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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第65話米国の核戦力

 軍隊ではない海保には関係無いかも知れないが、日本の防衛に大きく関わっているのは米国の核戦力である。世界中の核兵器の約9割は米国とロシアのものだ。日本は米国の核の傘に入る事で戦後日本は一度も戦争をせずにやってこられたのである。核兵器は今や外交のカードの1枚である。それが世界の常識なのだ。

 海保としては核開発の技術や核物質等の不拡散を徹底すると共に、米国海軍や海自と共に日本近海での核兵器の使用を許さないと言う姿勢が大切である。何故ならば日本は世界唯一の被爆国であるからだ。それから時が経ち核兵器も進化している。広島型原爆の何十倍もの威力のある原水爆が実戦配備されている。それはもう海保がどうとか、海自がどうとかそう言うレベルではない。人類社会の崩壊を目の前にし、それでも秩序や安全をギリギリ守っている以上海保としてもそれにビビッてはならない。

 「第三次世界大戦が起きたら、日本なんてひとたまりもねーだろな?」

 「即死、瞬殺だな。」

 「人口爆発がこのままのペースで続けば、地球のキャパを越えてその時は確実に戦争は避けられないかもな。」

 「餓死だけはやだな。」

 「米国との関係が継続出来ていれば、大丈夫だろう?」

 「まぁ、いつ掌を返されるかわかんねーぞ?」

 「それに…いや、この話はやめようぜ?」

 「そうだな。ifは良くないよ。リアルを生きてんだから。」

 「おいおい、お前ら非番の日くらい外に外出たり色々しろよ?」

 「こんな陰気くせい海保の独身寮でやれ米国の核の傘はどうだとか、第三次世界大戦が起きたらどうだとか議論してどうにかなるものではないだろう?そんな事は。」

 「いずれは起こる事ですし。と言うか班長聞いてたんすか?」

 「そう言うのは事後対応で良いんだよ。どうせ有事の際には海自の傘下に入る訳だしな。極超音速のミサイルに核弾頭つまれちゃ、海保の巡視船の持っている機関砲じゃ大人と赤ちゃん位の差はある。と言うかウクライナやイスラエルを見てみろ。どれだけの民間人を巻き込んでも自軍の目的を達成するまでは事をやめない。女、子供、老人が死のうが関係無い。それが今の世界を支配している人種の本性だ。」

 「ゲロッグの目には米国の核の傘の下にいる日本の海保や海自は、その手先に写るのだろう。だから無意味な議論なんだ。戦争で死人が出て初めてそれを無益だと気付く。それを民間人に拡大させない。それが俺達海保の役目だ。分かったら飯食って風呂入って寝ろ。」

 「神隊長?」

 「たまの非番の日くらい俺がどこにいて何をしていようとも何も言わせない。セカンドユニットは俺の実家みたいなもんだしな。こいつらとは副班長時代からの付き合いだしな。たまに来ては、こうして一緒に飯を食うんだ。」

 「自分としてはよく分かりかねますが、たまには良いですよね?」

 「ノムケン?いつから俺に指図出来る様になったんだ?」

 「すみません!」

 「気持ちは分かるよ。不毛な議論をしていると言う事もな。でも、それを滅するのは良くないよ。それに海保隊員に愛国心は必要だ。」

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