0話 ごきげんよう
皆様初めまして。私はメイディと申します。
とあるご令嬢の従者を務めている者です。以後、お見知りおきを。
さて、突然ですが、皆様は「スローライフ」というものをご存じでしょうか?
これはあくまで俗説的な定義ですが、スローライフとは「時間や効率に囚われることなく、自分のペースで日々の生活を過ごすライフスタイル」のことです。
ん? 「それがどうかしたのか?」ですって?
いやぁ羨ましいんですよね、私。一度でいいから仕事に追われることなく、のびのびと生活がしてみたいんです。
お茶を片手に読書をしてみたり、
興味のある分野の研究に没頭してみたり、
草むらに寝転んで夜空の星を観察してみたり……、
あぁ、夢が止まりません!
……でも、現実ってそう甘くないんですよね。
他にも従者が沢山いればいいんですが、生憎私しか従者がいないので毎日が大忙しなんですよ。お嬢様ワガママですし……。
……っと、失礼。
お見苦しいところをお見せしてしまいましたね。
ごほん。
さて、前置きはこのくらいにしまして、ここからは私とお嬢様の日常をご紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧いただけると、私もお嬢様も幸いにございます。
それでは皆様、ごきげんよう――。
?「メイディ、一体誰に話してるの?」
メ「独り言ですよ」
?「スカートの裾広げてまで?」
メ「独り言ですよ」