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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第85話根室沖海戦

 「おい、ノムケン?あれロシア海軍の軍艦じゃねーか?」

 「まさかこんな所まで来ないでしょ?」

 「アドミラル・ムルザバエフ…ロシア海軍の主力ミサイル駆逐艦だ。」

 「でも変ですね。1隻しかいませんよ?」

 「いや、下にガッツリ潜水艦を従えているのであろう。」

 「とにかく、このままでは根室海上保安部がムルザバエフの射程圏内に入ってしまう。急いで出撃するぞ!」

 と言って神隊長はセカンドユニットとサードユニットを巡視船あそに乗せて港を出た。

 「トホホ…。こっちの兵装は軽機関砲一門か。心細いな。」

 「何とか接舷出来ればな…。突撃班はいつでも出られる様に準備しておいてくれ。」

 「隊長?いるのは突撃班だけですが…。」

 「あーあそうだった。何を寝ぼけた事を。潜水班は準備を。サードユニットの潜水班は一緒に準備してくれ。スーさん?出来るよね?」

 「はい、了解しました。」

 「うん。ソナーには潜水艦らしき艦影はないな。」

 「じゃあマジで単騎突入して来たのか?」

 「何を考えているのか分からんが、もう完全にムルザバエフの射程圏内に入っているのに違いはないな。」

 ところで、神は潜入班4名を海中に投入。近付いて来るムルザバエフに接舷させようとしていた。

 「こっちに対艦ミサイルはない。高速接舷するしか方法はない。」

 「潜入班4名がムルザバエフに到達したようです!」

 「流石スーさん。仕事が早いな。」

 「神隊長?俺達これで飯を食ってるんですよ?このくらい朝飯前っすよ。」

 「中にロシア兵がいるはず。発砲は許可する。直ちに制圧にかかってくれ。」

 「了解。星!行くぞ!」

 「何か様子がおかしくないか?」

 「確かにミサイル駆逐艦らしくないな。」

 「ガス欠か?」

 「神隊長!中には人がいません。」

 「何ィ?」

 「まずい!時限タイマーの爆弾がセットされてる。」

 「スーさん!退避!退避!」

 「マジかよ?了解。」

 「でもこのままじゃ根室海上保安署に向かいますよ。」

 「なぁに。焦るな。敵がいないならギリギリまで近付いてあとはありったけの艦砲射撃をするまでよ。」

 「神隊長?かなり危険ですよ。」

 「んなこたぁ分かってるさ。」

 「あそを沈めるおつもりですか?」

 「そうなるのもしゃくですが、根室海上保安署が爆発に巻き込まれるよりはましだろ?」

 「神隊長!潜水班の4名が帰還しました。」

 「そうか。じゃあ早速やっちまうか?」

 「ムルザバエフの艦尾にまわり艦砲射撃を実行する。ミサイルに当たればそのままドカン。ムルザバエフは海の藻屑となる。」

 「でもこのままじゃ我々SSTも巻き込まれるのでは?」

 「巻き込まれたら、その時はすまん。勘弁してくれ。」

 「有効射程圏は5m。風向きに後を託すしかねーな。」

 「こんな所で死にたくねー。」

 「その通りだ。私もこんな所で死ぬつもりは毛頭ない。」

 「大丈夫!神隊長を信じよう。」

 「スーさん?例の物ムルザバエフ船内に仕掛けて来た?」

 「はい。何の役に立つか分かりませんが。」

 「なら大丈夫!あれはな爆発の規模を最小限にするジャックポッドと言うアイテムだ。これでムルザバエフは自沈するが、近くの船舶や海上保安署には影響はなくなるはずなのだが?」

 「まさか実戦で使うの初めてとか?」

 「実験では大成功だった。」

 「第6ユニットの坂口班長に作って貰っておいて良かったよ!」

 「神隊長?実験すらまともにこなせてない物によく命を託せますね?」

 「だって現状それしか方法無いんですよ。とにかく機銃発射用意!うてぇ!」

 ズドズドズドズドドドドドドド

 「命中!」

 「ムルザバエフが沈没するまで、続けろ。」

 ドカン!

 「ムルザバエフ積載のミサイルに引火しました!」

 「よし全力退避!」

 「取り舵一杯!」

 ズドーーン!!!

 「時限爆弾も炸裂した。」

 これで何とか根室の海をSSTは守ってみせた。しかし、戦いはまだ終わっていなかったのであった。

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