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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第73話アルファミッション

 「何とか首の皮一枚突っ込んで貰ったぜ。」

 「代理隊長を立ててまでやりたかったんですか?」

 「ゲロッグの壊滅は俺の悲願だからな。どんな手を使ってもSSTを絡ませたかったんだ。ただ、予想外にSSTの評価が低くてな。隊長の俺が入るので精一杯だったんだよ。すまんな諸君。ほんとにすまん。」

 「米国海軍に米国海兵隊に海自まで。これはガチでゲロッグを根絶やしにしようとしてますね。」

 「ネイビーシールズも召集されたらしいじゃないですか?こりゃ見物ですよ、隊長!」

 「観艦式を見に行く少年の気分ですね。」

 「あのな、ノムケン?SSTが足手まとい呼ばわりされる現場だぞ?だったらそれなりのものを見せて貰わねーとって思うのが普通だろ?」

 「ま、これでゲロッグも終わりですね。」

 「あぁ、だと良いんだがな。」

 「あぁ、そうそう。巡視船つるぎ1隻借りてくぞ?」

 「はい。どうぞご自由に。でも何故?」

 「日本政府の関係者やマスコミも付いてきたいと来たもんでな。そこは海保が一肌脱ぎましょうって話になったのさ。海自からはSBUも出撃するらしいしな。マスコミにとっては千載一遇のチャンスって訳。」

 「ひゅうが型護衛艦も出撃するらしいじゃないですか?」

 「そうらしいな。やれSBUだ、やれひゅうが型護衛艦だ、なんて言ったらSSTはまるで子供扱いだよな。」

 「でも、バイオテロとか爆弾テロが起きたら対応出来ないんとちゃいますか?」

 「そこはガキ扱いしたSSTに頼る訳にはいかんでな。そこはアメ公頼みって寸法じゃねーか?」

 「なんすかそのプライド?素直にSSTを使えば良いのに。」

 「まぁ、そんな事はどうでも良いんだが、もしゲロッグが本気で反撃して来た時どう反応するかが見物だな。まぁ、率直に言えば、反撃する間を与えなければいい話で、米国海軍は原子力空母ジェラルド・R・フォード級を後方待機してると言う話も噂に聞くしな。そうなりゃ、制空権は圧倒的にこちらに傾く。だからやるとしたら、一気呵成に終わらせる腹積もりなんだろうが、同時多発シージャックなんかされた日には海運関係者はたまらねーだろうな。」

 「そうなりゃ、海保の出番もありますかね?」

 「だから、日より見気分じゃなくてしっかり準備しとけ言うたろうが?」

 「ひだ型巡視船とあそ型巡視船による巡視船隊で日本近海の大型船舶の状況を把握し、呼ばれたら直ぐに出撃出来る様に準備しておけ。場所によってはヘリで向かえ。いいな?」

 「はい。」

 「じゃあ俺はそろそろ行くからよ、後生の事は中野2正に頼んだ。」

 「はい。」

 「アルファミッションか…。誰が考えたんだか知らねーが、一テロ組織に対するにはちとやりすぎじゃねーか?」

 「神隊長もそう思いますか?」

 「あんた誰?」

 「申し遅れました、防衛省の上原です。」

 「事務方(せびろぐみ)の人が私に何の用ですか?」

 「今回のアルファミッションは神隊長のおっしゃる通りやりすぎなんですよ。特に米国側の力の入れ具合が半端じゃないんですよ。」

 「だから何?」

 「日本より米国の為の作戦なのではと言うのが何故か分かりかねまして、ゲロッグを長年追っていた神隊長ならその理由が分かるのではないかと思いまして。」

 「これはミセシメですよ。」

 「ミセシメ?」

 「これは世界に広がるテロ組織に対するミセシメです。まぁ、僕達も暇じゃないですからね。テロなんかに付き合わされるのは困るんですよ。」

 「やっぱり海保さんもそうでしたか?」

 「防衛省もそうなんですね?」

 「我々としてはSBUを出したくはなかったんですが、米国からの圧力がありましてね。」

 「へぇ、自衛隊さんにも圧力が…?」

 「目立った圧力は受けてないんですが、SBU(うち)も子供扱いされて困っているんですよ。」

 「なるほど。」

 同じ日本人どうし協力して行こうと連携を確認した上原事務次官と神隊長であった。

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