僕がほんの少し目を離している隙に、君を他の男に取られてしまうなんてあり得なくない?
”僕がほんの少し目を離している隙に、君を他の男に取られてしまう
なんてあり得なくない?”
僕はどこかで君が僕の傍にずっと居ると信じ込んでいた。
でも違ってたんだと気づく。
僕が目を離している隙に、君が他の男に取られていた事を、、、。
もう僕になんの気持ちも残ってない事も知ってしまった。
・・・あんなに愛し合って君と結婚したのに、
ヒドイよ! 酷過ぎる。
僕の君への気持ちはどうしたらいい?
君にはもう僕の想いは届かないんだろうな。
君の眼には、”もうその男しか映ってない!”
何度も考えて、”離婚する事も何度も考えたけど?
それでもやっぱり僕は君と離婚したくない!”
離婚したら? 君はもう僕の所に二度と戻ってこないでしょ!
なら離婚しないよ。
君は嫌がると思うけど? 僕は絶対に君とは離婚しない!
その事を君に伝えると、君は僕にこう言ったね。
『”分かった、私と離婚しなくてもいい! でも彼と私が自由に会う事を
黙って許して!”』
『・・・・・・』
『”それが条件よ!”』
『・・・わ、分かった、その条件をのむよ、』
『うん、ありがとう。』
『・・・・・・』
彼女は僕と離婚をしない代わりに、”その男と自由に会ってもいいという
条件を僕はのんだ。”
だからその男が何時でも彼女に連絡をしてきて会いたいと言われれば、
彼女は何時でも彼に会いに行っていた。
僕はただただそれを見ているだけ!
彼女を止める事も出来ないまま、ただ見てるだけ。
”哀れな夫だな。”
自分の妻が他の男に会いに行っているのを見てても、
止める事も出来ず怒る事も出来ないでいる。
ただ一緒に居たいから、彼女の行動を全て許しているんだ。
”僕は心底バカなのか?”
こんなに辛いなら? もう彼女と別れてしまえばいいのに、、、。
それも出来ないでいる。
”好きな気持ちが多い方が負けなんだよな。”
彼女はその男しか見えていないというのに......。
僕の方を見ていても、目に映るだけで僕への気持ちは一切ないと分かる。
もう一度だけ、僕にまた恋をしてほしい!
僕がこんなにも君を好きなのに、君はもう僕への気持ちはないんだね。
”僕が今欲しいのは君だよ!”
・・・そう言えば? 学生の時にも、今と似たような事が事があった。
でもアノ時は、学生で僕と付き合っていた女の子は別の男子を好きになった。
付き合った後に、他の男を好きになるのかとあの時も思っていた。
結局、彼女は僕と別れてその男子と付き合い出したんだけど。
僕に彼女がもう気持ちがないと分かっていたから、仕方ないと諦めていたな。
でも? 今回は違う!
彼女は、”僕の妻なんだ! 妻を他の男にこのまま取られていいのか?”
そりゃイヤだけど、どうしたらいいのかも分からないんだ!
妻の気持ちをもう一度僕に振り向かせたい!
これがどれほど難しい事なのかよく分かるよ。
それに妻は? ”その男の言いなりなんだ!”
相手の男は、妻を都合のいい女だと思っている。
時間なんかお構いなしにいつでも自分の都合で妻を呼び出すんだ!
でも妻は、アノ男に言われるがままパジャマのままタクシーを呼んで
会いに行ってしまう。
僕と付き合っていた時でも、ここまではなかった妻。
”妻からの愛をそれ程、僕は感じた事がない!”
そもそも妻は僕の事が本当に好きだったのかな?
あんなに情熱的に、自分を見失うぐらい僕に恋をしてくれていたのか?
アノ男と比べると、違うんだと悲しくもなるのだが、、、。
【ドン】
『し、紫保、帰ったのか?』
『”見ないで!”』
『・・・ど、どうしたんだよ、その顔? アイツに殴られたのか?』
『違うわ、』
『じゃあ、誰に殴られたんだ?』
『”彼の奥さんよ、”』
『ア、アイツに、奥さんが居たのか? なんでそんな奴をお前は、』
『”仕方ないじゃない! 私が彼を好きになっちゃったんだから!”』
『・・・ぼ、僕はどうなんだ? 少しは好きで僕と結婚したんだろう、』
『・・・・・・』
『違うのか? じゃあ、なんで僕と結婚したんだよ、』
『周りの女友達も当時は結婚してたし、親にも結婚しろって言われてて、』
『それで僕と結婚したって言うのか、、、?』
『本当の事を言ってほしいの! そうよ、それが理由で貴方と結婚したの!』
『・・・そ、それだけで、僕と結婚を、なんて、愚かな、』
『仕方ないじゃない、あの時はそうするしかなかったんだから。』
『”分かった、もう別れよう、君がずっと望んでいた事だ! 今じゃなくていい
家にある君の荷物を片付けて出て行ってくれ! 離婚届は先に僕が書いて、
後で君に渡すよ。”』
『・・・あ、荒矢、』
『ようやく気付いた、君が僕と離婚したいと言ったあの時に別れておけば
良かったと今は後悔している。』
『・・・・・・』
『”もう君の自由だ! 僕にはもう関係ない。”』
『・・・あ、荒矢、本当に貴方はそれでいいの?』
『あぁ! 僕は自分の気持ちに気づいたんだ、これでいいとね。』
『・・・・・・』
彼女はしばらく家にある自分の荷物を整理して、この家を出て行った。
今はもう彼女がどうなったか分からない。
”僕と別れてアノ男と一緒になったのか? アノ男とも別れたのか?”
でもどうでもいいよ、全て終わった話だ!
僕には関係ない話だよ。
だから、僕も一からこれからは頑張ると決めたんだ!
”こんなに辛い恋なら? もう二度としたくない。”
ひたすら妻を家で待つ結婚生活なんて本当の夫婦とは言えない!
次に結婚する女性とは、僕の事を一途に好きになってくれる女性がいい、
そんな女性を僕は出会えると信じているんだ!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。