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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第69話特別警備訓練

 この日はSST隊員と特別警備隊員による特別警備訓練の日だった。

 「今日はノムケン、分かっているよな?」

 「はいはい分かってますよ。」

 「くれぐれも特別警備隊員とイザコザを起こさない様に。良いな?」

 「隊長!俺達ファーストユニットは暇じゃないんですよ。さっさとこんな訓練終わらせましょ?」

 「中野?これはとても大事な訓練なんだ。それに忙しいのはファーストユニットだけじゃない。SSTは全ユニット毎日忙しい。それに特別警備隊員の皆も本職の仕事を差し置いてこの、特別警備訓練に参加してくれているんだ。それは皆同じだ。」

 「はい!」

 特別警備訓練では有事に備える為、SST隊員が不足した事態を想定して、速やかに特別警備隊員がSSTをサポート出来る様に手順を確認するのが、この訓練の目的である。

 「良いか?SSTも特別警備隊員もどちらが偉い偉くない。そんな事ではないんだ。大切なのは階級上位者の指示に従う事。それが重要なんだ。」

 「チッ。SSTに特別警備隊員のサポートなんて必要あるかよ。」

 「中野2正、まだ悪態ついてやがるよ。」

 「いい加減になさい!」

 「は?誰だテメェ?」

 「中野2正、まずいっすよ。その人若山一甲っすよ?」

 「一甲?は!失礼致しました。」

 「SSTも特別警備隊員も同じ海上保安官じゃない?どうして素直に協力出来ないの?」

 「それはSSTが特殊部隊だからですよ。寄せ集めの特別警備隊とは格が違うんすよ。」

 「確かにSSTと特別警備隊では埋めがたい実力差はあるわ。でもSSTの前に戦ってくれるのは特別警備隊じゃない?」

 「それはそうですけど。」

 「絶対に人手不足のSSTをサポートしてくれる特別警備隊を蔑ろにするのは、私が許さないわ。」

 「若山一甲…。」

 「すみません。若山一甲。自分の教育不足でこんな醜態をさらす事になるとは。」

 「神隊長?これを期にSSTと特別警備隊の協同訓練を増やしなさい。」

 「しかしですが、スケジューリングもあり…。」

 「そんな事位私の鶴の声があればどうとでもなるわ。」

 「流石若山一甲。」

 「とにかくコミュニケーションが圧倒的に不足しているわ。だから、SSTにも特別警備隊にも特別警備訓練以外でも協調性が必要と見受けられるはね。」

 と、まぁ何とか若山一甲にとやかく言われながらも、年に一度の特別警備訓練は全日程を修了した。

 「若林2正今年もありがとうございました。」

 「いえ、こちらこそありがとうございました。」

 「普段は他部隊で勤務されているのに、急ごしらえの特別警備隊をまとめあげるのって、本当に大変ですよね?」

 「いや、言うほどのものではありませんよ。」

 「それよりSST隊員のスキルの高さには感動します。ここ数年で大分変わりましたね。」

 「色々と有りましたから。」

 「その様ですね。」

「あ、これお願いします。」

 「ん?アンケート調査ですか?」

 「はい。アンケートなら言葉では言えない事ってあると思うのですよ。」

 「これ、神隊長が作られたのですか?」

 「はい。若山一甲に言われまして、突貫工事的ではありますが。1ヶ月後に取りに伺いますので、若林2正には御手数ですが特別警備隊の皆様のアンケート配付・回収をお願い致します。」

 「はい。分かりました。」

 「よろしくお願いいたします。」

 アンケート調査で長年の軋轢によるSSTと特別警備隊の溝を埋めるまず第一歩となりそうであった。

 「しかし、若山一甲スゲェな。あんだけ威張り腐っていた中野2正をシュンとさせてしまうなんて。」

 「海保No.3の実力は伊達じゃないって事だろ?」

 「まぁ、これだけでSSTと特別警備隊の長年の主従関係つーか軋轢あつれきは変わるとはおもえないけどね。」

 「そりゃ、そうだよな。確かに。」

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