Ep4失敗から成功が生まれるという。
ゲーム開発において、どのメーカーの媒体で動くのがいいのか、ユーザー的にも悩ましいところです、
有能とされる開発陣と提携している業者もそうだが、はじめはね、リスクなど考えなかったんだよ。それがヒットしたのだから―――。
開発にあたり、ユーザーの声こそが次のタイトルを創作し得る糧となるのは当然、必須事項だった。様々なメディアがゲーム専門雑誌の編集者となると社内評価であるプロらしきコメンテイターが初期プレイの感想を述べる。そして攻略本を制作しだすとその魅力が半減するのだ。
その一方、ユーザーはそれぞれの声を形にし、攻略法まで編み出すプロだった。
そして、わたしの街に中古業者が会社になるまで、とても長いプロセス、市場調査が行われ、だいたいどのくらいの価格で店頭に並べられるか、相場価格を設定する事となる。
「株式会社、縁とロード500円・・・?」
このゲーム、我が社と同じ電子事業で培ったノウハウを活かした技術を採用しているという。特にアニメーションにおけるモーションチャプターはとても目新しかった。その販売価格は7,800円也。当時消費税が5%だった事から「高い」と評判があった。皆、技術を導入するのにどれほどの費用が掛かっていたのか、そこも重視してほしい。
「お父さん、このゲーム、メモリースティックに記憶してあるんだって」
道理でアニメーションを挿入できると思った。当時はガイド・コンピューターという450メガバイトの容量となる本体で、10分間のアニメーションを収録するには相当以上の技術が要求された事だろう。ゲーム雑誌にはトータル・コンピューティングという300キロバイトの内臓チップをメモリースティックに導入したことにより、滑らかでスリリングな映像を醸し出していた。無名声優さん達にも大分頑張ってもらった。ボーカルも。
『だめぇぇ――ッ!ぐすっ行かないでぇぇぇ・・・リューカルドォォオ――ッ!!』
『声、声を・・・だせ、ゲほ、ごホッ、ずびばぜん・・・ラズドいぎま~~ず』
『ハールゥ、僕達は、あのフォルカー大陸へと向か・・・ッ向かうんだぇぐえ!』
―テキストアドベンチャー♪ラストオーライ、明日はきっとオーバーワード♬えい!フォーライ~~君と僕の旅は一緒さ~サーガ―~♫テキストリーグねぇ、うう~~♪やッ!―
容量にキャパオーバーってことですよ。本当皆の知識アテにしてるんです。ええ、わたしは社長なんですけど、営業担当部も汗水垂らして一緒に他社へ応援行ってるんです。ですけど、ゲームとは何か?
「わたしの当時の技術なんてメモリー容量を気にしながらフレームルートを選択していた。だが何故、彼等は違うんだろう・・・」
「モーションチャプター、人の手足の動きを真似てそれをコンピューターへプログラムするんだって。けどね今やそれがたった一つのソフトだけでマウスを動かすだけだよ」
かつて同僚だった上川がそう話すのは、1フレームに対して、アニメーション原画を30枚用意しなくてはいけなかった当時の方式を、どのようにして作っていたのかを物語っている。つまり450フレームに対して1万2,350枚の原画が必要。クリエイター家業も楽ではないという事。彼は電子事業からアニメーション部門に転身した。詳しいな。
「滝美、お前の会社もピークだって?」
「ふ~ん、クリエイターを沢山就けていないと、仕事にならん」
「年期の入った会社だものな。同じ仕事していると・・・」
現在、美少女って名前の看板抱えた仕事をしているけど、ビューティー・ガールの略らしい。なんだか少女漫画のタイトルみたい。アニメのモーション担当の江方が怒るだろうから言わなかったけど、懐かしい時代で失敗ソフトとコメントされたらどうしよう。
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“滝美誠也の勤める会社で働く、クリエイター江方 元博 氏 プロデュース”
「高嶺の果林 ハイパークリエイション」
宇宙空間にたたずむ白い惑星を街にするシミュレーションゲーム。ラップポイントという穴へBEを掴んでポイするとETGが溜まる。それが満タンになればようやく緑や森林が作られ、更に溜めると人類が誕生、その内の登場キャラクターである人を選んで美少女にクリエイトする。23周期の期間でクリエイトされたキャラクターは各陣営を配置することができ、街を作ることも出来る。尚、登場人物は“果実”を食べないと死んでしまうので要注意。
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このゲーム、ハイパーコンピューターを導入した異色のゲームなんだけど、その容量は1テラバイトも必要でハードが限られている。美少女だけで街を作るなんてよく思いつくよ。既に人知を超えてはいないのかなぁ。彼は『社長、これは着せ替えも街の色柄も変えられる異色作なんですよ』とか言っていたけど、総額3,000万円で製作期間3年7カ月。その製作陣はとなりのアースプロ・MNTって会社とGBT等で共同開発したんだって。これの前作にあたる「森林の王者 アースクリエイション」は唯々、穴を掘ってそこに人を落として肥料にするというものだった。今作同様ETGが溜まるとそれで星がドンドン増えるのに、彗星が落ちたらゲームオーバー。6,870円だったこともありボツゲー扱いだった。
『評価15点。開発元GYR株式会社には一点集中型の製作がポイントなんだけど、あまりにもシュール過ぎた、ミニゲームだったと思う』
わたしの妻なんか「寺井さん、これ買わないの?」といって勧めているらしいけど、6カ月後に中古店に並んでいたという噂を聞いた。販売期間からおおよそのプレイ時間を鑑みて新機軸だった事も評価され、ショップの方では4,500円で売られていたのだそう。
―テキストアドベンチャー♪ラストオーライ、明日はきっとオーバーワード♬えい!フォ
<スペシャルサンクス>
アーティワードEEU 伝導Family‘A 統治降格フェブレーション株式会社
―開発プログラム設定 ゼロ・TU-ワーク―
提供:法人企画NW-O2創作事業 クライム山岳部隊トーター
ーライ~~君と僕の旅は一緒さ~サーガ―~♫テキストリーグねぇ、うう~~♪やッ!―
沖見電子“アート部門”事業部 メカニック担当“#WAGA優香”
K・korr=ケーケロ軍たのしく威光制作委員会 食品会社【TERM】
「“――さァ、きみも俺と冒険に出ないか、あなたも仲間になろう!――”」
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Fin~/―監督 多美矢 御気須―
「滝美社長、プレオープンしてよかったですね!」
「はい、なかなか大きく出たものですよ・・・(江方君、頑張ろうね)・・・」




