夢の中
ああ、またここか。
どちらが上でどちらが下でどちらが右でどちらが左かも分からない。
久しぶりにここに来た。
気付きし者よ、答えておくれ。
はいはい、なんです知恵の神。
前はどこまで話したか?
男を虜にする術です。
役にはたたなそうですが。
知識を増やすは我等が使命。
いらん知識もあるでしょう。
世界にいらぬものは無し。
邪悪な魔物はいらんでしょう。
死する病はいらんでしょう。
それらは人を減らしてくれる。
では何故に我等はあるのです?
我等の中には人もいます。
家畜も鬼も虫もいます。
ですが死を知るものは無い。
知識を増やすは我等が使命。
身を守る術を与えた。
医術を与えた。
農法を与えた。
魔法を与えた。
他に何を望む?
知識を与ふが我等が使命。
知りたきことには答えよう。
あなたは知っているでしょう?
それはお主が創るもの。
我等は教えることは出来ぬ。
***********************************************
「っとに役に立たねぇ加護だなホント」
朝日が顔に直撃して、俺に起きろと言ってくる。くぁぁと背伸びをして寝所から出る。
今日は森人族の様子をパオルさんのところに見にいかなければ。まぁその前に………
「かーさーん!朝飯ー」
腹ごしらえだなっ。