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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第79話神海人の夢①

 アルファミッションの成功をその目で見届けた神海人1正(SST隊長)は、中井総理の命令で現場から撤収し日本に向けて帰国する事になった。

 「ええ!?もう帰ってしまうんですか?」

 同行していたプレス(マスコミ)は大反対している。

 「総理からの直接の命令ですから。」

 神隊長はどや顔で答える。巡視船つるぎは、海自の護衛艦とちがい、沿岸警備仕様の為早急に燃料を補給しなければならなかった。

 「航海士!残りの燃料は?」

 「停泊中はエンジンを切っておりましたので、日本までは1回位の補給で戻れそうです。」

 「そうか。どの辺りで補給するのがベストだ?」

 「インド辺りで補給は済ませておきたいです。」

 「分かったではそのプランで日本に向けて出発してくれ。」

 「了解しました。」

 「お疲れ様です。」

 と、ビールを持って神隊長の所に来たのは、東京日報(東日)の記者だった。

 「このビールはどこから?」

 「冷蔵庫にあったのを拝借しました。お代ならこれを。」

 「クオカード?こんなもん船上で使えるか!」

 「額を見て下さい。5000円ですよ?」

 「凄い。ちょっと使ってあるけど。」

 「何はともあれ、作戦成功おめでとうございます。」

 「ああ、だが私にはゲロッグがこれしきの事で、このままやられっぱなしって事はあり得ないと思っている。」

 「それは憶測ですか?」

 「海上保安官の勘って奴かな?海保は海外では何も出来ませんからね。今回の派遣だって海上保安庁法に抵触する行為ですが、相手がゲロッグだから許された。SSTも本来なら作戦に参加すべきと主張したが、山久海保長官や中井総理からNGを喰らった。まぁ、今回の作戦でゲロッグの主要幹部はほとんど拘束された話だし、残る末端のテロリストに何が出来るかはたかが知れている。」

 「神隊長、その若さでSSTの隊長をはるだけの事はありますね。神隊長の夢って何ですか?」

 「夢?Dream?世界平和かな。そしたらSSTも海自もいらなくなるじゃん?つーかそれより早く日本に帰りたい。それが近々の夢かな。」

 「風呂に入りたいっすね(笑)」

 「確かに。」

 「東日さんは良い取材出来ましたか?」

 「ええ。まぁお陰様で良い取材になりましたよ。」

 「同業他社の皆さんも映像にかじりついていたようですが、そこにはスクープなんてありましたか?」

 「ありませんね。皆同じ事を書きますから。それより我が社が注目したのは神隊長の無線通信です。」

 「私の行動?盗聴していたのか?」

 「すみません。ちょいと工作させて戴きました。」

 「でも隠しているのも変な話だからな。今となっては日本国民に知ってもらった方が良い話だからな。」

 「確かにそうかもしれません。ですが我々ジャーナリストいや、一民間人からしたら目が飛び出るほどの生々しいやり取りをしていましたね。」

 「この船が日本に着く頃には、東日さんのスクープ記事で生のアルファミッションやプランBがが世の中に筒抜けになっているのでしょうね?」

 「そうですね。でも日本も米国も死者を出さなかったと言う点では作戦成功と見て良いですね。」

 「サダフィ大佐や車一佐の努力の賜物ですね。流石ですよ。」

 「SBUの活躍が羨ましかったですね。そのくらいの事はSSTにでも出来ると悔しかった想いをしました。」

 「防衛省・自衛隊としても、あそこまでお膳立てして失敗は出来ないと言う想いは強かったと思いますよ。」

 「まぁ、米国海兵隊の力が無ければアルファミッションの成功は有り得なかったと思いますよ。」

 「それは言えてますね。」

 東日の記者と酒盛をしている内に補給地インドのムンバイに到着した。正直かなりの二日酔い…と言うか寝てないし。そんな神隊長であったが、何とか給油を終え日本に帰投する事が出来たのである。

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