絶対防御の天使
ども、かつどんでーす。
この天使ちゃんだけどう倒せばいいかかなり悩みました。
レースの中で近接戦闘型なのは終止符、鏡、反射板の三人である。残りは罠を仕掛けたり、遠距離型だったり、支援したり、相手を妨害または不幸にするのが得意な人物達である。
そして現在、明日羅が相手にしているのは、その近接戦闘型の三人に加えて、罠を仕掛けるのが得意な両端の二人である。
そして、
「レース名殺し屋行くぜ!」
また一人増えた。
「へっ、絶対防御だかなんだか知らねえが、殺すのが専門の俺の攻撃を防ぐ事ができるか?」
明日羅がピリオドの攻撃を防いで、後ろに下がった所を狙ってキラーがナイフを突き刺してきた。明日羅が着地した瞬間を狙ったため、明日羅はかわすことが出来ない。しかし、
「おいキラー、ズボンのチャックが開いてるぞ」
「うえ⁉まじ!」
ピリオドが指摘してきたため、キラーは慌てて自分のズボンを見た。
その隙に明日羅は態勢を直したため、次に来るキラーの攻撃を防ぎきった。
「ちょ」
「うん、ごめん、素直に謝る」
もちろんピリオドが何も言わなければキラーのナイフは明日羅に届いていた。
「もしかして、これも防御の一つだとか?」
「有り得るな」
キラーが加わり、六人で攻撃しているが、どの攻撃も明日の身体には当たらなかった。
「ちょっとヤバイんじゃない?」
「今エンさんが無意味に攻略法がないか電話している所だ」
「なるほど…」
そんなわけで、エンは電話していた。
「もしもーし、ナッシング?今なんか襲撃されてるんだけど…えっ?いや、あんたの所の神様達だよ、そうそう、あ、でも是碓はいないよ、でさ今電話したのは…ああ、その沙汰 阿吽君は死んだよ、何かいきなり血を吐いてさ………へー、君は感がいいね、全くその通りだよ、彼は能力を使って僕を裁いた、だけど僕の前では自分の方が悪人になっちゃうわけか、僕を裁くなんてそれこそ悪人ってわけだね、っていやいや、そうじゃなくてさ、僕が聞きたいのは…いやいや、内気は下手が動きを封じたよ、そして残り一人、明日羅って娘なんだけど、彼女何者なの?何か時折白い羽根が見えたりするんだけど、えっ天使?何、ナッシングああいう娘がタイプなの?君はそういうのが無い無関心だと思っていたけどやっぱり…えっ?天使ちゃんまじ天使の天使?君がそこまで惚れるなんて珍しいね、じゃあ殺すのはやめておこ…えっ?光天使?光天使ってそれホーリーライトニングって読めるんじゃないかい?つまり、ブックス!じゃん、えっ聞き間違い?光天使じゃなくてリアル天使?絶対防御は神の力だけど本人は天使であって、その力は明日羅自身の物じゃないのかい?いやいや、僕に対してだったら絶対防御は作用しないって僕に戦えってこと?無理に決まってるじゃん、まだあの是碓君だったらいいけど、相手はその天使だぜ?一応何かの騎士団の団長なんだろ?そんな奴と戦えるわけないじゃん、だろ?分かった?でさ、なんか攻略法とかないの?………そう、無いか…」
エンはナッシングとの電話を切らないまま、レース達と明日羅が戦っているところに向かった。そして、
「あ、エンだ」
「なっ生邪!内気様は⁉」
「内気なら大丈夫、と思うよ、一応勝利の神だし、それより皆」
エンは明日羅ではなく、その場にいるレース達に言った。
「その明日羅って娘、本物の天使たぜ」
「「「………作戦会議だ」」」
レース達は攻撃を止めて、隅っこの方に集まった。
「ちょっと、待っ」
「あ、天使ちゃんはちょっと待っててね、今から作戦会議だから」
「いやいや、この状況で待ってと言われて待つ人いると思いますか?」
「君は天使だろ?」
「えっ………いやいや、関係ないでしょ」
「仕方ないな、じゃあ裏切り者、相手してあげて」
「はいはい、了解ですよ」
「!」
その時明日羅は隣に立っていた男に気付いた。
「貴様、いつからそこに」
「ん?いつからあんたの隣にいたのかって質問ならたった今と答えるよ、あんたが気付いたのは俺が隣に立ってから3秒後だ」
「3秒後だと…」
「いやいや、そう驚くなって、あ、いつから俺がこの部屋…部屋?おーいピリオド~ここって部屋?」
「違う、ロビーだ」
「じゃあこのロビーにいたのは始めからであんたがここに入って来るより先にいたよ」
「な、貴様…一体」
「ただの裏切り者だよ」
「そうだそうだ!やったれスパイ!」
そこでエンが男に戦うように言ってきた。
「え?でもどうやって?」
「ほら、いつもの縄でやっちゃってよ」
「いやいや、始めからピリオド達が激しく攻撃してたから縄を巻く隙なんてなかったよ」
「え?………まじかよ」
「何をする気だったのか分かりませんが、あなたが相手だと言うのなら私は戦いますが、内気様を助けに行かなければなりませんので…」
「分かってるって、そんで内気って奴は気にするな、大丈夫だって」
「そう言うわけには…」
「じゃあ俺と戦うか、あんたが内気の所に行くのを妨害するという理由でさ」
「っ!」
「と言うわけで俺を攻撃してみな」
その時、明日羅は一歩足を退いた。そして何かに一瞬だけ怯えるように顔を反らした。
そして、スパイを見失った。
「なっ⁉」
明日羅が気付いた時にはスパイは完全に気配を消していた。さっきスパイがここにいると言わなければここにいるということ自体に気付かなかっただろう。
明日羅にとってこちらから攻撃する事はよくある事だが、攻撃を当ててみろと言われたのは初めてであった。いつもなら絶対防御であるテーヴァの加護を受けた自分が攻撃を当ててみろと言っていた。そして、逆にそれを言われたのは明日羅には神であるテーヴァへの侮辱に感じた。そのため明日羅は全力でスパイを探した。この部屋にいるはずのスパイを探した。
スパイを見失った場所から全くと言っていいほどその場から動いていないスパイを探した。
絶対防御に対してレースはどう動くのか⁉
次回「レースの敗北」
デ○エル、スタンバイ!