絶対勝利の神
ども、かつどんでーす。
この勝利の神はいづれ再登場させる気です。
「ちょ、ついさっき完成した建物なんだが…」
終止符にとって堂主館はできれば戦場にしたくなかった。
だから彼は一つの作戦を思い付いて、一人で実行した。
それが相手が建物の中に入る前にこれを仕留める事である。
この方法なら堂主館が壊れるなんてことはない。
だがその天使を仕留めることは出来なかった。
ガキンっと、金属音がなり響いた。
それはピリオドの武器の大はさみ、通称カッティングイレイサーと、明日羅の武器の剣がぶつかる音だった。
その後、堂主館の入り口で待ち構えていた両端にとって神の一人が殺された。実際に止めをさしたのは自分の能力らしいが、この時のピリオドが分かるはずがない。
「ちっ」
ピリオドは明日羅を攻撃するが、全て簡単に防がれてしまう。
その間にも、神の一人が奥へ向かった。
「エンズ!」
「「了解!」」
ピリオドが二人のレース名を叫び合図を送ると、エンズの二人が明日羅の下がる方回り込み、明日羅を挟む様に位置した。
そしてエンズの間にある糸で明日羅を切り裂こうとしたが、
「ひゃ!」
っと明日羅はそれだけしか言わなかった。
エンズの糸は明日羅の着ている鎧に防がれてしまっていた。
明日羅はただ、いきなり腹部から前に押し出される力を受け、態勢を崩しながらピリオドの方に向かった。
「よし!」
ピリオドはそれをチャンスだと思って、確実に仕留められる首をねらって大はさみを構えた。
そして大はさみの刃を閉じようとした瞬間、
「おわっと!」
「え~~~」
明日羅は態勢を崩していたため、足がもつれてその場に倒れた。というより、転けた。
そして首を狙っていた大はさみは完全に避けられ、ピリオドの大はさみは空を切った。
「ちょ、いくらなんでも奇跡過ぎるだろ」
「どうなってるんだ?」
レース達は明日羅の能力に完全に悩まされる事になった。
一方、内気はエンを追って堂主館の廊下を走っていた。
「はぁ全く、いきなり沙汰がやられるとはな、どうせ勝つだろうが、まさか一人やられるとはな…」
と、一人ごとを言った所で内気は足を止めた。
「レースの一人、安藤 智也です、レース名は下手です」
「ちょっとそこどいてくれないかな、生邪を追っているのだけど」
「どうぞ」
そこに立っていた男はすぐに内気に道を譲った。
「………一体なんのつもりだ?言っておくが俺は勝利の神内気だ、降参するなら今のうちだぜ?」
「だから降参するんですよ」
「お、なんだ聞き分けがいいじゃねえか」
「勝てないなら始めから戦わなかったらいいだけですよ」
「なるほど、じゃあ気負いなく通らせてもらうぜ」
そして内気がアンダーの隣を通ろうとした瞬間、
「見下していただき、ありがとうございます」
「ま、そんな簡単に通れるとは思ってねえよ」
内気は持っていたカッターで男に斬りつけた。
しかし、カッターを降った先にアンダーはいなかった。
「何⁉」
この時、内気はアンダーのあからさまな嘘を見抜いていた。というより、見抜いてしまっていた。
そのため内気は、
(こいつ、絶対嘘ついてやがるぜ、先に仕掛けるか)
と、アンダーを見下してしまっていた。
見下すという行為はアンダーにとって最高の獲物になる。アンダーを見下した瞬間、アンダーを見つけるかどうかは、彼の意思次第である。
「あいつ、どこ行きやがっッ!」
内気が辺りを見回そうとした瞬間、足下に違和感を感じた。足が動かなかったのだ。
そして、
「うお!」
後ろから張り手を受けた。
内気は態勢を崩してその場に倒れた。
この時、内気は腕にガムテープを貼るアンダーを確認出来た。
「てめぇ…」
内気がアンダーを確認出来たのは見下すという行為をやめたからだ。もちろん無意識的にだ。
内気が見下すのをやめたのは先ほど張り手を受けた時だ。
なぜなら張り手を受けたということは、もしアンダーがナイフ等の武器を持っていた場合、それで刺されて自分は死んでいただろう。
慣れた手付きで完全に内気の腕をガムテープで床に固定し終えたアンダーに内気は質問した。
「お前、さっき張り手した時、俺を殺せたはずだ、なぜ殺さない?」
「殺せた?無理無理、だって僕武器とか持ってないし、それに人殺しとか嫌だし、あ、でも君は神か、でも僕から見たら君は人間だし、って神でも殺すのは嫌だな」
「武器を持ってないだ?お前本当に戦う気あるのか?」
「あるかないかって言われたらないよ、あっ!もちろんだけど戦う気が無いって言うのは一方的にボコるとかでは無いからね」
「そうかよ、でも武器を持ってなくても俺を殺せたはずだろ、そのガムテープで口と鼻を塞ぐとかさ」
「それは最終手段だよ、それにそれは多分一番惨い殺し方でしょ?やりたくないよ」
「俺を殺さないのか?」
「うん、だって君を僕が今殺すのは無理だよ」
「どういう事だ?」
「だってそれって君に勝つって事じゃないか、正確に言えば君が負けるってことになる」
「確かにそうだな」
「君は勝利の神だから無理、それに多分僕が武器を持っていて、君を殺そうと思っていたらここにはいなかっただろうね」
「何故そう思う?」
「言ったじゃん、君が勝利の神だからだよ、だから君に負けさせることは出来ない、君は絶対に勝っちゃう、だったら始めから君が勝利する様に動けばいいだけだよね」
「どうするつもりだ?」
「それは最後までのお楽しみ、だからさ、君はそこでじっとしててよ、僕が監視しておくから」
「くっ、てめえ」
内気がガムテープを剥がそうとして、身体を動かしてもガムテープはびくともしない。
「そのガムテープ、外から剥がさないと取れないから」
「くっそ…が!」
内気が力を入れてもガムテープはやはり剥がれない。
「あ、でも口は塞がないとね、大丈夫、鼻は塞がないから、だって」
アンダーは内気の口にガムテープを張り付けた。
「両手両足を固定してロックする僕の得意技、口にガムテープを張り付ける前に僕の気配は完全に感ずかれる、動けなくなってら、そこまで僕を見下す人もいないからね、だからさ、口で簡単にガムテープを剥がされる事が多いんだよね」
こうして、内気のは完全に動けなくなった。
一方その頃、明日羅はレース5人を相手にして戦っていた。
絶対に勝つなら勝たせればいいだけって言うのがレースの答えです。