗くw
「このレトロ水着みたいなのが大叔母さん。コードネームは"モガ仮面"らしい…」
「え?何?"モガ"って?」
「"モダンガール"の略だょ。例えば、みゆき族とか…」
ココで知ったかブリの知識ご披露w
「で、その何とか仮面だけど、同僚のスーパーヒロインと宇宙人を捕獲しに半島へ逝き、任務に失敗した。行方不明扱いになり、戦死として処理された。だけど…」
「だけど?」
「その数ヵ月後、仏領インドシナの市場で一切の記憶を失い、着の身着のまま彷徨っているトコロを"青機関"に保護されてる」
「"青機関"?」
「え?ソレって大平洋戦争で暗躍した諜報機関の1つだょね?でも、大正浪漫の頃から存在してたのか。確か、機関長は銭湯"秋乃湯"の先代のお爺ちゃんで…」
またまた役に立たない知識ご披露w
「で、ココから先は、ファイルが黒塗りばかりで良くわからない。でもね。大事なコトは、レイカ司令官は、コレを承知で大叔母さんと付き合ってるってコトね」
「…なるほど。大叔母さんの司令官イビリはハンパ無いンだけど、大叔母さんは、司令官
の成功に脅威を感じ、司令官をけなすコトで優越感を味わっていたンだね」
ミユリさんが溜息。
「ココにも、鬱積した怒りが…複雑なのですね、人類の人生とは」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「結局、最後は"怒り"ナンだょね。僕は、ミユリさんと違って平凡な人類だけど、怒りの鉄拳ぐらいは繰り出せるよーにしておきたいな」
「まぁ。大丈夫ですか?だって、テリィ様は今までの人生で喧嘩に1度も勝ったコトがないのでしょう?」
「あ、アレは勢いで逝っただけで…でも、逆に1度も負けたコトもないンだょ」
するとミユリさんはパッと明るい顔になる。
「大好きです、テリィ様のそーゆートコロ」
おしまい
今回は海外ドラマで時折モチーフになる"fury(激しい怒り)"を軸に、戦闘アンドロイドをリモートするマッドサイエンティスト、プロジェクトを推進する将軍、その娘で主人公の元カノ、巨大メディアやスタートアップのCEO達などが登場しました。
海外ドラマで見かけるNYの都市風景を、コロナ第3波に揺れるXmasの秋葉原に当てはめて展開しています。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。