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第17話 ラナを救え

何を犠牲にしても助けたいものは誰にでもあります。

 リアナside


「こ、これって!」


 地面に倒れているのはラナちゃんだった。


「ラナちゃん! ラナちゃん! 大丈夫! えっ?」


 夕暮れ時になり、暗くて良く見えなかったけど、ラナちゃんの左手と右足が凍りついて⋯⋯な⋯⋯い⋯⋯⋯。


「イヤァァァァッ!」


 私は信じられない出来事に、思わず叫び声を上げてしまう。

 なんで? なんでラナちゃんがこんな姿になっているの。


「嘘? 嘘だよね」


 傷ついたラナちゃんを見て、私は涙が溢れ出てくる。


「嫌だよ⋯⋯さっきまで元気だったよね⋯⋯どうしてこんなことに⋯⋯うぅ⋯⋯」


 膝をつき、目の前の無惨な姿になったラナちゃんの所に崩れ落ちる。


 どうすればいいのか理解できない私を現実に戻してくれたのは、目を閉じて横たわっているラナちゃんだった。


「う⋯⋯ぁ⋯⋯」


 微かに今、何かを言ったよね。

 私は涙を拭き、急ぎラナちゃんの脈を確認すると⋯⋯ドクン⋯⋯ドクンととても弱々しいものだけど血液が流れていることを感じた。


「まだ、まだラナちゃんは生きている!」


水回復魔法(アクアヒール)


 私はラナちゃんに向かって回復魔法をかけると、徐々にではあるが傷が塞がっていく。

 けれどまだ脈は弱いままで、意識は戻らないため、私は祈るような気持ちで魔法をかけ続ける。


「アルテナ様お願いします⋯⋯ラナちゃんを⋯⋯ラナちゃんを助けて下さい!」



 3分ほど回復魔法をかけることによって、ようやく傷を塞ぐことができたが、脈は弱いまま、ううん、むしろさっきよりなくなっている気がする。


「ラナちゃん! ラナちゃん! 目を覚まして! このままだと⋯⋯」


 そこから先は考えたくもない。


水回復魔法(アクアヒール)】は水系の初級魔法だから、簡単な傷を治すことしかできず、体力を回復したり、ましてや腕や足を再生することはできない。

 けれど私が使える回復魔法は【水回復魔法(アクアヒール)】だけ。これをやり続けるしか今は方法がない。


「もう私は一生魔法が使えなくてもいいです。だから! だから! ラナちゃんを助ける力を下さい!」


 その時【水回復魔法(アクアヒール)】で青白く光っていたラナの身体が、突如白い光に変わる。


「これって?」


 レベルが上がったのか、女神アルテナの奇跡が起きたのかわからないが、リアナの魔法が【水回復魔法(アクアヒール)】から勇者、僧侶系が使用することができる【聖回復魔法(ホーリーヒール)】に変化していた。

 そのこともあって、ラナの脈は少しずつ戻り、顔色も良くなっていく。

 しかし本人はそのことに気づかず、一心不乱に魔法を唱え続け、そして最後にはMPの使いすぎによって、その場に倒れてしまった。



 ヒイロside


「リアナちゃんとラナちゃん遅くね?」

「さっき可愛い娘のためならいつまでも待つって、言ってなかったか?」

「そうですね。私も聞いてましたよ」


 グレイが先程口にしていたことに対して、俺とルーナが突っ込みを入れる。


「いやだなあ、冗談に決まってるじゃないか」


 だかグレイの言うとおり確かに遅い。第2校庭までなら10分もあれば余裕で往復できるはずだ。何かトラブルでも起きたのか?


 俺は少し不安になって、探知魔法を唱えると、魔力の波が拡がっていき、リアナとラナさん捉える。

 確かに2人はリアナが言っていたように第2校庭にいた。

 しかしこれは⋯⋯どういうことだ!

 2人とも地面に倒れ、ラナさんに至っては左腕と右足が欠損している。

 こんな所で待っている場合じゃない!


「ルーナ、グレイ。原因はわからないけどリアナとラナさんが第2校庭に倒れているからすぐに行ってくる。だから今日街に行くのはなしで頼む」


 そう言い終えると俺は2人の元へと走り出す。


「えっ?」

「どういうことだヒイロ!」


 後ろから何か聞こえるが、今は気にしている場合じゃない。


 シュン


「キャア!」

「何? 風?」

「もうエッチな風ね」


 女子生徒のスカートがふわりと舞う。

 俺は周りの目を気にせず、全速力で走っている。

 もう力がバレてもいい。今は逸早く2人の元へ向かいたい!

 林を駆け抜け、第2校庭へ。

 リアナとラナさんは中心部分に倒れていたはずだ⋯⋯いた!

 透かさず2人に向けて鑑定魔法を唱える。


「【鑑定魔法(ライブラ)】」


 名前:リアナ

 性別:女

 種族:人間

 紋章:魔方陣の中に剣と盾

 レベル:22

 HP:741

 MP:0

 力:B

 魔力:B

 素早さ:B-

 知性:C+

 運:B


 名前:ラナ

 性別:女

 種族:エルフ

 紋章:拳

 レベル:30

 HP:1

 MP:82

 力:B+

 魔力:B-

 素早さ:B+

 知性:B-

 運:C+


 リアナはMPが枯渇しているだけだ。おそらくラナさんの傷を治すために魔法をかけ続けたのだろう。

 問題は左手と右足が欠損したラナさんだ。HPが1しかない。


「【完全回復(パーフェクトヒール)】」


 俺は間髪入れず魔法を唱え、ラナさんのHPを回復させる。

 そしてもう一度【鑑定魔法(ライブラ)】を使い、ステータスを確認するとHP()812に戻っていた。


 良かった。何とかラナさんのを命()()は助けることができた。


 しかしいくら【完全回復(パーフェクトヒール)】でも、欠損した部分は戻ってこない。

 とにかく2人をベッドに運び休ませよう。

 だがAクラスの寮は入ったことがないので、リアナとラナさんの部屋はわからない。とりあえず自分の部屋に運ぶため、俺は転移魔法を使ってFクラスの寮まで飛んだ。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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お読みいただき有難うございます!
狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか! スキル創造を使って俺はこの世界を謳歌する~
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