第8話海上保安庁特別警備隊
非常にまぎらわしいのであるが、海保には特別警備隊と言う部隊が存在する。警察の機動隊に相当する部隊で常時ある部隊ではなく、有事の際にフレックスタイム(パートタイム)で、各地の部隊から特別警備隊員が集まる。2019年現在、全国11管区で12隻の船舶が特別警備船に指定されている。警備の専門知識・技能を備えた中核部隊として、特別警備船内に配置される。特別警備隊は各船毎に15名ずつの小隊を2小隊設置し、特別警備隊長の指揮の元①規制班②採集班③広報班のいずれかに別れて行動する。
①規制班は、暴徒化したデモ者を実力を持って鎮圧する鎮圧要員である。
②採集班は、犯罪行為を行ったデモ者を検挙した際に必要となる証拠を採集しておく要員。
③広報班は、DJポリスと同様にスピーカーを使ってデモ者に対して通告・慰撫を行う要員。
装備はおおむね警察の機動隊と同じで、出動服やヘルメットを用い大楯操法や逮捕術を使用。拳銃は装弾数の多いM5906を2000年以降は配備。その他の武器としては64式7.62㎜小銃や89式5.66㎜小銃や、ドア破砕用及び特殊弾発射用として、レミントンM870マリンマグナムを装備している。尚、状況に応じてはSSTの後方支援を受け持つ事がある。歴史としては、SSTよりも特別警備隊の方が古くから存在している。
「海保は軍隊じゃねぇ?誰がそんな事言った?」
「歴代の海保長官や国土交通大臣ですよ。それに海上保安庁法にも明記されています。」
「蓋を開けてみりゃ自衛隊と変わらねぇじゃねーか?この小銃も弾薬も自衛隊の標準装備じゃねーか?」
「まぁ、言っても俺達"コーストガード"ですからね?」
「米国や諸外国ではコーストガードは準軍事組織だからな。まぁ、治安維持の為の最小限度って事だろ?」
「警察だって自衛の為に拳銃や機動隊等の最小限度の武装はするだろ?」
「SATとかガチやしな。」
「勇者も剣無しには魔王は倒せないだろ?そう言う理屈だよ。」
「よりによって自衛隊の武器を使うなんて。」
「海保が新たに武器開発するよりコスパ良かったんだろ?それに、軍隊じゃない海保が武器開発する合理はないとちゃうか?」
「まぁ、合理的な部隊運用。それは法律上の話や。実際問題これ等の武器のお陰で特別警備隊もSSTも成り立ってやるんやからしゃあないねん。」
「日本は海に囲まれた島国ですしね。何もやって来る船が民間の船だけとは限りませんしね。」
「その通りや。中国海警局の船や中国海軍の艦艇や北朝鮮の工作船。ロシア太平洋艦隊の軍艦に米国海軍の原子力空母と、最早無双状態や今の日本はな。」
「SST隊員は56人しかいないんですよ?」
「それを俺に言われてもな…。」
「だからこそ、特別警備隊の援護が欠かせないんとちゃうか?」
「そう言われてもまだ、府に落ちません。」
「特別警備隊は警察寄りでSSTは自衛隊寄り。それで良いじゃねぇか?」
「矢部班長がそう言われるのなら、我々がとやかく言うのはやめます。」
「もしかして俺、保大出てるのにハズレくじ引いちゃってる感じ?」
「ですね。神3正ご愁傷様です。」
「神、そう肩を落とすな。結果を残せば大丈夫だよ。」
「結果…。ですね。」