チュートリアル #08
いよいよお終いである。
喋る黒猫からのいきなりの死亡宣告。頭も回らないし身体も思うようにうごかない。
『とにかくついてくるにゃ。』
「・・・そう言われてももう動けな・・うわっ。」
言い終わる前に突然ネコ耳少女に背負われる。そしてこの村でも一際大きい屋敷の方へと向かう。
屋敷の正門を潜った瞬間に彼女が一瞬驚いたのが伝わってきた。
『これに触れるにゃ。』
庭の真ん中に丸い石の乗った灯籠のような物があり、それに触れろということらしい。
意識が朦朧とするなかで、少女の背中からどうにか触れると劇的な変化が訪れた。
体中の細胞が入れ替わる感じだろうか。肉体が隅々まで再構成される感覚かもしれない。
とにかく生まれ変わるということは、こういうことだと確信する。
そして少しだけクリアになる記憶。
宮殿のような建物の中の白く広い部屋で、とても威厳のある老人と対峙している自分。
そして老人が話しかけてくる。
「これからお主が向かう世界は間もなく崩壊するじゃろう。星の寿命が限界に近づいておるからじゃ。
そこでお主にはその世界に複数ある属性の内の半分を集めて欲しい。」
「突然のことすぎて全く理解が追いつかないのですが。」
「これはすまん。話を端折りすぎたようじゃのう。まずもってお主は死んだのじゃ。じゃからここに連れてきておる。」
「えっ?オレ死んじゃったんですか・・・」
「そうじゃ、なかなか壮絶な死に様じゃったのう。それを見て不憫に思って、ワシの作ったもう一つの世界に送りこもうかと思ったのじゃ。じゃがそっちの世界には一つ問題があってのう。それがさっきも言った星の寿命問題じゃ。」
「てことは神様なんですか?」
「いくつかの星を作った創造神といった立場かもしれないのう。」
「なるほど・・・。別の世界でもう一度生きられるというのは魅力的ですが、すぐ星の寿命が尽きるんじゃ意味ないじゃないですか。」
「うむ。じゃからワシは星が力を使い切って崩壊する前に、一度星の力を抽出して大きさを半分にしたのちにまた力を注ぎ再生させようと思っておるのじゃ。」
「それと属性?を集めるのと何の関係があるんですか?」
「ワシは間接的にしか世界に関与できないのじゃよ。星を再生させると言ってもそこに住んでる者たちを無視した力の行使はできないのじゃ。でも崩壊は止めたい。そこで送りこんだ者に星の属性の力を集めてもらい、それを利用して星を半分に分けてからゆっくりと属性を注ぎ込み再生させるというわけじゃ。」
「聞いてもやっぱりよく分からないけど、とにかく属性を集めればどうにかなるんですよね?」
「そのとおりじゃ。属性を集めて星の再生の手助けをしてくれるならば、半分に分けた世界で生きていけるようになるのじゃ。そこでもう一度言おう。数ある属性の半分を集めるのじゃ。さすれば・・・」
---世界の半分をやろう---
自分でも上手くないなと思ってた導入部も終わり。
次からはいよいよ本編の始まりです。