第13話 幼なじみコンビVSエリザベート後編
運って人世で重要な要素ですよね。
エリザベートは懐から何か羅針盤のような物を取り出してきた。
「ボ、ボルデラ様から頂いたこの魔道具で、あなた達を殺す」
何か禍々しい物を感じたため、俺はエリザベートに接近するが、既に遅く、羅針盤が黒い光を放ち、辺りを暗闇へと染める。
「これより運命の選択を行います」
感情のない男声の声が聞こえてくるがどこからだ?
この場に男は俺しかいない。
まさか! あの羅針盤から出ているのか!
「ふっふっふ。あなた達はもう終わりよ」
エリザベートが勝ち誇った笑みを浮かべると、羅針盤から光の矢印が発せられ、俺、リアナ、ルーナ、エリスさん、ダリアさんと順番にルーレットのように高速で回る。
「何だこれは?」
俺は急ぎエリザベートの持っている魔道具に向かって【鑑定魔法】を使用する。
【運命の羅針盤】
使用すると半径20メートル以内に5人以上いる場合、1人に呪いをかけることができる。しかし対象を選択することができない。
また、選ばれた者はランダムに呪いが振りかかる。
この呪いは魔法で解呪することはできない。
運命の羅針盤? 呪い? しかも魔法で解呪できないなんて。
それにもう1つある文章。これを知っていてエリザベートは魔道具を使ったのか。
何とか解除できないか模索するが、呪いの対象を決めるルーレットが始まっており、今にも止まりそうなスピードになっている。
エリスさん、ダリアさん、俺を越え、リアナの所で止まるかと思われたが、さらに1つ進みルーナの所で停止する。
「えっ? 何ですかこれは?」
ルーナは意味がわからず困惑する。
そして次にルーナの頭上で2つのリールが出現し、回転している。
1つは期間で、目を凝らして見てみると、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年、永久となっている。
そしてもう1つは呪いの内容。発情、失明、魔法使用不可、聴覚障害、睡魔、死亡とある。
これはもし呪いの内容で死亡を引くか、期間で永久に当たってしまったら最悪だ。
死亡を引いたら期間なんて関係ないし、睡魔で永久だったらもう死んでいるようなものだ。
俺は祈るような気持ちでリールを見ると、永久、1時間、1日と過ぎ、1ヶ月で止まった。
「い、1ヶ月!」
とりあえず最悪の永久は回避することが出来たので安堵する。
ベストの結果ではないが、最悪の結果じゃない。
後は呪いの内容だ。
リールが段々とゆっくりになっていく。俺達だけでなく、エリザベートも
この時間がとても長く感じただろう。
失明
魔法使用不可
聴覚障害
リールはまだ停止しない。
睡魔
頼む! ここで止まってくれ!
しかし俺の願いは叶わず、無情にもリールは次の死亡へ向けて動き出す。
その様子を見て、俺達は絶望の表情を浮かべ、ルーナは死ぬことの恐怖にガタガタと振るえてしまう。
「ダ、ダメッ!」
リアナの叫びも虚しくリールは死亡へと向かう。
「無駄よ! 誰も運命には逆らえないわ」
このままだとルーナが死んでしまう。俺は見ていることしか出来ないのか!
まるで運命に操られているかのようにリールは次のマスへと動いていく。
操る?
そうだ! 俺は何をボケッと見ているんだ。こんな時のための魔法だろ!
俺はスキル【魔法の真理】から使えるものを探すと1つの魔法が浮かびか上がった。
ひょっとしたら、ここで魔道具に干渉することによって俺に呪いが振りかかってくるかもしれない。けどルーナを助ける可能性があるなら俺はそれに賭ける!
「【操作魔法】」
俺はルーナの頭上にあるリールに向かって魔法を放つ。
【操作魔法】はあらゆるものを操ることができる。【魔法の真理】の通りなら魔道具も例外じゃないはずだ
リールは半分以上死亡の方に回っているが、それを無理やり引き戻す。
「戻れ!」
俺は残っている力を【操作魔法】に注ぎ込む。
突然の喪失感に襲われ、思わず膝を着くがここでやめる訳にはいかない。
しかし、思ったより魔道具を操作するには魔力が必要で、後ろに倒れそうになるが、地面に体が着くことはなかった。
「ヒイロちゃん頑張って」
リアナが俺を支えると同時に魔力を分けてくれている。
ありがとうリアナ。これなら行けるか!
「戻れ戻れ戻れ戻ーれ!」
死亡に傾きかけていたリールは少しずつ睡魔の方へと傾き、そして止まる。
「期間⋯⋯1ヶ月。呪い⋯⋯睡魔で設定されました」
運命の羅針盤から黒い光が放たれ、ルーナはそのまま地面に倒れていく。
まずい! 眠ってしまったのか、このままでは頭を地べたに打ちつけてしまう。しかし俺も魔力を大量に使ったせいか動くことが出来ない。
「危ない!」
ルーナの体が地面に着く前に、エリスさんが間一髪抱きかかえるのに成功した。
「たかが1ヶ月の睡魔なんて――」
エリザベートは地面に這いつくばりながら悔しそうにする。
「あんたはあれが何なのかわかっていて使用したのか」
「そんなの知らないわ。ボルデラ様に万が一の時は使えって言われただけよ」
俺は剣を片手に一歩ずつエリザベートに向かって歩いて行く。
「ひっ! くるな! 私を殺す気!」
エリザベートは何を言っているんだ。
とりあえずエリザベートは無視し、そばにあるこの危険な魔道具を拾う。
「ああっ! ボルデラ様に頂いた魔道具が」
そして次はエリザベートを見据える。
「ボ、ボルデラ様! 助けて下さい!」
エリザベートがそう叫ぶと辺りが暗雲し、突如黒い霧が現れ、その中から老人の魔族が姿を見せた。
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