3. 「孫氏とクラウゼヴィッツ」~軍事ドクトリンならこの1冊
「孫氏とクラウゼヴィッツ」(2012年)
アメリカに陸軍戦略大学校という日本の防衛大みたいのがあるんですが。
そこのテキストの邦訳。
孫氏とクラウゼヴィッツ(戦争論)の共通点とか違う点について書いてる。
本書で強調されている点を見ていく。
1. ワインバーガードクトリンはとにかく守れ。
ベトナム戦争の泥沼を経験した米軍が戦争を泥沼化させないためのドクトリン。
孫氏と戦争論を基に作られた。
6つの原理で成り立つ。
国家の合理的行動(利益が危機に瀕しないと軍事行動×)
戦力の最大限集中
政治軍事目標の明確な定義づけ(戦争で何を達成したいのか?)
政治軍事目標の持続的再評価(投入戦力の適切さ)
国民世論の支持
国家の合理的行動(戦争の最終手段化)
だろうね。寧ろ、これ守らないで戦争できる奴よくいるな…いるわいるわぞろぞろ出てくる。
経営戦略とかでも、できていない企業。ありそうだ。
2. 戦争は各国の主張を押し通すための手段であって目的ではない。
孫氏は、戦争の前に外交努力をしろと言っている。
クラウゼヴィッツは外交努力は大切だとしている。
ただし、軍事的指導者は戦争以外選択の余地がなくなってしまった時について考えた方が有意義。
クラウゼヴィッツの二行目の考え方が、
「孫子=外交努力」「クラウゼヴィッツ=戦争だヒャッハー」
と誤解してしまう人を生んでいる。
両者、戦争しなくていいならするなというのは変わらない。
3. 誰が主導的に動くか
孫氏は、上層部(要するに内閣みたいなやつ)の指示に従って欲しい、という考え。
クラウゼヴィッツは、上層部の指示待ちでは負ける。現場指揮官の自律的行動を養成すべき、という考え
最後の部分が意見に明らかな相違がある。
「孫氏」と「戦争論」はそれぞれ有名だし、別々に買った方がいいという人もいるが、普通の人はこれ一冊で十分。
寧ろ、孫氏については、単体で買うのではなく、「武経七書」として買って、軍事古典を7冊読んだ方がいい。
「武経七書」とは中国の有名な軍事古典。
「孫子」「呉子」「尉繚子」「司馬法」「李衛公問対」「三略」「六韜」
良かったら手に取ってみることを薦める。
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そうすると筆者のMotivationが更にUpします。
良かったか下記も読んでみてください。よろしくお願いします
長編「オンラインノベルに於ける傾向分析を科学的にしていく」
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短編「シンカリオンの父」
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