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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第74話プランB

 アルファミッションの日本側の責任者は車洋太(くるまようた)一等海佐であり、米国側の責任者はモアン・サダフィ大佐である。統括責任者は米国側のゼフィ・ルドルフ少将に決まった。

 「サダフィ大佐、ルドルフ少将よろしくお願いします。」

 「よろしく、車一佐。」

 「ではアルファミッションの詳細について確認をしたいのですが…?」

 「それなら既に通達済みだ。」

 「はい。ルドルフ少将のおっしゃる通り通知は頂きました。しかし、プランBについては詳しく触れられていなかったので、それを確認しに馳せ参じました。」

 「プランB?」

 「ルドルフ少将。その件については私から説明させて頂きます。」

 「サダフィ君!?」

 「プランBとは、想定されていない規模の反撃をゲロッグがしてきた場合に発動する作戦の事を指します。具体的にはミサイル攻撃やバイオテロなど広範囲に影響を及ぼす事態に陥った場合に前線の兵士が多数やられ、アルファミッションの遂行が困難になった場合にルドルフ少将の判断で、プランBに速やかに切り換え空爆の強化やNBCテロ対策(バイオテロ対策)部隊の導入や極めつけはネイビーシールズの投入に踏み切ります。今作戦の目的は国際テロ組織ゲロッグの壊滅が目的であります。世界中に拠点を持っているゲロッグですがアルファミッションで叩くのはスーダンの首都ハルツームにあるゲロッグ本部です。以前にも日米合同軍事作戦を敢行していますが、その時は日本の海保部隊から情報が漏れ、失敗に終わっています。」

 「今回も日本の海保の巡視船が同行している様だが?」

 「はい。名誉挽回にと物好きな隊長がどうしてもアルファミッションに参加させろとうるさくてですね。マスコミや日本政府関係者を引き連れて自己責任で日本からはるばるやって来たんですよ。」

 「車一佐?彼等を守る余裕はあるのか?」

 「ありませんよ。自己責任って約束でついて来てもらってるんですから。」

 「プレス(記者やマスコミ)の守備も一手に海保のあんちゃんに任せて大丈夫なのか?」

 「巡視船つるぎ型に乗船しているのはSSTの隊長ですからね。若いですが神隊長ならプレスや政府関係者を暴走させる事はないと思われます。」

 「神海人一等海上保安正…。若いのに大した度胸だ。」

 「一応こっちの(米国側の)ミサイル駆逐艦を1隻つけてやろう。」

 「良いんですか?サダフィ大佐?」

 「何かあっては困るからな。彼等は我々と違い皆民間人だからな。」

 「ありがとうございます。」

 「礼には及ばんよ。」

 「それよりSBUの方は大丈夫なのか?」

 「空爆が終わり次第ハルツームに進軍する手はずは整っています。」

 「本当は陸自に任せたかったんですがね。」

 「サダフィ大佐?ちょっとそれは無いんじゃないですか?」

 「すまんすまん。SBUの噂はかねがね聞いているよ。」

 「一応海自最強の部隊ですが何か?」

 「日本版ネイビーシールズとも言えるかな。」

 「まぁ、そうとも言われてはいますが。エジプトのカイロ経由で行くんですよね?」

 「余計な邪魔が入らなければ、紅海からスエズ運河を経由してエジプトからスーダンを目指す。」

 「ヘリで降下という手段もありますが。」

 「いや、ヘリはかなりリスクが高い。ゲロッグは地対空弾を多数保有していると聞いているからな。」

 「ドローンでの空爆なんですか?」

 「いや、そんな玩具ではなく戦略爆撃機を使うよ。」

 「ジェラルド・R・フォード級原子力空母は何故待機なのですか?」

 「戦略爆撃機に何かあった時のスペアだ。」

 「なるほど。」

 「ゲロッグはシェルターを準備しているらしい。並みの空爆ではうんともすんとも言わぬだろう。」

 「だから地上部隊を沢山準備しているのですね?」

 「車一佐。やはり日本人は戦争イップスに陥っている様だね?」

 「戦争イップス?」

 「詰めが甘いと言う事だよ。」

 「米国としてもこれだけの戦力を出すんだ。下手な失敗は許されないんだよ。」

 「まぁ、日本人が戦争イップスなのは百も承知。海自最強のSBUとやらの実力は未知数だが、足手まといにはならないでくれよ?」

 「それは恐らく大丈夫だと思われます。」

 と、まぁ酷評された車一佐だったが、サダフィ大佐の言う戦争イップスとやらはある程度理解を示す事が出来ていた。

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