表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/103

第95話保大学長としての務め

 「あーあ。良いんすか?元部下とは言え現役の海保長官のスカウトを蹴って保大の学長選挙に出馬するとは…。」

 「山名のスカウトなんか無くても俺はやっていける。それに今回の学長選挙は充分に勝てると踏んでいる。」

 「神教授も人の子ですね。」

 「何が?」

 「SSTの隊長だった頃は権威とか権力とかそう言うの嫌ってたじゃないですか?」

 「まぁ、あの頃は青臭くて若かったしな。」

 「保大の学長になるのも悪くはないと思えたのはいつ頃ですか?」

 「山名に仕事を振られた時かな。自分もいい加減人に指図されていてはいかんと思った時たまたま保大の学長になるチャンスが巡って来たのさ。これで俄然ヤル気になったよ。」

 「保大の学長何てぶっちゃけ東大合格よりハードだぜ?」

 「勝てる見込み有るんでしょう?」

 「これよ!これ!」

 「スマホがどうかしたんですか?」

 「今の時代SNS作戦や。どうせ他の立候補者二人は80歳以上の老がい。」

 「でもこう言うのって派閥がどうとか、学閥がどうかとかって色々あるんとちゃいますか?」

 「まぁ、現場上がりの教授は珍しいからな。俺にはそう言うしがらみがなくて、逆にやり易い。」

 「それじゃあ孤軍奮闘じゃないすか?」

 「分かってくれる人には伝わるって。ノムケン、それよりポスター張るの手伝ってくれ!」

 「はーい。」

 「貴様が俺の助教授で本当に良かったよ。」

 「他にもドデカイ公約をドカンと打ち上げるつもりだ。例えば保大生の給費3%のベースアップ。」

 「それは現実味のある公約かもしれませんね。」

 と、まぁそうこうしているうちに神教授はノムケン助教授と保大学長選挙に臨んだ。結果は他の立候補者二人(現職一人を含む。)を突き放し圧勝した。山名長官の1票が呼び水となり、神教授は第20代海上保安大学校学長に就任した。

 「神学長!おめでとうございます!」

 「山名長官!」

 「保大改革よろしく頼むわよ?」

 「はい。公約に掲げた事は着実に実行します。次長・海上保安監を経験した身として、微力ながら海保全体の意識改革に努めて参りたいと思います。これはこれは保大改革の始まりに過ぎません。保大生のカリキュラムの見直し、学習内容の大幅な変更。保大生の給費のベアアップ。どれも自分一人では達成出来ません。どうか皆様の協力を承りたく思います。また、国土交通省に依頼し海保の船舶の大幅な増強や装備の改善及び、部隊の強化等も訴えかけて行く事も保大学長としての務めだと感じています。」

 「神学長!あれもこれも欲張らずに、まずは公約で掲げた保大生の給費ベア3%アップの為、海保職員の給与2%カット学生は良いかも知れませんが、職員は反発しますよ?」

 「その代わり賞与を2%アップする。」

 「なるほど。でも給与の事に関しては、これ以上触れない方が良いですよ。」

 「と言うか、神学長の掲げた公約は山名長官の守備範囲ですからね?」

 「山名がグズグズしてっから俺がやるんだ。」

 「学長!まずは論文の一つでもまとめないと!」

 「それもそうだな。よし、ノムケンの名義の論文を俺の論文として出そう。」

 「そんなの駄目に決まっているじゃないすか?この期に及びゴーストライターなんて、スキャンダル作ってどうすんすか?」

 「米国のコーストガードと日本の海保の違いと弱点。」

 「ノムケン、このテーマで一ネタ書けないか?」

 「マジでゴーストライターやらすんすか?」

 「生憎俺は学長に就任したんだ。とーっても忙しい。それにゴーストライターと言っても論文のほとんどは俺のチェックが入る。とにかく1ヶ月以内に仕上げてくれ!」

 「またそう言う無茶振りをする。」

 「仕事をしよう!」

 「はぁ…。」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ