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第5話巡視船隊

 特別警備隊には警備実施強化巡視船(特別警備船)が11隻指定されているが、SSTの場合には指揮船ひだ型巡視船を筆頭に、あそ型巡視船、つるぎ型巡視船の3隻からなる巡視船隊が組まれている。また、航空戦力としてサーブ340B型ヘリコプターとEC225LP型ヘリコプターを大阪特殊警備基地に配備している。その他にも強行接弦する為の小型の巡視艇や高速艇を運用している。

 ただ、これ等の戦力は全て第5管区海上保安本部の所有となっている為、優先的にこれ等の戦力をSSTが使える訳ではない。とは言え、有事の際にはこれ等の戦力は、SSTに最優先で使用・運用出来る様になっている。

 「海保もケチだよな。SST専属の船やヘリコプターくらい持たせてくれても良いのに。」

 「まぁ、所詮国土交通省の出先機関でしかないからな。」

 「ほら、そこ!無駄口叩いてないで仕事仕事!」

 「矢部班長?良いんですか?」

 「何が?」

 「特殊な事案でしか船や航空機を回して貰えないなんて?訓練すらまともに出来やしないじゃないですか?」

 「神3正、それが海保(うち)の伝統だからな。」

 「そんなぁ…。」

 「まぁ、定期的にヘリからのリペリング降下訓練や高速艇による強行接弦訓練や指揮船ひだ型巡視船には、定期的に乗船させて貰ってるからな。」

 「不足はない?って事ですか?」

 「そうとは言わねーけどさ。俺達セカンドユニットに与えられた使命を考えたら不足はないと思うけど?」

 「自分達の使命…ですか?」

 「セカンドユニットには突撃第2小隊と言う別名もある。つまり、俺達は突入専門の部隊って事さ。救命が専門の第5ユニットや爆発物処理が専門の第6ユニットや科学防護(NBC)専門の第7ユニット等の所謂"後方待機組"とは訳が違うんだ。巡視船隊から高速艇に乗り替え、ファースト、サード、フォースユニットと協力して容疑船に乗り組む。それが俺達の使命だ。特にシージャックやNBCテロの場合は1秒でも早く制圧せねばならん。」

 「神3正?君はまだ保大を出たばかりで現場の事は分からない事が多いだろう?まぁ、場数を踏めば大丈夫だとは思うが、忘れるな。君には6名の部下がいる事を。」

 「矢部班長、肝に命じておきます。」

 「日々の鍛練を忘れるな?」

 「はい。」

 「1軍、2軍、3軍、4軍なんて言い方もされたりしますけど、前セカンドユニット副班長の小野田3正はそれほど、各ユニットに実力差はないって言ってましたよ?」

 「まだ創設30年にも満たない若い部隊だからな。悪しき伝統は早めに変えていかないとな。」

 「余計な事はしないた方が身の為ですよ?小野田元副班長はそれをしたが為に殉職しちゃったんですから。」

 「その件はおいおい詳しく聞かせてくれ、細谷3士。」

 「了解です。」

 「保大出のエリートって言うから、てっきり部下の話なんか全く聞かない人を想像していましたが、フレンドリーでビックリしましたよ。」

 「エリートとひとくくりにされても困ってしまうんだけどな。」

 「色んな人がいるんですね。」

 「ああ。細谷3士の様な最下級の隊員の話こそ班長から命令される事の10倍は価値があると思っているからね。」

 「本当、神3正って変わってますよね?でも自分は嫌いじゃないですよ?」

 「はは、ありがとな。」

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