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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第60話対NBCテロ訓練

 救命を担う第5ユニットも、爆発物を取り扱う第6ユニットも、NBC(有毒・化学兵器)テロ対策専門の第7ユニットも、常に突撃ユニット同様に訓練を重ね有事に備えている。UBTSを突撃ユニットが行っていた裏で第5~第7ユニットは大規模な対NBCテロ訓練に臨んでいた。

 想定としては、1万トンクラスの大型貨物船に猛毒のサリンがばらまかれ被害者が多数出ていて、SSTに出動要請が出たと言うものであった。

 まず第7ユニットが貨物船内に侵入し、対象エリアの除染を行う。毒物が完全に除染されたのを確認して、第6ユニットが侵入し要救助者を船外に出す。船外に出された要救助者は第5ユニットによってトリアージされ、応急手当を実施して、一人でも多くの命を救う。とは言え、貨物船内に猛毒のサリンがばらまかれた場合、多くの死者が出るのは避けられない。が、こうした生物科学兵器に勇気を持って立ち向かうのがSSTの第7ユニットである。

 豊富な専門知識と、高度な技術で現場の無毒化を実行し、海保の中でも図抜けたNBCテロ対策部隊として、認知される様になった。これは第6ユニットも同じである。爆発物の処理に関する高度な専門知識と、技術を保有している。勿論これ等の知識や技術は、一朝一夕に身に付いたものではない。毎日の努力が高度な専門知識と技術の裏にはある。第5ユニットは、救命救急隊員7名と医師隊員1名がいる。こちらも、少しでも海難事故での死者が減るように日夜訓練に明け暮れている。

 「田中班長、訓練終了しました。」

 「第7ユニットは先に引き上げたようだな?よし、我々(第6ユニット)も引き上げよう。」

 「こう言う訓練はユニット間の連携が大切なんだ。1分1秒を争う危険な現場が多いからな。第6ユニットと第7ユニットは、特に。まぁ、第5ユニットがいなくちゃ助かる命も助からねぇけどな。とにかくこうした訓練を繰り返して第5~第7ユニットはパワーアップするんだ。」

 「いざ、出動となったら田中班長(第6ユニット班長)は緊張しませんか?」

 「入隊した頃は緊張したさ。今でも特命出動がかかればドキドキするけどな。」

 「田中班長は実戦で爆発物処理した事はあるんですか?」

 「数える程しかないけどな。あるよ。」

 「プレッシャー凄かったんちゃいますか?」

 「そりゃそうだ。失敗すればドカンだ。大事な事は無心でやる事だ。」

 「ゾーンに入ると言うやつですね?」

 「机上の知識なんざ大事な時に限ってすっとんじまう。ゾーンに入ると今、目の前の一挙手一投足に全集中出来る訳です。」

 「そう言えば、第7ユニットの桐谷班長も同じ様な事を言ってました。全集中すると解は頭の中で自然と弾き出されるから手は勝手に動くと。」

 「そないな事言うたら、第5~第7ユニットの訓練の意味無いやないか。」

 「そんな事あらしません。訓練してなきゃそこまでのパフォーマンスは出せませんよ?」

 「まぁ、有事の時に動けなくちゃSSTの顔に泥塗るだけですよ?」

 「そうだな。有事に備えているのは俺達SST位だもんな。」

 「まぁ、出動しないに超した事は無いんですがね。」

 「海自もお手上げの案件に出動せなあかんねんからな。」

 「それは困りましたね。」

 「正真正銘海上保安の最後の砦ってことやな。」

 「流石ポセイドンズ。名前の通りや。」

 「とは言え、実際のSST隊員達はそうした実感なく仕事している様に見受けられるがな。」

 「実力がある何よりの証ですよ。」

 「そうだとええねんけどな。」

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