生きる希望
血圧138、脈拍120です。看護婦が言う。
「美奈!美奈!」俺は呼びかける。
ガラガラガラ、「どいてください!!!!」看護婦達が言う中で、美奈はワゴンのような台の上で横たわっている。
「非常に危険な状態なので呼びかけ続けてください。」
「はい。わかりました。美奈!美奈!」俺は呼びかけつづける。
なぜ、こんなことになったのだろう・・・。
「健二〜!どう?似合ってる?」美奈はいう。
「うん。似合ってるんじゃない?」
「何、その返答!」美奈はかわいく怒ったようにいった。
「わかってるって!すっごく似合ってる!!!!」俺がいうと、
「うん、それでよし。」といって2人は笑いあった。
こんな感じが一生続けばいいのになぁと俺は思った。
俺は、美奈と付き合っている。もう、付き合って3年だ。しかし、俺達はもう25と23でそろそろ結婚してもいい時期だ。だから、俺はプロポーズすることにした。
公園のベンチに2人は座った。
「なぁ、話があるんだ。」
「何?」
「俺達、付き合って3年になるじゃん?」
「うん。」
「だから・・・・
俺は、ポケットから指輪をだし、
結婚しないか?」といった。
「・・・・。ゴメンなさい。それは、できない。」
「なんで?」俺は聞いた。
「いえない、だって、いったら健二は私の元から去っていくから。」
「は?そんなわけないだろ。」
「いえよ。俺にいえないことなんてないだろ。」
「わかった。じゃあ、きいてくれる?」
「うん。」
「私、癌なの。しかも、肺癌で、残り1年といわれたの。」
俺は、ショックだった。
「そんなことなんで俺に黙ってた。」ふざけんなよと思った。
「だって・・・。」
「だってもくそもねぇんだよ!1人で抱え込んでるんじゃねぇ。お前だけの問題じゃなく2人の問題なんだよ」
「健吾・・・。」
そして、2人は唇をかさねあった。
そして、1年後の今、病院にいる。
神様!俺の命を捧げてもいい。どうか美奈を助けてくれ!俺は祈ることしかできなかった。
「残念ですが・・・。」医者は言う。
「ここまで持ったのが不思議なぐらいです。」
「美奈ぁーーーーーー!!!!!」俺は叫んだ。
俺は生きる希望を失い、美奈の部屋にいた。
ああ、ここに美奈はいた。今も、いる気がする。
ふと、気がつき、机をあけた。すると、一冊の手紙が入ってた。
健二へ
ありきたりだけど、健二がこれを読んでるってことは、私はもうここにいないんだね。
私が癌って通告されて私は絶望した。
もう、健二のそばにいられないって思った。
だけど、なかなか健二から離れることができなかったの。
だって、健二が大好きだったから。
だけどね、健二がプロポーズして来てくれた日。
私、ついにいったじゃない?だけど、健二はそんな私に、1人だけの問題じゃない、2人のもんだいだ!っていってくれたじゃん?私、そのとき、かなりうれしかった。本当にありがとう。
きっと、健二は私が死んでから何もしてないでしょ?でもそんなんじゃダメ!私の分まで生きて、幸せになって。
それが私からの最後のお願い。
健二にあえてよかった・・・・私は幸せだったよ・・・・・。
美奈
俺は、その場に泣き崩れた。
美奈といた時間が俺にとっての幸せだった。
俺は、美奈の最後の約束を守るため、一生懸命いきることにした。
美奈と思い出は一生忘れることはないだろう。
だって、それが俺の想いだから・・・・。