何かに疲れた日に読める話
僕自身、読書が好きで良く読むのですが、読んでるうちに疲れる時があって何か箸休め的な話が読みたかったんですが意外となくて。自分で書いちゃえってた始めちゃいました。書きながら笑顔になっちゃうんで意外といい箸休めになると思います。
やさしいはなし
眞島 永久 majima eiku
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僕は以前こんな事を言われる人でした
貴方は雲もみたいな人だね
柔らかそうでふわふわしててつかみたくなる
でも風が吹いたら何処かに行ってしまいそう
消えてしまう気がする
ねえ優しいって大事なことだけど
優しいだけじゃ生きていけないんだよ
好きなだけじゃ続けていけない
だめなんだよ好きなだけじゃ
実際その人の前から消えました。
優しいだけで今でも生きています。
好きなだけで生きていけると思ってます。
現実的じゃないし夢希望で生きていけないし
それでも
雲のようにふわりと流れるような柔らかさと
優しい人で
好きなだけで生きていける
そんな人でありたい
つらい日に疲れた日に泣きたい日に
ほっと読める優しい話が書きたくなりました。
僕が読みたいやさしい話を書きました。
物語の中にちょいちょい僕が参加しています。皆さんの目線の参考になれば幸いです。
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登場人物
〇双子のアリスとナナ
〇お兄さんやお姉さん
〇おじさんやおばさん
〇読んでるあなた
〇僕
目次
1、エピローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2、一番よりも大切な事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
4、□
5、☆
6、×
7、↑
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P1
春は、沢山の花や緑がとても賑やかで見ている世界がとても鮮やかになる。
桜が満開になる3月の終わりころ。
優しいパパと明るいママの間に双子の女の子が生まれた。
真ん丸な顔に大きな目はママに似たみたい。
大きな耳と小さな鼻はパパ譲りかな。
「産まれてくれてきてありがとう」
名前は、亜里須、菜奈。
パパの名前とママの名前から一文字ずつもらいました。
「ぱぱちゃん今日ね。蟻さんがななちゃんのアイス食べちゃったのよぉ」
4歳になった亜里須は、ちょっぴりお姉ちゃんのせいか菜奈を守ろうと頑張る癖がある。
暖かい初夏のこの街は美しい緑に囲まれ川もあり海もあり自然豊かな所です。
亜里須と菜奈は4歳になりおしゃまで元気の女の子になりました。
「亜里須。それで蟻さんはどうしたんだい?菜奈は泣いてなかった?」
パパは優しく亜里須に聞きました。
亜里須は、大きな目でパパを見ると言いました。
「ななちゃんね。泣かなかったよぉ。でね蟻さんがお腹すいてるんだって言ってポンってアイス全部ポイしてあげちゃったのよ。だからななちゃんアイス無くなっちゃったからありちゃんのアイス半分こして蟻さんと一緒に食べたのよぉ。ありちゃんもななちゃんも優しいのょぉ」
P2
なんだかよくわからない言い方だだけどと思いつつパパは優しく言いました。
「きっと蟻さんも菜奈ちゃんも亜里須にありがとうって思ってるよ。優しかったね二人とも」
大好きなパパに褒められて亜里須は上機嫌。
菜奈はというとママにおねだりして新しいアイスを頬張ってます。
4歳だともう性格もそれぞれ個性が出てきたなぁとパパはにっこり。
「菜奈、アイスばかり食べてるとお腹痛くなっちゃうよ」
アイスでべたべたの手をママに拭かれながら菜奈は言いました。
「ありちゃんと半分こするの。ななちゃんとありちゃんはいつも半分こするから大丈夫なのよぉ」
あぁ、なんて可愛い双子の娘たちなんだろうか、うーん抱きしめてしまいたい。
しっかりママに半分こにしてもらったアイスを食べて二人共もうべたべたです。
「もう二人共べたべたじゃなのぉ。もうパパと一緒にお風呂に入っちゃいなさい!出たらご飯よ」
二人の服を脱がせてお風呂に向かいたいけど、二人共逃げ回って脱がせらんないよ。
ママも参戦して追いかけっこになっちゃった。
P3
「ねぇ。読んでる皆さん絵が浮かんで笑顔になっちゃうでしょ?」
「ねぇ。想像してくださいお家の中に動き盛り女の子が二人!パパとママの笑い声。子供の逃げ惑う声」
なんだか一緒にいるみたいで暖かい気持ちになりませんか?
「煩そう何て思ってるあなた?あなたにもあったんですよこんな時が、ねぇ?やさしい気持ちで想像してください」
何とか脱がせてお風呂に連れていきいやいやする二人を見てパパは思います。
「こんな日がいつか終わるんだろうな。娘たちがいつか一人でお風呂に入れる日が来る危なくないかと心配するかもしれねい。でも一人で入っている姿を想像するとちょっと嬉しいな。だって成長を感じられるじゃない」
パパは、亜里須と菜奈を交互に洗って大人が入るには、ちょっぴり少ないお湯がはってあるお風呂に入ります。
「ねぇパパ。あとどれくらいで出てくるぅ」
外からママの声が問いかけます。
「菜奈。亜里須。十数えたら出よっか?」
二人のほんのり紅潮した顔を見てパパは言いました。
「ありちゃんは、まだ平気なの。ななちゃんは、もうあちちだからもう出ないとダメなのよぉ」
P4
亜里須。我慢かな?お姉ちゃんだから無理してるんだろうね?こんな娘が愛おしい。
「ななちゃん。ありちゃんと一緒じゃなきゃ嫌」
今度は、菜奈が去勢を張る。そうだよね負けたくないよね。
パパは、ふとニコリとしてしまいました。
「パパちやん。何が楽しいのぉ?」と亜里須。
おっと。よく見てるなこの子は、とパパは更にニコニコして二人に言います。
「よーし。1・2・3・・・」
数を数え始めました。
「ありちゃんもー1・2・3・・5・7」
「菜奈も1・2・4・3・5・・7」
「あはは、飛んでる飛んでる」
パパは、楽しくてしょうがない。
「ななちゃんのなぁな、ななちゃんのなぁな、8・9・10」
拍子をつけながら菜奈が歌う。
連られて亜里須も歌う。
「さー出よう。ママー」
P5
パパから一人ずつママは受け取ると大きくてふわふわのタオルで頭からごしごし拭きます。
菜奈ちゃん。ごしごしよーとママは菜奈を拭きあげます。
「キャー。ありちゃんは自分でやるのーわぁー」と言って亜里須は走って行っちゃいました。
「あ、こら。待ちなさ亜里須。こらぁ」
「パパぁ菜奈おねがぁーい。」ママは亜里須を追いかける。
お風呂のドアを開けると菜奈がにこやかに頭をタオルでもしゃもしゃしています。
「ぱぱ。おかえりぃ」
パパは、にっこにこ。
「ただいま。菜奈」そしてパパは菜奈をわちゃわちゃ拭き上げます。
耳を澄ますとママと亜里須の追いかけっこは、まだ続いているみたい。
「さー菜奈、パジャマ着よっか」
菜奈の好きなウサギのキャラクターのパジャマ。
外では、亜里須が捕まったらしいキャーキャー言っているのが聞こえる。
「あはは。にぎやかだねぇ。さぁ菜奈お着換え終わったから行こうか」
P6
パパは菜奈を着換え終わらせるとママのところに行かせようとしました。
「ななちゃん。ぱぱちゃんにふきふきしてもらったから今度は菜奈がぱぱちゃんふきふきしてあげる」
にこにこパパは、膝をついて座りました。
小さな手でパパの髪を一生懸命拭いてくれました。
「はぁい。ありがとう菜奈パパもう乾いたからママの処行っておいで」
パパは、菜奈の頭を軽くわしゃわしゃしました。
すると菜奈は「キャー。」と急に叫びだすと走っていきました。
子供の笑いのツボは突然だなぁとパパは笑いました。
着替えて食卓に向かうと亜里須もしっかり着換えが終わりくまのキャラクターのパジャマを着ていた。
双子でも好きな物が、被らなかったりするんだなぁとふとパパは感心する。
パパは、一人っ子だったので兄弟や姉妹の感覚が分からずたまに戸惑います。
おやすみ。今日も沢山の笑顔ありがとう・・・・・。
「貴方は?どうでしたか?兄弟や姉妹が居る人は好きな物の取り合いなんかしませんでしたか?」
ちなみに僕は、妹がいてよく取り合いしました。従妹ともしましたけど・・・たいてい何時も取られて泣いてる子供でした。
こんな、ちょっとした出来事や好みで人格が形成されると僕は思っています。兄弟や従妹ってコミュニティー形成の原点ですよね。僕は今でもその頃が懐かしいしです。偏在でも妹や従妹とも仲良くやってます。親戚が集まるとたいてい僕の子供の頃のヘナちょこ話がネタになります。この話は、そんなお兄さんやお姉さん、お父さんやお母さん、親戚にご近所さんにとご自分の立ち位置を自由に気楽に読んで下さい。
P7
1・ 1番よりも大切な事
今日は、パパとママと一緒にお買い物。
「パパ、ありちゃんね。パパ大好きなの」
突然亜里沙がパパに言いました。
「うんありがとう。パパも亜里沙が大好きだよぉ」
パパは分かっています。今日はお買い物。今からパパのご機嫌を取ってお目当てのおもちゃをねだろうと思っていることを。
「ななちゃんは、ありちゃんよりパパ大好きよ」
菜奈は、亜里沙に先を越されてので負けじと亜里沙を超えると言ったのです。
ママは楽しくなりました。可愛い二人に少し意地悪をしてみようかと思ったからです。
「菜奈。亜里須。じゃあママは二人よりもパパが大好きよ」
ママは、ちょっと意地悪をしてみました。
「ダメー。パパは亜里沙が大好きなの」
あれ?自分が好きからパパが亜里沙を好きに変わってる。ふふ。
「ずるいー。菜奈ちゃんの事パパはもっと好きだもん」
菜奈に至っては、既に色々話が飛んでます。
P8
双子の住む町は、海と川と自然豊かな山に挟まれた所です。
パパの仕事がお休みの日には、祖父母の農園に行ったり。川に散歩に行ったり海に行ったり山に行ったりと沢山の学びと遊びができる環境です。
生活していれば自然と風景の一部になってしまいますが、それは見方を変えれば楽しみ方を変えればもっともっと楽しめるんです。子供の頃に貴方は、どのような遊びをしましたか?どう見えていたか思い出すとこのお話も見方が変わるかもしれませんね。読んでくれているあなたの目線で想像してください。
家を出てしばらく歩くとご近所の飼っている猫に出会いました。
「あー。ニャーちゃん見つけたぁ」
亜里沙は、ご近所の鈴木さんちのサバトラの雌猫のハナを見つけました。
「チリリィン。」可愛い鈴の音がします。首輪の鈴が鳴りひょいっとハナは、塀の上に登りこちらを見ます。
菜奈が、手を振りながらハナにご挨拶します。
「ハナ。おはよう。ななちゃんみーんなでお買い物行くのよぉ。ハナちゃんも一緒に行こう」
パパは、面白くなりました。菜奈にとって猫のハナは人間の友達と同等と立場なんだなと。
P9
猫のハナは「ニャー」と返事をするとそっぽ向いてしまいました。
菜奈は、気にする素振りもなくパパと手を繋ぎ直し行こうと合図します。
亜里沙は、ママと手を繋いでいます。
「じゃ、行こうか」というとパパと皆で歩き出します。
暫く進むとお蕎麦屋さんの角の交差点に出ました。
パパがふと後ろを振り向くと「にこり」ハナが塀の上を颯爽と歩いて来るのが見えました。
信号が青になり横断歩道を渡ります。
横断歩道を渡った先には、昔ながらの商店街があります。
パパとママが小さなころからあるその商店街は、沢山のスーパーや大型店が出来た今でも元気に賑やかな商店街です。
「あらぁ。双子ちゃん今日は、パパとママとお買い物かい」
商店街の入り口から少し行くと声が掛かります。
馴染みの八百屋のおばちゃんだ。
「ありちゃんねぇ。パパにおもちゃ買ってもらうのぉ」と亜里沙。
言ってない言ってないとパパは、顔の前で手のひらを左右にふる。
P10
お出かけイコール何かおもちゃを買ってもらえると思っているらしい。
まったく敵わないな子供には、そう思いながらパパは苦笑い。
「じゃーおばちゃんからもプレゼントあげちゃおうかな」
八百屋のおばちゃんは言うなり、売り物のモンキーバナナをひょいと取ると「ポキ。ポキ」と2つ折って亜里沙と菜奈に渡しました。
「ありがとう。」と亜里沙と菜奈は言うと嬉しそうにおばちゃんに抱き着きました。
「あらあら。本当に可愛いねぇ。おばちゃん、亜里沙ちゃんも菜奈ちゃんも大好きなのよ」
そういうとおばちゃんは「にこにこ」しながら亜里沙と菜奈の頭を撫でてくれました。
「亜紀ちゃん。これ持ってきな」
そういうと2本折ったモンキーバナナを袋に詰めてママにくれました。
「え!おばちゃん悪いよう」とママの亜紀は言いました。
「いいんだよ。折れてたら売り物になんないからね。ほら。たまたま折れちゃったからね」と亜里沙と菜奈にウインクした。
剥いてもらったモンキーバナナを嬉しそうに二人は頬張る。
「いいかいら。いいから。気を付けて買い物行っといで」
おばちゃんはそういうと「にこにこ」しながら4人に手を振り他のお客さんとおしゃべりを始めちゃいました。ありがとうおばちゃん。
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パパとママに亜里沙と菜奈、4人は目的のパン屋さんに着きました。
パン屋さんの前はパンの美味しそうな匂いがしています。
「ななちゃん。パン大好き」と菜奈は嬉しそうに言いました。
「よーし。菜奈の大好きなパン買おうね。亜里沙も好きなリンゴのパン買おうね」
パパは、言うと亜里沙も菜奈も喜びました。
「いらっしゃい。あら菜都央君ファミリーじゃないこんにちは」
パン屋のおばちゃんが、にこやかに挨拶してくれる。
パパやママが小さい頃から来ているパン屋さんです。
「好きなの買って行ってね。どれも美味しいからね」と女将さん。
あれがいいな。これがいいなと亜里沙と菜奈は沢山迷いました。
亜里沙は、林檎の入ったデニッシュ、菜奈はカスタードの入ったクロワッサン、ママはブルーベリーのデニッシュ、パパはラフランスのデニッシュにしました。それとたまごのサンドイッチとポテトサラダのサンドイッチとコンビーフのサンドイッチを買いました。
「どこか?お出かけ?」とパン屋のおばちゃんは言いました。
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「はい。漁港と隣の水族館に行ってみようかと思ってます」とママは言いました。
「あら。良いね。水族館行くなら家の友里にこれ渡してくれるかしら?」と女将さんは包みをママに預けました。
「もひとつこれね」とおばちゃんが袋に8個マドレーヌを入れてくれました。
「お駄賃だよ。遠慮なく持って行ってね」優しくおばちゃんは、ママに渡す
ママとパパとパン屋の友里ちゃんは、幼稚園からの幼馴染です。
「ありがとうございます。丁度いいから。預かります。友里にも会いたいし」とママも笑顔です。
4人は、店を出ると海に向かって進みます。
「牛乳買って行こうか?」とパパが言いました。
「そうね。寄っていきましょう」とママが言いました。
パン屋さんから数軒隣のチーズのお店に入ります。
「いらっしゃい。お!菜都ファミリーじゃん。いらっしゃい」
森ファームの沙希ちゃんが居ました。
「ありちゃん。ななちゃん。いらっしゃいませ。さきねぇママのお手伝いしてるのよぉ。おりこうさんなのよぉ」と自慢げに沙希ちゃんは言いました。
「ありさとななは、パパとままのお買い物のお手伝いしてるの。おりこうさんよ」と亜里沙は沙希ちゃんと張り合います。
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「杏奈、けんけんは牧場?」とママは言いました。
「うん。健輔昨日子牛産まれたから牧場にいるわ」と森ファームの杏奈さんは言いました。
「相変わらず。呼び捨てとは口わりーな杏奈」パパは笑いながら言いました。
パパとママ、森ファームの健輔さんも杏奈さんも幼馴染です。
「亜里沙、菜奈、沙希ちゃんにこれあげて」とママは袋からマドレーヌを2個取り出すと亜里沙と菜奈に渡しました。
「ありちゃん、あんなちゃんにあげる」と杏奈におばちゃんと呼ぶなと常日頃教育されている亜里沙が、マドレーヌを渡しました。
「ななちゃんは、さきちゃんに。はいどうぞ」菜奈は沙希ちゃんにマドレーヌをあげました。
「ありがとう」杏奈さんも沙希ちゃんも一緒に言いました。
「で、亜紀何が欲しいの?」と杏奈さん。
「牛乳4つ頂戴」とママは言いました。
「了解。」
「どこか?行くの?」と杏奈さんは袋に詰めながら言いました。
「うん。漁港と水族館。友里に井上ベーカリーのおばちゃんから預かりもんしたんだ」
ママは言いました。
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「そうだ。杏奈。沙希ちゃんも一緒にどう?」ママは杏奈さんに聞きました。
「なな。さきちゃんと行きたいな」と菜奈は言いました。
「ありちゃんもさきちやん一緒が良い」と亜里沙。
「どうする?沙希?ありとななと行くぅ?」と杏奈さんは沙希ちゃんに聞きました。
「さき。いっしょに行く」と沙希ちゃんは言いました。
「よし。ちょっと待ってなよ。」と杏奈さんは皆を置いてお店の外に出て行ってしまいました。
5分ほどして杏奈さんが戻ってきました。
「もうちょい待機で。」と杏奈さんは店の奥に行ってしまいました。
さらに8分、杏奈さんが戻ってきました。
「これ、持ってって皆で食べて。沙希も連れて行ってもらうからお礼じゃ」と杏奈さん。
包みを開けると森ファームの自家製ノーセージのホットドックと自家製チーズと自家製ベーコンのホットサンドが入ってます。さっきはこのために井上ベーカリーにパンを仕入れに行ってたみたいです。
「それと、漁港にいる家の親父にこれ持って行ってよ」と杏奈さんに牛乳を預かりました。
さぁ。今度はお供が一人増えました。進もう。みんなで杏奈さんにいってきますをして店を後にします。
P14
商店街をさらに進むと先の方に海が見えてくる。
子供たちは、見えてきた海に騒ぎ始める。
「さきちゃん。うみがみえるよぉ」
「ありちゃん。みてみてふねがみえるよ」
「パパちゃん。ななみえないからかたぐるましてぇ」
亜里須、沙希ちゃん、菜奈みんなそれぞれ大騒ぎ。
パパは、菜奈を肩車しました。
「ずるい。ありちゃんもかたぐるまがいい」
「亜里沙、今菜奈を肩車しているから少し待っててね」
パパは、亜里沙に優しく言いました。
「いやだぁ。いまがいいの」
不貞腐れて亜里須が言います。
「ありちゃん。パパはいそがしいの。わがままいっちゃだめでしょ」
沙希ちゃんが、亜里沙に言いました。
流石お店の子とパパは、変に感心してしまいます。
でもね。お店の子は小さい時から親が忙しくて我儘言わないように躾けられているんだよね。
「パパね菜奈の次に亜里沙その後は、沙希ちゃん肩車するからね
パパは、とても優しく言いました。
P15
そんなパパを見ながらママは、とても笑顔になりました。
何故か。それはね。小学校の時に転校してきたママが、初めて会ったパパが、低学年の子たちに囲まれてとても世話を焼いていた時にパパが一人一人に優しく言っていたのを思い出したんです。
パパは、約束通り亜里沙、沙希ちゃんを順番に肩車すると言いました。
「みんな。ちゃんと順番守っておりこうだったね」
パパは、きちんと我儘言ったり降りるのを嫌がらなかったので、子供たちがとても成長した気がしてとても嬉しかったのです。
皆さんは、パパにしてもらった肩車からの風景って覚えていますか?
僕は、覚えています。父の肩に乗り父の頭に手を載せ前を見た時の風景。
世界が大きくとても広く感じました。
いつもより近い看板、いつもより低いポスト、いつもよりも遠くが見渡せました。
子供の頃のあの感動、初めての海外旅行に似てる気がします。
きっと、亜里沙、菜奈、沙希ちゃん。いつもより海が近く見えて嬉しかっただろうなぁと
今、書きながら思ってます。
P16
僕の話が、続いちゃいますが、僕は沙希ちゃんの気持ちがわかる気がするんです。
何故か。僕の祖父母は、大きめの飲食業を営んでました。
食堂、宴会場、仕出し、冠婚葬祭など祖父母は、とても忙しそうにしていました。
父は後を継ぐのを拒みサラリーマンになったのですが、僕なんかが長期のお休みで祖父母の元を訪ねると歓迎してくれて、もう店の物いたずら放題食べ放題させてくれました。
でもね。お客様が居る時は別なんです。
騒いではいけない。挨拶する。邪魔しない。など子供には、まあまあきついルールがありました。
そしてね。一番大きいのが、一緒のお出かけって出来ないんですよ。
お休みが無くて店の中でしか、その店でのコミュニティーにしか遊び場所が無いんですよ。
僕なんか休みの間祖父母とあまり遊べた記憶ないですもん。
だから、お店に来たお客さんとか近所のおじちゃんとかにかまってもらうのが嬉しかったですね。
だから、肩車された沙希ちゃんの気持ちがどんなに嬉しかったか・・想像しちゃいました。
皆さんの思い出も良かったらシンクロさせて読んでもらえたらッて思います。
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肩車をされた沙希がとても嬉しそうにしていると菜奈が、沙希ちゃんに言いました。
「さきちゃん。つぎは、さきちゃんがさいしょでね」
菜奈は、嬉しそうにしていた沙希ちゃんに言いました。
優しいね菜奈。
商店街を更に進むと左側に神社が見えてきました。
「さき。かみさまにごあいさつしていくぅ」
沙希ちゃんが言いました。
「それは良いね。じゃあせっかくだから寄って行こう」
パパは、優しく沙希ちゃんを見やるとブイサイン。
5人は、神社に寄ることになりました。
真っ赤な鳥居を一礼してくぐると正面に立派な神殿が見えます。
左側にある手桶で手を洗い神殿を目指します。
「おや。沙希ちゃん。いらっしゃい」
社務所の前にいた巫女の和希さんが声を掛けました。
「たっくんママ。きょうねさきおでかけ。ありちゃんとななちゃんといっしょ」
沙希ちゃんは、嬉しそうに言いました。
「それは楽しそうね。亜紀ちゃん。うちの琢磨も連れて行ってくれない?」
神社の和希さんが言いました。
「沢山の方が、楽しいからいいわよ。ね?パパ」
ママは、パパに言いました。
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もちろんいいよ。とパパが言いました。
すると和希さんは、社務所に入ると琢磨君を連れてきました。
「琢磨。沙希ちゃんと菜奈ちゃん、亜里須ちゃんとお出かけしておいで」
和希さんは言いました。
「たくね。たくさんたくさん走れるんだよ」
そう言うとたっくんは、境内を走り出しました。
「あっ。こら琢。境内は走っちゃダメって言ったでしょ」
そう言うと和希さんは、たっくんを追いかけていきます。
そうなると・・・もう追いかけっこになっちゃいます。
沙希ちゃん、亜里須、菜奈も混ざってとうとう皆で大捕り物。
なんで子供ってあんなに走るんですかね?
特に男の子は走りますよねぇ。
無尽蔵な体力・・・笑
P19
お楽しみに