チュートリアル #07
小さな物音がするたびに、またゴブリンかとビクビクしながらも後ろ姿を見失わないように少女の後を追う。
うぅ、おかしい。まだそれほど長時間は歩いてないのに気分が悪い。ゴブリンとの遭遇は焦ったが幸い怪我は負ってない。
始めは運動不足なのと慣れない森の中のウォーキングのせいなのかと思ったんだが、なんか違う。
軽い吐き気に頭痛もするし、ちょっとヤバイかもしれない。
体調が優れないのを我慢しつつ少女についていくことどのくらいか、少し開けたところに到着。
村のようなものが見える。どうやらここが彼女の住む場所のようだ。
「*****。」
相変わらず言葉は分からないがどうやら歓迎してくれてるようだ。自分で言うのもなんだが、こんな得体のしれない男を助けてくれた上に自分の村まで案内してくれるなんて、なんていい娘なんだ。
本来ならお礼を言うところなんだが、脂汗ダラダラで今にもぶっ倒れそう。
そんな状態のときにどこからともなく一匹の黒猫が近づいてきた。
『よく来たにゃ。』
「猫が喋った?」
やっと言葉が通じる存在に会えたかと思えば黒猫である。
「・・・いよいよ幻聴が聞こえ始めたか。体調は思った以上に深刻かも。」
『幻聴じゃないにゃ。でも深刻な事態なのは本当にゃ。早くしないと死んじゃうにゃ。』
「えっ?」