レースvs神
ども、かつどんでーす。
前回からの続きになります。
「お、あいつらいきなり走り出したぜ?」
「多分、こちらに気付かれたのでしょう」
「どうする?追うか?」
レース達がいた所からそこまで離れていない林に三人の人物と言うよりも神と天使がいた、
「是碓様からは生邪だけを殺せと言われてますが、やはり追うべきでしょう」
「そうだな、まあどうせ勝つし、さっさと行こう」
「待つんだ内気、他の奴らはどうするんだ?是碓さんからは何も言われていない、きっと殺してはいけないだろう」
「そこは沙汰がやったらいいだろ、裁きの神なんだから、例え死んだとしてもそれはそいつが悪人だっただけだ」
「確かにそうですね、沙汰様なら悪人以外は殺せませんから」
「俺はそれでもいいけど、お前ら武器はどうしてる?俺は言われた通り裁きの力があるけど」
「私は完全装備です、普通に鎧を纏ってます」
「流石天使隊だな、で、内気は?」
「俺は何も持ってない」
「おいおい、お前それで…」
「大丈夫さ、だって俺勝利の神だから」
「………」
そんな作戦会議にもなってないような作戦会議を行いながら勝利の神内気と、裁きの神沙汰と、絶対防御の加護を受けた天使明日羅は堂主館の前着いた。
そして、
「じゃ、いくか」
「了解!」
と、入ろうとした瞬間、
「っ!」
明日羅は何かに気付いて沙汰の後ろに下がった。そして、ガキンっと、金属音がなった。
みると、さっき堂主館に入ったはずのレース達の一人が上から降ってきて、大はさみで沙汰の首を切ろうとしていた。
そこに明日羅が間に入り、持ち前の剣でこの大はさみを防いだ。
「!」
「こいつ…」
内気と沙汰は驚いて後ろに下がった、つまり堂主館の奥に入ったのだ。
そして沙汰の左肩に異変があった。
「?」
沙汰が左肩の違和感に気付いた瞬間、沙汰の左腕が沙汰の身体から離れた。
「えっ?」
それは一瞬だった。そのため本人の沙汰だけでなく、内気、明日羅にも何があったのか分からなかった。
沙汰は少しずつ理解すると共に、痛みがこみ上げてきた。
「うがっ!」
もう片方の腕で止血するが、完全な治療をしない限りあと5分くらいで手遅れになるだろう。
だがそこで沙汰はとある人物を見た。それは、
「やぁ、神の皆さん、レースのリーダー高野遠 平岩と申します、皆からはエンって呼ばれてるね」
「お前は!」
明日羅は現在上から降ってきた大はさみを持った男と戦っていて、内気は沙汰の止血を手伝っていた。
そして沙汰の目にはエン、ターゲットが映っている。
「貴様だけは!裁く!」
エンという人物は神ではない、しかし、生邪という神が取り憑いた事により、その能力の発動が可能になっている。他人を不幸にすると言う最悪な能力が…
しかし、エン自身が神ではないなら神の力が適応される、そう沙汰は考えていた。
そして、それは当たっていた。
「裁き、発動!」
沙汰がエンを睨みつけてそう言うと、
「ぐはぁ!」
沙汰が血を吐いて息を引き取った。
「なっ!」
「一体どうなって…」
近くにいた内気はもちろん、近くで戦っている明日羅も驚いた。
そして、エンは誰かと電話していた。
「あ、もしもし?うん、たった今沙汰君が死んだよ、君の言う通りだったよ」
「裁いたのは沙汰様のはず、なのにどうして…」
「えっと、こっちの…あの…えっ?天使?その天使ちゃんに答えるのと、電話の相手に説明するのを兼ねて言うね、やっぱり僕見たいな不幸な人間を裁くなんて、そっちの方が犯罪者になってしまうね」
「っ!まさか…」
「裁きの力で裁いた結果が自分への制裁になってしまったってことか」
明日羅と内気はエンの説明で全てを理解した。
「あ、じゃあ僕は奥に行くか、奥で作戦でも考えておくよ」
そういってエンは電話をしながら堂主館の奥へ向かった。
「あ、待ちやがれ!っく!」
内気が後ろの明日羅を見ると、
「内気様、私は大丈夫です、ですからあの生邪を追いかけて下さい」
「分かった!」
こうして内気は堂主館の奥へ向かった。
やっぱり軍vs軍の戦争より個人対戦の方が書きやすいですね。