?話 予想外
「……なーんだ、解決しちゃったんだ」
呟いた言葉が風に吹かれて消えていく。
目線の先には他の家よりも少し大きなレンガ屋敷がぽつんと建ち、日の光を受けて赤々と輝いている。
それにしても、この家の主も従者も気づく素振りを見せなかった。
ある時はモンスター巨大化の時に近くにいたと言ってみたり、またある時は名乗られてもないのに「メイディさん」と呼んでみたりと、引っかかりそうなヒントを出していたのに。
――まぁ、ご領主さんの方はモンスターに見惚れていたし、肝心の従者さんの方も失言に焦って気づいてなかったみたいだけどね。
「ただ、あれは予想外だったなぁ」
まさか、冒険者パーティが途中でやってくるとは。
それも、俺の魔法を解除する者がいたとは。
本来なら普通の魔法使いじゃ解けない魔法をかけたはずなんだが――。
「ふふっ、ふふふっ……あっはっはっは!」
思わず笑みが漏れてしまう。
「あぁ、やっぱり人生は予想外だからこそ面白いなぁ」
仰いだ先の恒星も同調するように光を放っている。
そこの君も、そう思うだろ?
「さーて、次はどんな予想外を生み出そうか」
俺は独り言と身体を風に乗せると、次の場所へ飛び立つのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
私たちの日常、いかがだったでしょうか?
こうして見ると、お嬢様は意外とお優しいですし、私は愚痴ってばっかりですね。今後は気をつけたいと思います……。
さて、私たちの日常の紹介は一度ここまでとします。
ですが、もしもご要望があったり私の気が向いたりしたら、また私たちの日常をご紹介するかもしれません。
その時はまたよろしくお願いいたしますね。
最後になりましたが、ここでお別れといたします。
読んでくださった皆様には改めて感謝を……ってお嬢様!?
「ずっと一人で何やってるのかと思ったら、そういうことね! ほら、もふちゃんもご挨拶するわよっ!」
「もふぅ! もふぅ!」
せっかくいい感じに締めようと思っていたんですが……。
まぁ、このほうが私たちらしいかもですね。
ではお嬢様、もふちゃん、いきますよ?
「えぇ!」
「もふぅ!」
それでは皆様、また会う日までご機嫌ようーー。
「またねー! ばいばーい!」
「もふぅー!」