表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

3話 港町ってどこにあるの?

 突然ですがクイズです。

 現在、私は心がとても疲弊しているのですが、それはいったいなぜでしょう?


 ①巨大モンスターが道のど真ん中で寝そべっているから。

 ②お嬢様が巨大モンスターに抱きついているから。

 ③町長が二日酔いで寝込んでいるから。


 正解はー?


 デレデレデレデレデレデレデレデレデン!


 なんと全部でしたー!

 いや、どういう状況ですかっ!?!?

 改めて文字にしても意味分かりませんって、これ。

 というか③については何ですか? キレますよ?

 

 ……まぁ何を言っているかまったく伝わらないと思いますので、順を追って説明いたします。


 それは今朝、私とお嬢様がちょうど朝食を食べ終えた時のことでした――。



★―★―★



 ――ドンドンドンドン!!


「キャッ! 何!?」


 私とお嬢様が朝食を食べ終えた時のこと。突然、玄関の方からドアを勢いよく連打する音が聞こえてきました。

 私の対面に座るお嬢様は、思わず肩をビクッと震わせて悲鳴を上げます。


「……こんな朝から誰でしょう? 私が様子を見て参ります。お嬢様はここで待っていてください」


「た、頼んだわよメイディ」


 私は席から立ち上がり、玄関の方へと歩きます。

 玄関に近づくにつれ、ドンドンドンドンと激しい音と共に声も聞こえてきました。男性の声でしょうか、何やら少々早口で叫んでいるように聞こえます。

 やがて玄関前に辿り着きました。――すると。


「ご領主様! ご領主様はいらっしゃいますか!? 町が大変なんですっ!」


 と、慌てたような男性の声がハッキリと聞こえました。

 ――これはきっとただ事ではないですね。

 私は玄関のドアノブに手を掛け、ドアを引きました。

 

「はい、どちら様でしょうか?」


 そうして目の前に現れたのは――。


「あぁ、ご領主様!」


 一人の若い男性でした。額にぐっしょりと汗をかいたその男性は、私の姿を見るや否や、必死の剣幕で私に訴えます。


「ご領主様、大変なんです! 突然港町に巨大モンスターが! 道を塞いでて! 助けてください!」


「わ、分かりましたから落ち着いてください」


 思いつくままに言葉を口にする男性に、私はとりあえず両手を見せて落ち着かせます。


「えーっと、突然港町に巨大モンスターが現れて、それが道を塞いでいて困っているんですね?」


「……はい、そうです」


「道を塞いでいるだけなのですか?」


「えぇ、今のところは道を塞ぐように寝そべっているだけです……。ですが、いつ暴れだすか分からないので、みんな怖がっています」


 なるほど、少なくとも人的被害が出ているワケではなさそうです。

 しかし、なぜ港町に巨大モンスターがいるのでしょう?

 港町はモンスターの主な生息地である森や洞窟からそこそこ離れていて、モンスターに襲われることは滅多にないはずです。

 さらにいえば、巨大モンスターの目撃情報自体がそもそも珍しいです。

 

 ――それなら、どうして急に?

 いずれにせよ、港町は領内で最も発展した地域です。この方の言うとおり、もしモンスターが暴れ始めでもしたら、人的にも経済的にもかなりの危険性があります。お嬢様に事態を伝えて、早急(さっきゅう)に現場へ向かうとしましょう。


「分かりました、ありがとうございます。では、お嬢様に伝えてまいりますので――」


 と、言いかけたその時でした。


「話は聞いたわよ」


 突如、私の背後からお嬢様の声が聞こえてきました。

 振り返ってみると、そこには――。


「モンスター退治なら、この私に任せなさいっ!」


 からだ全体で決めポーズをするお嬢様がいました。

 腰を少しくねらせ、右の目元と左の腹部で横向きピースサインを作る謎のポーズ。背中には既に例の大剣を背負っていました。

 

「……何よメイディ、そんなジト目で」


「いえ、なんでもありませんよ」


 戦闘がありそうな時だけやる気を出すんですね、と言いたくなりましたが、不満を言うだけ無駄なので口にはしませんでした。男性も頭にはてなマークを浮かべていますからね。置いてけぼりにはできませんし、はい。


「と・に・か・く、一大事ならさっさと出発するわよっ!」


「分かりました。仰せのままに」


 そうして私は軽く準備を整え、お嬢様と男性とともに港町へ向かうのでした。






「――で、港町ってどこにあるの?」


 ……コイツ。


リ「ねぇメイディ、港町ってどんなところなの?」

メ「そこからですか? 領内一発展している地域です」

リ「あら、賑やかで楽しそうな所じゃない!」

メ「遊びに行くのではないんですよ?」

男「(不安だなぁ……)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
メイディさん面白いお方ですね……! というか③については何ですか? キレますよ? とか、港町の場所を知らないお嬢様に心の中で毒づいたり。クスリと面白いですし、親近感も湧いてきました……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ